著者名: | 河西健次 |
ISBN: | 978-4-425-92293-2 |
発行年月日: | 2011/12/18 |
サイズ/頁数: | |
在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥2,200円(税込) |
物流コンサルタントとして、25年のキャリアを持つ著者が、そのノウハウを生かしてまとめた物流コスト計算とコスト管理の決定版。
【はじめに】より
私が旭硝子株式会社を退社し、物流専門コンサルタント会社である(株)カサイ経営を創立して、早くも15年経った。旭硝子の物流部時代を含めると、物流との関係は25年にもなる。
私は旭硝子で経理部に所属していたこともあったが、主として管理会計の仕事に携わってきた。
そのためか、物流管理のコンサルティングをするときも、経営的な見方をするのが習慣になっている。また、その手法はコストをベースにしたアプローチで、管理会計的な思考を武器に取り組んでいる。
これが物流管理から、今日ではロジスティクスに進化し、物流最適から経営最適を求める時代のニーズにマッチし、顧問先、セミナーの受講者、拙著の読者にそれなりのご評価をいただいている原因は、そんなところにあるのではないかと考えている。
そこで、私のロジスティクス研究の出発点となった「物流コスト計算」について25年間積み重ねてきたノウハウのすべてを、分かりやすく書き下ろしたのがこの本である。
ロジスティクス活動が大企業から中堅、中小企業にまで拡がっている現状から、私はとくに中堅、中小企業の方が、すぐにでも使える分かりやすい「物流コスト計算」の本にすることを、最大のポイントにした。
読者の皆さんが、ロジスティクス革新に取り組んでいく際、欠かすことのできない物流コスト管理システムの構築に、この本が少しでもお役に立てば幸いである。
読者の皆さんのご健闘を祈ってやまない。
なお、私の1冊目の本「物流コスト計算の実際」((社)日本ロジスティクスシステム協会の前身日本物的流通協会発行・日本能率協会発売〕は、83年(昭和58年)度に私が受賞した全国能率大会最優秀論文通商産業大臣賞の論文がベースになっていた。私は独立1年目にして、出版と受賞という二重の喜びを味わった。
そしてその15年後、13冊目の著書になるこの「すぐ使える実戦物流コスト計算」がまさに出版されようという10月5日に、はからずも私はロジスティクス全国会議において、物流コストの研究が評価され98年度の物流功労賞を受賞するという栄誉に浴した。
私の人生において、物流管理、なかでも「物流コスト計算」との不思議なめぐりあわせに、深い感慨を覚えている。
これも旭硝子時代の先輩、仲間、後輩、独立してからご支援下さった顧問先の方々、(社)日本ロジスティクスシステム協会をはじめとした関係団体の皆さん、「物流コスト管理」の理論的なバックボーンをご教示いただいた早稲田大学教授西沢脩先生ほか物流学会の諸先生のお陰だと、深甚なる謝意と、この感激をお伝えしたい。
最後に、この本の出版にご尽力いただいた株式会社成山堂書店の社長小川實氏、強行日程のなかで献身的にご協力下さった同社渋谷雄平氏に心からお礼申し上げる。
今回の受賞を一番喜んで下さるはずだった故森永宏(元旭硝子物流部長)さんに、本書を捧げる。
1998年10月5日
河西健次
目次
PART1 プロローグ
第1回 数字は経営にどんな意味を持つか
第2回 決算書で物流コストはつかめるか
第3回 なぜ物流コストをつかむのか
PART2 物流コストの基礎知識
第4回 物流コストの移り変わり
第5回 領域別に物流コスト算定
第6回 機能別(物流業種別)にコスト算定
第7回 機能別分類から荷役が消えた
第8回 機能別はABCの基になり
第9回 主体別・支払形態別分類
第10回 コロンブスの卵(変固別分類)
第11回 業種によって計算が変わるか
第12回 管理可能費が多い物流コスト
PART3 物流コスト管理システムの作り方
第13回 生産物流をつかむ場合
第14回 包装コストは丸ごとつかむとよい
第15回 売上げと締切り日を合わせる
第16回 運賃自動計算のすすめ
第17回 コスト管理の発展過程
第18回 人とコストを結びつける
第19回 物流コスト管理システム構築の手順
第20回 フローチャートを作ろう
第21回 フローチャートは宝島の地図
第22回 費用項目(費目)の決め方
第23回 物流数量はどうやって決めるか?
第24回 物流数量はどうやって決めるか?
第25回 品種別コストはどこまでつかむか
第26回 報告先によってフォーマットを決める
第27回 サブデータは重点課題順に作る
PART4 物流コスト分析の仕方
第28回 全身を映す三面鏡が理想
第29回 評価基準は何がよいのか?
第30回 評価基準は何がよいのか?
第31回 予算は夢実現の“架け橋”
第32回 物流予算は物流量計画で決まる
第33回 質の高い物流コスト予算に向けて
第34回 物流コスト分析の仕方
第35回 変動予算を使って物流コスト分析
第36回 変動予算は魔法のランプ
第37回 構成差異はサブデータで
第38回 比率差異は管理指標から選ぶ
第39回 物流コストは最高最大の物流管理指標
PART5 「やさしい物流コスト計算」の仕方ー中小企業のための物流コスト計算ー
第40回 もっと簡単な物流コスト計算はないか
第41回 物流総コストをつかむことが最低条件
第42回 機能別にコストをつかむことが条件
第43回 人件費計算の簡便法はこれだ
第44回 物件費計算の問題点とは
第45回 物件費計算の簡便法はこれだ
第46回 情報処理費簡便法を探る
第47回 費目を特性別に分ける
第48回 費目特性をつかむことで分かること
第49回 総物流コストの成果をつかむ
第50回 機能別コストの成果のつかみ方
第51回 物流サービス別コストをつかむ
第52回 セールスマンが痛みを感じる制度
PART6 ABC(活動基準原価計算)を使った物流コスト計算ほか
第53回 調達物流コスト管理のポイント
第54回 同業他社と物流コスト比較をする?
第55回 同業他社と物流コスト比較をする?
第56回 ABC(活動基準原価計算)の目的
第57回 ABC(活動基準原価計算)の仕方
第58回 一般のコスト計算とABCの違いとは
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