釣りと気象 気象ブックス006


978-4-425-55032-6
著者名:長久昌弘 著
ISBN:978-4-425-55032-6
発行年月日:2002/7/28
サイズ/頁数:四六判 204頁
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価格¥1,760円(税込)
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釣り人のための気象をわかりやすく解説。長年の釣り経験に基づく興味深い話題をまじえ、楽しみながら天気図の読み方が学べる1冊。

【まえがき】より
釣りは、男女を問わず子供かた大人、高齢者に至るまで、多くの人々が手軽にできるレジャーである。そのためか、近年、立派な設備を整えた「釣り公園」が各地に建設されている。どこの釣り公園も竿の放列にはびっくりする。港周りの波止から小磯、防波堤も太公望でにぎわっている。
しかし、同じ釣りでも荒磯釣りとなると、手軽にできるものではない。わざわざ渡船を使って沖の荒磯に渡り、危険性に高い、むつかしいテクニックのいる釣りを好んでするのであるそこには、必然的に心得ていなければならない自然のしくみや守らなければならない掟があることを知らなければならない。
低気圧やうねりの気配を察知し、時には、引き上げるころ合いを見定める必要もある。これは、釣り人の心構えでもある。機を失して、磯に取り残されたり、波にさらわれるなどは恥とすべきである。そのためには、何といっても、気象、海象、地震、津波についても充分な知識をもつことである。まちがっても、荒磯釣りは、手軽な海のレジャーではないことを自覚しなければならない。
このことから本書を書くにあたり、釣り人が知っていなければならない基礎知識や急変する天候の兆しを、いち早く察知できるよう心掛けたつもりである。また、筆者が気象庁の予報現場で会得した40余年の予報経験と釣りバカ60年余のノウハウをミックスして、釣りと気象の関係を見詰め、コラム風にまとめてみた。
太陽のまわりを規則正しく地球が回る限り日本の四季が順序正しく巡ってくる。複雑そうに見える天気図も季節を表す顔として見れば10種類である。私はこの10種類を知ることで気象に対する理解が一層深まると確信している。そのため、天気図のよみ方にも力を注いだ、天気図が織り成す気象変化は、どのように釣りと、かかわっているのか、解説を試みた。
磯釣りの安全対策としては、事故の実例をあげ、これに気象メモを書き添えることで反省と安全指針の一助とした。
筆者も下手の横好きで子供のころから、よく釣りに出かけている。小川や池でのフナ釣りに始まり、小学校高学年からは、父に連れられて磯釣りの手ほどきを受けた。ただ、磯への同行が許される条件が厳しかったのを覚えている。(1)、200メートル以上泳げること。(2)2メートル以上深く潜れること。(3)釣具(とくに釣竿)は、またぐな!またがれるな!!であった。これらは、自然に対処する心構えであり釣りのマナーであることに、後になって気が付いた。釣りの腕前は、いまだ駆け出しの域を出ていない。名人、ベテランの方々には、なにかと不備な点が多いと思われるが、釣法の中に気象、海象を取り入れた近代釣法を発展させていただければ幸いである。
また、釣法や海難事故防止について話し合われる席上に本書を加えていただければ筆者の喜びでもある。磯釣りが、そり楽しく、より安全なレジャーとならんことを切に願っている。

 いつまでも
 きれいな海と
 きれいな川に
  つつまれて
  楽しいレジャー
   自然のしくみの
   ありがたみ
   実感できる
    しあわせを
    守りたい

【目次】
第一章 四季折々
【春】
 1.春の釣り日和
 2.低気圧経路と釣り
 3.春告魚と水温
 4.釣行と春の雪
 5.春一番と釣り
 6.春のあらし
 7.花曇りと釣り場の空
 8.移動性高気圧と釣り
 9.春の長雨は魚が寄る
 10.透明度と魚の視力
 11.初夏の釣り
 12.イサギのころ
 (釣魚の横顔)チヌ/イサギ
【夏】
 1.梅雨期の釣り
 2.魚の水温感覚と食感
 3.魚の感覚
 4.真夏の釣り
 5.釣り場に落雷
 6.キスと波
 7.海陸風とナギ
 8.ウナギの穴釣り
 (釣魚の横顔)スズキ/アイゴ/ベラ
【秋】
 1.釣果と風
 2.台風とうねり
 3.秋の長雨と釣り
 4.木枯らしと小春日和
 5.風速と釣り(風力階級表)
 (釣魚の横顔)イシダイ/イシガキダイ/ハゼ
【冬】
 1.三寒四温と釣行
 2.潮の干満と釣り
 3.アジロ
 4.釣り座
 5.きびしい冬型にも風裏
 6.グレ季節風
 (釣魚の横顔)グレ/ボラ

第二章 季節を代表する天気図型分類10選
 1.移動性高気圧型
 2.台湾低気圧型(東シナ海低気圧型)
 3.二つ玉低気圧型
 4.日本海低気圧型
 5.梅雨型
 6.夏型(南高北低型)
 7.台風型
 8.北高型
 9.帯状高気圧型
 10.冬型(西高東低型)

第三章 海難事故の教訓と安全対策・心得
 1.遭難事故
 2.釣り客三人高波次々
 3.釣り人遭難の報告
 4.釣り場で震度五の報告(新しい津波予報)
 5.釣りと安全対策・心得
 6.磯ぎわの波
 7.磯の急変、三角波

(気象図書)


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