著者名: | 西野 薫・角田哲也・山口康太 共著 |
ISBN: | 978-4-425-63005-9 |
発行年月日: | 2024/3/18 |
サイズ/頁数: | A5判 416頁 |
在庫状況: | 予約 |
価格 | ¥6,380円(税込) |
舶用ボイラの理論と実務の基礎を解説。多数の図面・演習問題及びわかり易い記述は海技国家試験(1〜3級)に直結する内容。
【七訂版のことば】より
1975 年の初版発行以来,40 年以上にわたって読み継がれてきた『舶用ボイラの基礎』は,蒸気ボイラの課程を修める商船や水産系の学生やエンジニアがその基礎を学ぶ際の最適の教材として利用されてきました。また本書は海技試験(機関)の1 級~3 級に対応しており,海技試験の参考書として多くの商船系の方から愛読されてきました。
今回,西野薫,角田哲也両先生がまとめあげた名著に,改訂版から執筆に加わる機会を得ました。蒸気ボイラの専門書として完成された本書について見直すべき箇所は多くはありませんでしたが,海技試験に対応するため古い問題を整理し、最新の試験問題を追加させていただきました。
今後も,本書が商船,水産,工学系の学校で学ぶ学生たちに末永く供するよう,微力ながら尽力させていただく所存です。
2024年1月
山口康太
【目次】
第1編 ボイラの基礎理論
第1章 序説
1.1 ボイラの定義
1.2 ボイラの法的定義
1.3 ボイラの基礎理論の範囲
第2章 燃料概論
2.1 重油の種類
2.2 重油の性状
第3章 燃焼計算
3.1 発熱量
3.2 燃焼過程の種類
3.3 燃焼反応式
3.4 燃焼ガス量の計算
3.6 (CO2)max(最大炭酸ガス量)
3.7 空気比m(air ratio)
3.8 A0およびG0と発熱量との関係
3.9 燃焼室温度
3.10 ガス分析器
第4章 伝熱理論
4.1 伝熱の基礎的3機構と工学的伝熱過程との関係
4.2 熱伝導(heat conduction)
4.2.1 熱の定常および非定常状態
4.2.2 定常熱伝導の基礎式
4.2.3 平行平面板の熱伝導
4.2.4 円管の熱伝導
4.3 熱伝達(heat transmission)
4.3.1 熱伝達の意義および熱伝達率
4.3.2 熱伝達率の実験式
4.3.3 沸騰中の液体への熱伝達
4.4 熱通過(熱貫流、heat transmittance)
4.4.1 熱通過(熱貫流)の意義および熱通過率(熱貫流率)
4.4.2 平面壁両側の2流体間の熱通過
4.4.3 円管壁両側の2流体間の熱通過
4.4.4 熱交換器(温度の変化する流体間の伝熱)
4.5 熱放射(熱ふく射、heat radination)
4.5.1 熱放射の意義
4.5.2 熱放射の諸法則
4.5.3 一般の2個体両間の放射熱交換
4.5.4 ガス放射および輝炎放射
第5章 蒸気の性質
5.1 蒸発現象
5.2 臨界状態
5.3 蒸気の比容積、エンタルピおよびエントロピ
5.4 蒸気表および蒸気線図
5.5 蒸気の状態変化
第6章 ボイラの水循環
6.1 水循環(water circulation)
6.1.1 水循環の意義
6.1.2 水循環の必要性
6.2 水循環の基礎理論
6.2.1 第1基礎式
6.2.2 第2基礎式
6.3 自己蒸発および相対速度
6.3.1 自己蒸発
6.3.2 相対速度
6.3.3 自己蒸発と相対速度との総合的影響
6.4 ボイラの水循環に関する特性値
6.5 循環に影響を与える諸要素
6.6 ボイラの水循環回路の実際
6.6.1 水管群回路
6.6.2 水冷壁回路
第7章 ボイラの概要と分類
7.1 ボイラの主要部分
7.2 ボイラの分類
7.2.1 丸ボイラの分類
7.2.2 水管ボイラの分類
7.2.3 丸ボイラと水管ボイラとの比較
7.2.4 舶用ボイラの分類
7.3 ボイラの性能
第2編 ボイラ設備の構造と作用
第8章 ボイラ各部の構造と作用
8.1 主ボイラ
8.1.1 2胴D型水管ボイラの構造の概要
8.1.2 各種の2胴D型水管ボイラ
8.2 補助ボイラ
8.2.1 湿燃室丸ボイラ
8.2.2 乾燃室丸ボイラ
8.2.3 コクランボイラ
8.2.4 フレーミングボイラ
8.2.5 2胴D型水管ボイラ
8.2.6 二重蒸発ボイラ
8.2.7 パッケージボイラ
8.2.8 コーナチューブボイラ
8.2.9 小型貫流式ボイラ
8.3 排ガスボイラおよび排ガスエコノマイザ
8.4 低圧蒸気発生器
第9章 ボイラ付属設備および付属品
9.1 過熱器(super heater)
9.1.1 過熱器の種類
9.1.2 過熱器の構造
9.1.3 過熱蒸気温度の調節法
9.1.4 緩熱器(過熱もどし器、desuperheater)
9.2 再熱器(reheater)
9.3 節炭器(エコノマイザ、economaizer)
9.3.1 節炭器の種類
9.3.2 節炭器の構造
9.3.3 節炭器の給水温度
9.4 空気予熱器(air preheater)
9.4.1 空気予熱器の種類と構造
9.4.2 ガス式および蒸気式空気予熱器の設置に対する比較
9.5 安全弁(safty value)
9.5.1 安全弁の概要
9.5.2 安全弁の構造と作用
9.5.3 安全弁に関する法規
9.5.4 安全弁の圧力調整
9.5.5 安全弁の故障
9.6 水面計
9.7 蒸気および給水管
9.8 その他のボイラの付属品
第10章 燃焼および通風装置
10.1 燃焼装置
10.1.1 重油バーナーの形式と特性
10.1.2 バーナエアレジスタ(整風装置、空気調整器)
10.1.3 重油燃焼の補機類
10.1.4 煙路および煙突
10.2 通風装置
10.2.1 通風およびその種類
10.2.2 通風力と通風抵抗
10.2.3 煙突の通風力
10.2.4 煙突の直径
10.2.5 送風路および送風機
第11章 給水およびボイラ水と水処理
11・1 給水およびボイラ水の水質
11.1.1 ボイラの水質に関する単位
11.1.2 ボイラの水質に関する用語
11.1.3 給水およびボイラの水中の不純物
11.2 水によるボイラの障害
11.2.1 スケール(scale)
11.2.2 腐食(corrosion)
11.2.3 キャリオーバ(carry over)
11.3 給水およびボイラ水の処理
第12章 ボイラの取り扱いと保全
12.1 ボイラの取り扱い
12.1.1 取り扱い一般
12.1.2 重油だきボイラの取り扱い
12.1.3 給水およびボイラの水質管理
12.2 ボイラの保全
12.2.1 ボイラの掃除
12.2.2 酸洗い方(化学洗浄法、chemical cleaning)
12.2.3 休かん保存
12.2.4 ソーダ煮(ソーダたき)
12.2.5 水圧試験
12.3 ボイラの損傷
12.3.1 水管ボイラの損傷
12.3.2 丸ボイラの損傷
12.3.3 立てボイラの損傷
12.3.4 過熱器、節炭器および空気予熱器の損傷
第13章 ボイラの自動制御
13.1 自動制御の概要
13.1.1 自動制御回路の構成
13.1.2 制御動作方式の分類
13.1.3 工業計測用記号
13.2 ボイラの自動制御
13.2.1 原理と特徴
13.2.2 ボイラの自動制御装置の分類
13.2.3 ボイラの自動燃焼装置の例
第14章 ボイラの性能試験と熱勘定
14.1 ボイラの性能試験に対する注意および測定事項
14.2 ボイラにおける各種熱損失(重油を燃料とした場合)
14.3 ボイラの熱勘定
14.3.1 熱勘定の基準
14.3.2 計算式
(海事図書)
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