著者名: | 小川洋一 編著 |
ISBN: | 978-4-425-20101-3 |
発行年月日: | 2005/12/27 |
サイズ/頁数: | A5判 472頁 |
在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥7,040円(税込) |
海事三法に関する132件の裁決例を体系的に収録。船員の常務に重点を置き、海難審判における法律の解釈・法的安定性を明示した解説書。
【はしがき】より
本書は、いわゆる海上交通三法(海上衝突予防法、海上交通安全法、港則法)に関する海難審判の指導的裁決例を簡潔にまとめ、船舶の運航に携わる実務者(船長、航海士)だけでなく、裁決の結果に重大な関心を持つ船舶所有者、傭船者、保険会社等が、これから指導的裁決例を簡便に参照する一助となることを主たる目的としている。そして副次的に、裁決の法的安定性の確保に寄与することも目的としている。当然のことながら、裁決は個々の事件についてなされる。そして、細部にわたって同一の事件というものは有り得ない。しかし裁決において先例にある判断の基礎となる行為が大筋において同一である場合に、先例と異なる判断がなされ、その判断を異にした理由が明示されていない場合、ことは重大である。その裁決事態に疑問が生じるだけでなく、そのような裁決を生んだ海難審判制度の法的安定性に疑問が生じ、制度そのものを危うくする。日本は判例法の国ではないから、先例に拘束されない。しかし、先例を変更するにはそれなりの理由がなければならない。この問題は、単に判断する側だけの問題ではない。判断される者、判断結果に利害を持つ側にとっても、先例を知り、判断が先例と一貫性を持たないものであれば、第二審の請求、さらに高等裁判所の判断を求めるべきである。これらのものに現行法上そのような権利がない場合には、理事官が公益の代表者として上級審の判断を求めるべきである。けだし、特定事件について、審判長に対して、その審理、決裁を求める側(理事官)と自己の行為について審理の対象、裁決をされる側(受審人、指定海難関係人)が相対して審理が進むという対審制度をとる海難審判制度のもとで、裁決の法的安定性を確保することは、制度そのものを守る唯一の方法だからである。
これら三法は、衝突を避けるための「航法」を定めている。ここで「航法」というのは、避航、保持等の直接的な航法規定だけでなく、信号、灯火、さらには港内や航路などの特定水域内の航法など、およそ衝突を直接又は間接的に避けるための規定をも含む広義の「航法」をいう。
船は、海上交通の手段として中世以前より利用されてきた。船が多くなれば、事故防止のための航法を定める必要性に迫られる。古くは、「航行船は停泊船を避け、停泊船は灯火を掲げる」というような単純なものから始まっている。また歴史的に見ると、海上交通量の増加に伴い、船舶を運航する船員間で、衝突や接近を避ける方法等が慣習として成立した。それらの慣習を整理して成文化したのが「航法」である。海上交通において発生する危険の態様は様々であり、具体的規定があってもそれに従うと衝突するという状態もあるし、そもそも危険の態様のすべてを具体的に規定することは不可能である。しかし、概念としては、具体的航法規定を含んだ概括的規定がある。それが「船員の常務」の規定である。本書はこのような基本的立場に立ち、「船員の常務」に重点を置いている。
本書は、以上で述べたような目的、基本的立場をもとに、当事務所の船舶運航経験者(弁護士2名、海事補佐人3名)を主体として論議を重ね、さらに利用者の立場から船舶保険に豊富な実務経験を有する者が全原稿を精査し、助言、整理したものである。裁決例の選別を開始してからすでに6年余を経過して21世紀に入ったが、これからの海難審判制度は、海難調査の国際化及びISMコードの強制化に伴い、裁決の法的安定性はもとより、裁決に至る正当な手続き(due process)の確保等の国際化に備え、重大な変革を迫られている。そのような状況下で海難審判の行方を見定め、その方向性を示す一助となれば、幸いである。
平成14年5月
執筆者を代表して
小川総合法律事務所
弁護士・海事補佐人 小川洋一
【目次】
序論
海難審判庁の裁決
第1節 海難審判庁の裁決の意義
第2節 裁決書の構成
1.主文
2.理由
3.原因
4.受審人(等)の所為
第3節 裁決の利用
第4節 裁決を理解するに当たっての航法の基本原則
本論
第1編 海上衝突予防法
第1章 狭い水道等の航法
第1節 狭い水道等の航法の解説
1.狭い水道等の航法が適用される条件
2.狭い水道等の航法の特徴
3.狭い水道等の意義
4.「安全であり、実行に適する限り」の意義
5.漁ろうに従事する船舶と他の船舶との航法
6.帆船と動力船との関係
7.狭い水道等の内側における追越し船との関係
8.狭い水道等の内側における横切り船との関係
9.狭い水道等の航法と視界の状態との関係
第2節 狭い水道等の航法に関する裁決例
1.湾曲した狭い水道等と航法の適用
裁決例1 くにさき丸/東祐
2.狭い水道等の航法の適用
裁決例2 あけぼの丸/マリタイムロイヤルティ
3.狭い水道の航路筋の左側と航法
裁決例3 富士鵬丸/第一二一新生丸
4.岸壁と灯浮標との間の水路と航法
裁決例4 安晴丸/第五永寿丸
5.長さが短い狭い水道等の入口付近の航法
裁決例5 第七旭丸/第十八共進丸
6.狭い水道の横断と航法の適用
裁決例6 波之上丸/第三海幸丸
7.霧中、狭い水道等で衝突した際の適用航法
裁決例7 第五萬栄丸/住吉丸
8.狭い水道の内側で行き会うことが困難な場合の航法
裁決例8 ふたば/グレート・ビクトリー
裁決例9 フェリー雲仙/大陽丸
9.潮流の強い狭い水道等で出会う際の航法の適用
裁決例10 光洋丸/チュンサン
第3節 狭い水道等の航法のまとめ
第2章 追越し船航法
第1節 追越し船航法の解説
1.追越し船航法が適用される条件
2.追い越し船の定義
3.追い越し船航法の特徴
4.追い越し船の避航方法
5.被追い越し船のとるべき措置
6.雑種船(港則法第18条に定める船舶)などの避航義務と追越し船航法との関係
第2節 追越し船航法に関する裁決例
1.先航船の船尾灯が驟雨のため視認できなくなった際の航法
裁決例11 日丹丸/リンデン
2.見張り不十分で著しく接近して先航船を視認した事例
裁決例12 きぬうら丸/第三松吉丸
3.追い越し船が転針して横切りの態勢となった際の航法
裁決例13 秀洋丸/ユニ・アフリカ
4.被追い越し船に著しく接近した際の追い越し船のとるべき措置
裁決例14 菊光丸/日興丸
5.被追越し船の後方見張りと衝突の原因
裁決例15 第一熊本丸/カンパニラ
6.被追い越し船の保針と衝突の原因
裁決例16 日聖丸/メリアン
7.総トン数500トン程度の船舶どうしで100メートルの追越し間隔は不十分
裁決例17 ダイナミック・エルピー/第二十五幸得丸
8.第13条と第18条との優先適用順位
裁決例18 姫島丸/越浦丸
9.3船が交互に追越し関係にある場合の措置
裁決例19 おくどうご/菱恭丸
10.総トン数2,000トンの船舶が200メートルの間隔で先航船を追い越す場合の追越し間隔の是非
裁決例20 興凌丸/第五正寿丸
11.一船の転針と当初の見合い関係の変更
裁決例21 つるが/第二天神丸
12.港内において、被追い越し船が小型船のときの航法の適用
裁決例22 菱山丸/第一興春丸
第3節 追越し船航法のまとめ
第3章 行会い船航法
第1節 行会い船航法の解説
1.行合い船航法が適用される条件
2.行会い船航法の特徴
3.避航の措置
第2節 行会い船航法に関する裁決例
1.行会い船航法と小角度の転針
裁決例23 日昌丸/第十一寿美丸
2.見張り不十分と行会い船航法の適用
裁決例24 第三大福丸/三晃丸
3.真向かいに行き会う際の避航の時期
裁決例25 ゴールデン・ステート/神光丸
4.狭い水道等における行会い態勢と航法
裁決例26 三社丸/第二日吉丸
裁決例27 第三十八敏美丸/三洋丸
5.推薦航路線と行会い船航法との関係
裁決例28 幾春丸/アストロ・レオ
第3節 行会い船航法のまとめ
第4章 横切り船航法
第1節 横切り船航法の解説
1.横切り船航法が適用される条件
2.「互いに他の船舶の視野の内にある」の意義
3.「衝突のおそれがある」とはどのような場合か
4.避航の方法について
5.見合い関係の発生について
6.「第三船の介在」の意味
7.「航行の制約がある」の意義
8.見合い関係発生の前後に両船のとるべき措置について
第2節 横切り船航法に関する裁決例
1.避航の時期に関するもの
裁決例29 ねばだ丸/第八東洋丸
2.一船の転針と見合い関係の発生
裁決例30 新生丸/菱秀丸
裁決例31 春徳丸/マリタイムオプティマム
3.保持船の小角度の転針と航法の適用
裁決例32 あさちどり/第5清福丸
4.航路の屈曲に沿っての転針と航法の適用
裁決例33 高千穂丸/第二十一神正丸
5.保持船の針路左転と衝突の原因
裁決例34 昭元丸/オリンピック・チャレンジャー
裁決例35 金星丸/パール・クリーク
6.警告信号の吹鳴時期
裁決例36 駿河丸/金比羅丸
7.巨大船が保持船となったときのとるべき措置
裁決例37 ジャパンオリーブ/拓洋
裁決例38 コスモギャラクシィ/みやこ丸
8.漁船が点在する海域での衝突と航法の適用
第3節 横切り船航法のまとめ
第5章 各種船舶間の航法
第1節 各種船舶間の航法の解説
1.各種船舶間の航法が適用される条件
2.漁ろうに従事している船舶の避航
3.喫水制限船と他の船舶間の航法
第2節 各種船舶間の航法に関する裁決例
1.漁ろうに従事している船舶の見張り不十分と航法
裁決例49 泰山丸/鈴栄丸
2.正規の灯火を掲げないで漁ろうに従事している船舶と引船列との間の航法
裁決例50 第三十八摩耶丸引船列/政進丸
3.操縦性能制限船の灯火と見張り不十分
裁決例51 第八芳神引船列/第二十二永勝丸
裁決例52 黒潮丸/勢運丸
4.漁ろうに従事している船舶を追い越す際の航法
〔裁決例18 姫島丸/越浦丸〕参照
5.灯火規定違反と航法の適用
裁決例53 第二光伸丸/若宮丸
裁決例54 第八明宝丸/第8幸漁丸
第3節 各種船舶間の航法のまとめ
第6章 視界制限状態における船舶の航法
第1節 視界制限状態における船舶の航法の解説
1.視界制限状態における船舶の航法の適用される条件
2.視界制限状態において船舶の航法上主といsて要求される事項
3.レーダーで他船の映像を探知した場合にとるべき措置
4.危険からの回避方法
5.著しく接近することを避けることができない場合の措置
第2節 視界制限状態における船舶の航法に関する裁決例
1.霧中、動静判断を誤って衝突した事例
裁決例55 第五桃邦丸/第十一幸伸丸
裁決例56 第21芳鷹丸/健進丸
裁決例57 第五しんこう/鶴隆丸
2.他船の灯火を視認後、視界が制限された際の航法
裁決例58 四国/第十二真宝丸
3.霧堤に接近した際の航法(一船のみが過失ありとされた事例)
裁決例59 第十二清丸/第十八旭丸
4.霧中、針路の左転と衝突の原因
裁決例60 新洋丸/菱栄丸
5.霧中における航法と海交法との関係
裁決例61 フェリーおれんじ/第五幸陽丸
6.推薦航路線の左側航行と視界制限状態における航法との関係
裁決例62 モリカ丸/イースタンローレル
7.錨泊船の霧中信号不履行と衝突の原因
裁決例63 第二十八大島丸/三友一号
8.航路航行中視界が制限された場合の航法
裁決例64 九大丸/第十五博晴丸
9.霧中航行中、短時間他船を視認した際の航法の適用
裁決例65 第七富士丸/しんへいわ丸
10.霧中、相手船の映像を5海里に探知した際の航法
裁決例66 第七富士丸/明陽丸
11.霧中、視程が1,200メートルの際の航法の適用
〔裁決例124 ヒュー・マーチャント/イランシャリアティー〕参照
第3節 視界制限状態における船舶の航法のまとめ
第2編 海上交通安全法
第1章 海上交通安全法と海上衝突予防法及び港則法との関係
1.海交法と予防法との関係
2.海交法と港則法との関係
第2章 海交法の適用海域、定められた航路及び海交法上の用語
1.海交法の適用海域
2.海交法によて定められた航路
3.海交法上の用語
第3章 交通方法
1.航路の航法と避航関係
2.「航路をこれに沿って航行している船舶」の意義
3.航路航行義務
4.速力の制限
5.追越し信号
6.行先の表示
7.航路の横断の方法
8.航路への出入り又は航路の横断の制限
9.錨泊の禁止
第4章 航路ごとの航法
第1節 浦賀水道航路及び中ノ瀬航路
1.浦賀水道航路及び中ノ瀬航路の航法
2.浦賀水道航路の航法に関する裁決例
1)浦賀水道航路をその北口から入航する際の航法
裁決例67 第一大東丸/雄靖丸
2)中ノ瀬航路に向かって相前後して浦賀水道航路を北上する2隻の船が
中ノ瀬航路の入り口に向けて転針する際の航法
裁決例68 第十すみせ丸/キーウエルス
3)中ノ瀬航路の北口付近で中ノ瀬航路航行船と同航路外を航行する船舶とが接近した際の航法
〔裁決例115 第拾雄洋丸/パシフィック・アレス〕参照
第2節 伊良湖水道航路
1.伊良湖水道航路の航法
2.伊良湖水道航路の航法に関する裁決例
伊良湖水道航路における航路の横切りと航法
裁決例69 博洋丸/文昌丸
第3節 明石海峡航路
1.明石海峡航路の航法
2.明石海峡航路の航法に関する裁決例
1)明石海峡航路付近を航行中、濃霧となった際の航法
〔裁決例64 九大丸/第十五博晴丸〕参照
2)明石海峡航路の付近を横切りの態勢で接近する際の航法
裁決例70 光永丸/第一田島丸
3)明石海峡航路東口付近における航法
裁決例71 日安丸/オーセンティック
第4節 備讃瀬戸東航路、宇高東航路及び宇高西航路
1.備讃瀬戸東航路、宇高東航路及び宇高西航路の航法
2.備讃瀬戸東航路、宇高東航路及び宇高西航路の航法に関する裁決例
1)備讃瀬戸東航路を航行中視界が制限された際の航法
裁決例72 第八菱福丸/第六盛漁丸
〔裁決例61 フェリーおれんじ/第五幸陽丸〕参照
2)備讃瀬戸東航路と宇高西航路の交差点付近で出会う際の航法
裁決例73 菊川丸/ハンスン
第5節 備讃瀬戸北航路、備讃瀬戸南航路及び水島航路
1.備讃瀬戸北航路、備讃瀬戸南航路及び水島航路の航法
2.備讃瀬戸北航路、備讃瀬戸南航路及び水島航路の航法に関する裁決例
1)備讃瀬戸北航路と水島航路との交差点付近で出会う際の航法
裁決例74 鶴正丸/第七福吉丸
2)備讃瀬戸南航路を追越しの態勢で航行する際の航法
裁決例75 周山丸/第五十三日港丸
3)水島航路で長さ50メートル未満の船舶と行き会った際の航法
裁決例76 第五いずみ丸/第一鋼運丸
第6節 来島海峡航路
1.来島海峡航路の航法
2.来島海峡航路の航法に関する裁決例
1)来島海峡航路の東側入口付近で出会った際の航法
裁決例77 三幸丸/陸前丸
裁決例78 第七星宝丸/イスラベルデ
2)来島海峡航路航行中に転流に会ったときの航法
裁決例79 新広丸/大幸丸
第7節 大畠瀬戸における経路の指定による告示関連の裁決例
裁決例80 第八宮丸/興和丸 被押はしけ
第8節 海交法の航法のまとめ
第3編 港則法
第1章 港則法と海上衝突予防法との関係
1.港則法と予防法との関係
2.港則法と予防法との競合
第2章 航路航行の原則
1.「航路による」とは
2.「その他止むを得ない場合」とは
第3章 航路の航法
第1節 航路への出入及び航路の航法
1.「航路への出入」
2.避航の措置
3.「航路外から航路に入ろうとする船舶」又は「航路から航路外に出ようとする船舶」の意義
4.航路を横断する船舶と第14条との関係
第2節 航路内での並列航行の禁止
第3節 航路内で行き会ったときの航法
1.航路内での行会い
2.本項と予防法の行会い船航法(予防法第14条)との関係
3.航路の境界線と予防法の狭い水道等との関係
4.航路の航法と予防法の狭い水道等の航法
第4節 航路内で他船を追い越す際の航法
1.航路内では原則として追越しは禁止されている
2.航路内の追越しには、例外規定が設けられている
3.航路内で追越しが認められる条件
4.他の法律との関係
第5節 航路の航法に関する裁決例
1.航路の途中から航路に入ろうとする際の航法
裁決例81 晴和丸/パシフィック・アジア
裁決例82 ズイダー・シー/モゲス・エボニ
2.航路航行船の前面で航路外に出ようとする場合の航法
裁決例83 あいち丸/フリーマントルブリッジ
3.航路を横断中に航路航行船と出会ったときの航法
裁決例84 神鍬丸引船列/パイン・シルバー
4.東航船と西航船とが航路内で行き会った際の航法
裁決例85 第八国昌丸/パンノバ
5.防波堤外側の航路内で出入航船が行き会った際の航法
裁決例86 神島丸/第三十一日星丸
6.航路内で先航船を追い越す態勢で接近する場合の航法
裁決例87 第八昭祗丸/金虎泉
7.障害物によって航路の一部が閉鎖されているときの航法
裁決例88 若輝丸/ウド
8.航路外での衝突と航路の航法との関係
裁決例89 コンスティチュション・ステイト/福新丸
第6節 航路の航法のまとめ
第4章 防波堤の入口付近の航法
第1節 防波堤の入口付近の航法
1.出航船優先の原則
2.「防波堤の入口及び入口付近」の意義
3.防波堤の入口の範囲について
4.防波堤の入口付近の航法
5.第15条が適用される防波堤の入口
6.入航船の避航方法
7.出航船と避航中の入航船との関係
8.防波堤入口における第14条と第15条の適用順位
第2節 防波堤の入口付近の航法に関する裁決例
1.防波堤入口付近で出会った場合の航法
裁決例90 京北丸/第五十一寿和丸
2.第15条の規定が第14条の規定に優先すると最高裁で判断された事例
裁決例91 第八金生丸/第三清運丸
3.出航船が2隻の入航船と防波堤の入口付近で出会う際の航法
裁決例92 第拾壱鶴浜丸/第五福井丸
4.外側に長い航路が設けられている防波堤の入口付近の航法
裁決例93 第十南海丸/第三十八幸盛丸
5.視程が1,500メートルのとき、出入航船が防波堤の入口付近で出会う際の航法
裁決例94 朝照丸/アーゴビーム
第3節 防波堤の入口付近の航法のまとめ
第5章 防波堤、ふとうの突端付近の航法
第1節 第17条の解説
1.本条制定の趣旨
2.右小回り、左大回りの航法
3.本条の適用される場所
4.「付け回し」にも適用があるか
5.防波堤の突端などの航過距離
6.見合い関係と本条の適用
第2節 防波堤、ふとうの突端付近の航法に関する裁決例
1.突堤に倉庫などがあって反対側が視認できない際の航法
裁決例95 第一鳳丸/鳳翔丸
2.係留船が障害となって見通しが悪いときの航法
裁決例96 第八妙章丸/豊和丸
3.停泊船を、一船が右に、他船が左に見て航行する際の航法
裁決例97 宝勢丸/新進丸
4.防波堤の突端付近で衝突した場合の航法の適用
裁決例98 第一虎丸/住吉丸
第3節 防波堤、ふとうの突端付近の航法のまとめ
第6章 雑種船等の航法
第1節 雑種船及び小型船の航法の解説
1.本条制定の趣旨
2.雑種船の定義
3.裁決で認定された雑種船
4.雑種船の航法
5.雑種船が雑種船以外の船舶に追い越される際の航法
6.大型船及び小型船の雑種船に対する針路保持義務
7.小型船の意義
8.小型船の航法
9.小型船、雑種船以外の船舶が航行中に掲げる標識
第2節 雑種船等の航法に関する裁決例
1.追い越される態勢にある雑種船のとるべき航法
裁決例99 日興丸/扇洋丸
2.針路が交差する態勢と雑種船の航法
裁決例100 第五十東洋丸/みよし
3.小型船と小型船以外の船舶とが徐々に接近する場合の航法
裁決例101 第一旭栄丸/第一みたか丸
4.航路内の衝突と第18条2項の航法との関係
裁決例102 宮梅丸/第五十二イルウー
5.横切りの態勢と第18条2項の航法
裁決例103 日菱丸/金扇丸
6.航路航行中の旅客船と小型船とが衝突した事例
裁決例104 に志き丸/第八昭和丸
7.航路航行中の大型船と航路外から航路に入る小型船が防波堤の入口付近で
出会った場合の航法
裁決例105 第二カルビーポテト丸/カリビアンハイウエイ
8.雑種船の港域外における衝突と航法
〔裁決例15 第一熊本丸/カンパニラ〕参照
9.小型船と大型船との衝突が港域の内か外かで争われた事例
裁決例106 第一大東丸/第一豊栄丸
第3節 雑種船等の航法のまとめ
第4編 船員の常務 第1章 船員の常務の解説
1.船員の常務の基礎となる予防法第38条、第39条
2.船員の情雨の位置付け
第2章 船員の常務に関する裁決例
第1節 狭い水道等の航法を適用しなかった事例
1.可航幅が限られた狭い水道で右側航行によっても無難に航過できない場合
〔裁決例8 ふたば/グレート・ビクトリー〕参照
〔裁決例9 フェリー雲仙/大陽丸〕参照
2.航路に接続する狭い水道で入出船が接近した場合
裁決例107 あつた丸/アルキオニス
3.可航幅が限られた狭い水道で引船列と水中翼船とが最狭部で行き会った場合
裁決例108 第七十七善栄丸引船列/こんどる三号
4.第三船を避航しようとして転針したことにより衝突のおそれが生じた場合
裁決例109 住一丸/幸清丸
5.潮流の強い狭い水道で南航船と北航船が出会った場合
〔裁決例10 光洋丸/チュンサン〕参照
第2節 追越し船航法を適用しなかった事例
1.無難に追い越す態勢のとき、先航船が第三船をさけるために転針して
前路に進出して衝突した場合
〔裁決例19 おくどうご/菱恭丸〕参照
2.無難に航過する態勢のとき、先航船が追越し船の前路に転針して衝突した場合
裁決例110 第拾六巽丸/チャイナ・シーウェイズ
3.一船が転針して追越し態勢となった場合
〔裁決例21 つがる/第二天神丸〕参照
4.相前後して航路の出口を出た両船がともに転針して衝突した場合
裁決例111 第一宇徳丸/第二大蔵丸
5.出航中の船舶とその離岸援助作業を終えて先航した引船との関係
裁決例112 クローバーエース/秋吉丸
第3節 行会い船航法を適用しなかった事例
1.推薦航路線の左側を航行中、他船と行き会った場合
〔裁決例28 幾春丸/アストロ・レオ〕参照
2.両船が互いに接近するも無難に航過する態勢のとき、一船が転針して衝突のおそれが生じた場合
裁決例113 第二十一大新丸被押土運船/明神丸
3.正規の灯火を掲げないで漁ろうに従事している船舶とほとんど真向かいに
行き会う態勢で衝突した場合
裁決例114 第八栄光丸/第2幸兵丸
第4節 横切り船航法を適用しなかった事例
1.両船が針路を横切る態勢で進航中、介在する第三船とも衝突のおそれがある状況で接近した場合
〔裁決例43 日栄丸/アチェン〕参照
2.両船の針路が互いに交差するも衝突のおそれがない状況で航行中、一船が増速し接近した場合
〔裁決例44 第三ごおるでんくらつくす/第十一霧島丸〕参照
3.抜錨後増速中、付近航行中の他船と横切りの態勢で接近した場合
〔裁決例45 菱光丸/第八清丸〕参照
4.航路航行中の船舶と航路外を航行中の船舶とが横切りの態勢で接近し、
航路の出口付近で衝突した場合
裁決例115 第拾雄洋丸/パシフィック・アレス
5.三船が互いに針路を横切り衝突のおそれがある態勢で接近中、これらの二船が衝突した場合
裁決例116 菱南丸/ゾンシャンメン
6.船団を組んで航行中の複数の船舶と横切りの関係となってその一隻と衝突した場合
裁決例117 第十一栄丸/第8漁栄丸
7.両船が同航中、一船が転針して横切りの態勢となった場合
裁決例118 ジャパンキャリオール/功竜丸
8.無難にかわる態勢のとき、一船が転針して針路を横切る態勢となった場合
裁決例119 なかじま/錦生丸
9.引船列と舷灯を掲げていない漁船とが航行中横切りの態勢で接近した場合
裁決例120 開陽丸引船列/金本丸
10.港内において、正規の灯火を掲げていない船舶と横切りの関係となって衝突した場合、
港則法も横切り船航法も適用しなかった事例
裁決例121 鶴多から丸六二号/第一たかちほ丸
第5節 各種船舶間の航法を適用しなかった事例
1.漁ろうに従事している船舶を追い越した場合
〔裁決例18 姫島丸/越浦丸〕参照
2.灯火規定違反の漁船どうしが衝突した場合
〔裁決例53 第二光伸丸/若宮丸〕参照
3.漁ろうに従事中の形象物を掲げないまま漁ろう中の船舶に接近した場合
〔裁決例54 第八明宝丸/第8幸漁丸〕参照
4.灯火規定違反の両船が互いに針路を横切る態勢で接近して衝突した場合、
横切り船及び各種船舶間の航法を適用しなかった事例
裁決例122 幸栄丸/明生丸
5.機関故障のため運転が不自由となった際、正規の灯火を掲げなかった場合
裁決例123 宣洋丸/第五金寿丸
6.航行中の動力船の灯火と黄色回転灯を掲げて操業中の漁船と横切りの態勢で
接近して衝突した場合
〔裁決例47 第十八長久丸/共栄丸〕参照
第6節 視界制限状態における船舶の航法を適用しなかった事例
1.他船の灯火を視認後急に視界が制限された場合
〔裁決例58 四国/第十二真宝丸〕参照
2.視界が制限されたとき、航路を航行中の船舶が錨泊船と衝突した場合
〔裁決例63 第二十八大島丸/三友一号〕参照
3.航路航行中視界が制限され、航路外から航路に入る他船と衝突した場合
〔裁決例64 九大丸/第十五博晴丸〕参照
4.航行中、前路の霧堤に接近した場合
〔裁決例59 第十二清丸/第十八旭丸〕参照
5.視程が1,200メートルのとき、出航船と入航船とが衝突した場合、
視界制限状態における船舶の航法と船員の常務を適用した事例
裁決例124 ヒュー・マーチャント/イラン・シャリアティー
第7節 港則法の航法を適用しなかった事例
1.障害物によって航路の一部が閉塞されている航路内で東行船と西行船とが衝突した場合
〔裁決例88 若輝丸/ウド〕参照
2.港則法の適用のない港の防波堤の入口付近で2船が出会った場合
裁決例125 第十二長水丸/はやかぜ
3.出航する船舶と入航する船舶とが防波堤の内側で衝突した場合
裁決例126 晴海丸/聖琉丸
4.防波堤の切通し付近で衝突した場合
裁決例127 第参拾七愛媛丸/福洋丸
5.関門航路で、小型船と小型船以外の船舶とがともに西行中に衝突した場合
裁決例128 浪速丸/アオヤマ
6.六連島東方水路を南下して関門航路に入る船舶と同水路を航行する船舶とが衝突した場合
裁決例129 長栄丸/第十二天晴丸
第8節 その他
1.港則方適用港において、入航船と操業中の漁船が衝突した場合、港則法及び各種船舶間の
航法を適用しなかった事例
裁決例130 第一大吉丸/佐藤丸
2.港内で正規の灯火を掲げないで錨泊中の船舶に出航舶が衝突した事例
裁決例131 よね丸/海進
3.後進中の船舶と前進中の船舶とが衝突した場合、船員の常務によって判断した事例
裁決例132 かがわ丸/幸栄丸
【海事図書】
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