著者名: | 一般社団法人 日本応用地質学会災害地質研究部会 編 |
ISBN: | 978-4-425-98401-5 |
発行年月日: | 2022/6/28 |
サイズ/頁数: | 四六判 232頁 |
在庫状況: | 在庫有り |
価格 | ¥1,980円(税込) |
近年発生頻度の高くなっている土砂災害を中心として、地震・津波災害や火山噴火災害など様々な地質災害について仕組み・種類・原因・対策などを平易に解説。とくに、前兆現象から災害発生後の行動など身の守り方の参考になる事柄を多く紹介。また、近年発生した大規模な自然災害(昨年の熱海の土砂災害など)の概況や最新の調査技術などもコラムで紹介。
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【はしがき】
私たちが生活している地球表層は,地圏,水圏,気圏が交差する極めて厳しい自然環境にあります。その中でも,日本列島は亜熱帯から亜寒帯までを含む中緯度地域に位置しており,四季のはっきりした温帯モンスーン気候となっています。季節の移り変わりを楽しめる一方で,台風や大雨,時には大雪に見舞われることもあります。これに加えて,日本列島は四つのプレートがぶつかり合う世界的に見ても珍しい変動帯の中に位置しています。このため,地震活動や火山活動が活発であり,自然災害のリスクが非常に高い地域となっています。残念ながら,これらの自然現象は止めることができません。自然災害から身を守るためには,日本列島という場の特徴を知り,様々な自然災害が起こりうるリスクを想定して,常日頃から準備しておくことが必要ではないでしょうか。
本書では,近年発生頻度の高くなっている土砂災害を中心として,地震・津波災害や火山噴火災害など,様々な地質災害を含む幅広い内容が,平易な表現を用いて紹介されています。その中には,近年発生した大規模な自然災害の概況や最新の調査技術を紹介したコラムも含まれています。したがって,最初からお読みいただければ,日本で発生しうる災害リスクと最新の動向を掴むことができると思います。一方で,自然災害には地域性がありますので,次のような使い方もあるかもしれません。
みなさんのお住まいの地域には,それぞれハザードマップが作成されています。そこで,本書を片手に,大切なご家族と一緒に,ハザードマップを見ながら,ぶらぶらと歩いてみてはいかがでしょうか。思わぬ危険が潜む場所や災害碑の発見など,新しい事実が見つかるかもしれません。そのような体験がいざというときの適切な状況判断や迅速な避難につながれば,大変嬉しく思います。
一般社団法人日本応用地質学会では,自然災害が発生するたびに,災害調査団を派遣して,その詳細を記録として残す活動をしています。本書の内容は,そのようにして自然災害から学んだ知識や経験を,それらの災害と向き合った研究者と技術者が紹介したものともいえます。ただ,遠く離れた国で生じた海底火山噴火が日本に津波被害をもたらすように,まだまだ私たちの知らない災害リスクがあるのかもしれません。また,私たちの日常生活がいかに高度化したとしても自然災害の脅威を払拭することはできません。本書を読むことを通して,今一度,過去を振り返って現在までの知見を整理し,自然を正しく畏れる準備をするきっかけとしていただければと思います。
2022年5月
一般社団法人 日本応用地質学会
代表理事・会長 長田 昌彦
【目次】
Section 1 ⼟砂災害とは
Question1 ⼟砂災害とはどのようなものですか?
Question2 地質と地形は⼟砂災害に関係しているの?
【コラム1】 近年の地震災害①東日本大震災(2011 年)
Question3 ⼟砂災害はどのようなことが影響して起こるの?
Question4 大雪,火山の噴火によっても⼟砂災害は起こるの?
【コラム2】 近年の火山災害①有珠山(2000 年)
Question5 ⽇本は地震大国といわれますが,地震で土砂災害が起きやすい⽇本の地質を教えて
【コラム3】 近年の地震災害②熊本地震(2016 年)
Question6 ⼟砂災害はどんなところで起きるの?
Question7 ⼟砂災害の発⽣原因で最も多いものはなに?
【コラム4】 近年の豪雨災害①平成26 年広島大規模土砂災害(2014 年)
Question8 昔に比べて土砂災害は増えていますか,減っていますか?
Question9 深層崩壊と表層崩壊ってなに?
Question10 樹木と⼟砂崩れの関係を教えて
Question11 森林を活用した⼟砂崩れ対策はありますか?
Section 2 がけ崩れ
Question12 がけ崩れの現象を教えて
Question13 がけ崩れと⼟砂崩れの違いは何ですか?
【コラム4】 近年の豪雨災害②平成29 年九州北部豪雨災害(2017 年)
Question14 がけ崩れの発⽣の仕組みを教えて
Question15 がけ崩れの発生前の予兆はありますか?
Question16 がけ崩れを防ぐための対策はありますか?
Section 3 ⼟石流
Question17 土石流とはどのような現象ですか?
Question18 土石流の発生前の現象を教えて
【コラム6】 近年の豪雨災害③平成30 年西日本豪雨災害(2018 年)
Question19 土石流と火砕流の違いは?
【コラム7】 近年の火山災害②三宅島(2000 年)
Question20 土石流の仕組みを教えて
Question21 ⼟石流災害を防ぐためにはどうしたらいいの?
【コラム8】 近年の豪雨災害④令和元年東日本台風災害(2019 年)
Section 4 地すべり
Question22 地すべりとはどのような現象ですか?
Question23 地すべり発生の仕組みはどうなっていますか?
Question24 地すべりが発⽣する前にはどんなことが起こりますか?
Question25 雪崩と地すべりは違う?
【コラム9】 近年の融雪災害①利賀の上百瀬地すべり(2017 年)
Question26 地すべり災害はどのように防ぎますか?
【コラム10】 近年の融雪災害②高田の国川地すべり(2012 年)
Section 5 地質災害と種類
Question27 地質災害とはどのような災害ですか?
Question28 日本の地形の特徴はどのようなものですか?
Question29 地震による災害はどのようなものがありますか?
【コラム11】 近年の地震災害③北海道胆振東部地震(2018 年)
Question30 津波による災害とはどのようなものですか?
Question31 火山による災害って何があるの?
【コラム12】 近年の火山災害③御嶽山(2014 年)
Question32 水害にはどんなものがあるの?
【コラム13】 近年の豪雨災害⑤令和2 年7 月九州北部豪雨災害(2020 年)
Question33 地下水が影響して災害が起きるの?
Question34 地震による液状化の仕組みと影響を教えて
Question35 液状化は地質災害なのですか?
【コラム14】 近年の豪雨災害⑥熱海土石流災害(2021 年)
Question36 ⽇本と欧米の地質は違う?
Question37 欧米での地質災害を教えて
Section 6 ⼟砂災害から身を守る
Question38 前兆現象を知るための⽅法はありますか?
【コラム15】 最新の調査技術①衛星からみる SAR 衛星
Question39 災害が発生した場所を知ることはできますか?
Question40 ⼟砂災害が起きたらどうすればいいのですか?
【コラム16】 最新の調査技術②地形をみる 航空レーザ測量
Question41 普段からの備えを教えて
Question42 備蓄の心得として最低限必要なものは何でしょうか?
Question43 外出先で⼟砂災害にあった場合どうすればよいですか?
【コラム17】 最新の調査技術③地形からみる ドローン撮影
Question44 避難情報の種類はどのようなものがあるの?
Question45 避難する際の注意点は?(服装,周囲の状況,避難するタイミング)
【コラム18】 最新の調査技術④海底をみる 水中探査
Question46 ハザードマップを利用して避難場所,経路を確認するためにはどうすればいいのですか?
Question47 土砂災害警戒区域(レッドゾーン,イエローゾーン)とはどのような区域ですか?
Question48 土砂災害警戒区域の外でも油断は禁物ですか?
Question49 ⼟砂災害警戒情報は「いつ」「どのように」発表されるの?
Question50 警戒レベルとは?
Question51 マイ・タイムライン(自身の避難計画)の作成⽅法を教えて
Question52 垂直避難とはどのような避難⽅法でしょうか?
【コラム19】 最新の調査技術⑤ AI からみる 深層学習
Question53 知っておきたいサービス,ウェブサイトは何がありますか?
Question54 個人としての対策⽅法はありますか?
Question55 土砂災害の多い日本で暮らす工夫は何ですか?
この書籍の解説
雨の季節や地震の後には、方々から土砂崩れのニュースが伝わってきます。中には「なぜこんなところに住宅地を作ったの?」と思わざるを得ないような場所での災害もありますが、「ここが崩れるなんて」「こんなところにまで土砂が?」と目を疑うような被害も少なくありません。
しかし、日本は四つのプレートがぶつかり合う場所にあって地形の起伏が激しく、しかも雨の多い気候です。この国で暮らすということは、災害のリスクと隣り合わせで暮らしているということです。例えば地域の図書館の郷土資料コーナーなどで古い地図を見てみると、昔の地名にかつての災害が表れていることがあります。昔の人々も、ずっと自然災害に向き合って生きてきたのです。
土砂災害の危険のある地域にお住まいの方はもちろん、比較的災害の少ない場所で暮らす方々も、降雨や地震によって起こる地盤災害への備えをしておくに越したことはありません。まずしっかりと基礎知識を得た上で、常日頃から情報を集めて備えを更新し続けることが、なかなか予測の難しい災害に対して、個人ができる一番の対策といえるでしょう、
そこで今回ご紹介する『土砂災害の疑問55』がお役に立てると思います。土砂災害の基礎、がけ崩れや地すべり、土石流といった種類別の知識と対策、地質災害、身の守り方と情報の得方について順に解説しました。それぞれの章がQ&Aで構成されているので、短い項目を読み進めていくうちに、全般的な基礎知識を得られるようになっています。
日本列島の豊かな自然環境から恵みを得ながら、災害を避け、被害を軽減させて暮らしていくためのコツを賢く身につけましょう。
この記事の著者
スタッフM:読書が好きなことはもちろん、読んだ本を要約することも趣味の一つ。趣味が講じて、コラムの担当に。
『土砂災害の疑問55 みんなが知りたいシリーズ17』はこんな方におすすめ!
- 土砂災害が多い地域にお住まいの方
- 地域の防災担当者
- 防災に関心のある方
『土砂災害の疑問55 みんなが知りたいシリーズ17』から抜粋して3つご紹介
『土砂災害の疑問55』からいくつか抜粋してご紹介します。地震・火山活動が活発で豪雨も多い日本。自然災害のリスクの高い国で暮らすため、私たちは災害への知識と備えを常に忘れてはなりません。土砂災害をはじめとした自然災害を知り、備えるための知識をカテゴリ別にQ&Aで解説しました。
深層崩壊と表層崩壊
斜面崩壊の規模と様相は多様性に富んでいます。裏山が少し崩れた程度のものから、ひとつの山が消えてしまうものまで様々です。そのような状況を分類するため、深層崩壊と表層崩壊と呼び分けるようになりました。 この「深層」と「表層」は、地表面からの深さで区別しているわけではありません。
表層というのは、斜面表面からの作用が及んで弱くなった部分の総称として使われています。また斜面表面には、他から来た土砂が堆積している場合もあります。このような表層の物質が崩れるものが表層崩壊です。崩れる物質の形成原因は地表にあり、崩れる物質の厚さは概ね数m以内です。一度に崩れる面積は狭く、移動速度もあまり問題とされませんが、近くにいる人の避難は困難です。表層崩壊は強い雨によって多数同時発生することが多く、一つ一つは小さくても大きな被害につながることもあります。
深層崩壊の場合、崩れる原因は地表ではなく地層深部にあります。地下深くに弱い層があり、その層から上の岩盤が崩れるような場合です。弱い層は元々断層破砕帯である場合のほか、岩石が温泉によって変質した層、重力によって壊されてできた層の場合もあります。深さは100mにもなることがあります。崩れる体積も100万㎡以上であることも稀ではありません。
深層崩壊の移動速度はときに時速100km以上、移動距離も1km以上に達する場合があります。土砂が川をせき止めて天然ダムを作り、上流から下流に洪水被害が及ぶということもしばしば起こります。巨大な体積と高速性、移動距離の長さから、深層崩壊の引き起こす被害は甚大になる場合が多いのです。
表層崩壊と深層崩壊の違いは以上のように説明されますが、中間的なものもあります。
深層崩壊は、2000年に制定された土砂災害防止法の対象とされておらず、国としてもその対応に迫られています。
既刊『雪と氷の疑問60』で、表層雪崩と全層雪崩というのが出てきましたが、斜面崩壊の場合と似ているところもあれば、異なるところもありますね。地層の場合は深層崩壊の場合の方が大きな被害を及ぼすようです。
欧米での地質災害
《地震災害と火山災害》
地震活動と火山活動の盛んな場所は、地球表面を覆うプレートの境界に沿って分布しています。欧米ではアメリカ西海岸や、地中海北側のイタリアやギリシャ、トルコなどの地域です。
アメリカ西海岸にはサンアンドレアス断層という活断層があり、断層の位置する米国カリフォルニア州では繰り返し大地震が発生します。断層の東側には多数の活火山が存在するカスケード山脈があり、噴火で大きな被害が出ることがあります。
ヨーロッパでは、黒海の南側のトルコに北アナトリア断層という活断層があり、断層沿いで地震が頻発しています。断層の西側延長にあたるエーゲ海やギリシャでも多く地震が発生します。エーゲ海からギリシャ南部を経てイタリア南部にかけては、活動的な活火山が分布します。最も活動的な火山はシチリア島のエトナ火山です。
《洪水災害》
アメリカ中部からメキシコ湾にそそぐミシシッピ川の氾濫原(洪水時に氾濫する範囲の平野)は、日本の面積ほどの広さです。この地帯は、過去に何回も洪水に見舞われてきました。ヨーロッパではライン川、セーヌ川のほかに中小河川の洪水が繰り返されています。
欧米の洪水は河川の流域面積が広く勾配が緩いため、浸水期間が長くなることが多い傾向があります。
《土砂災害》
ヨーロッパ北部や北アメリカ北部は、氷河の侵食を受けた山地に浅く断面がU字の形をしたU字谷が発達しています。このU字谷は、氷河が融けた後は谷壁が不安定になり、地すべりや崩壊が起こりやすくなります。海岸のU字谷には氷河が融けた後に海水が入り込み、フィヨルドを形成します。入り江の両側の急峻な谷壁が崩れて落下すると、津波が発生することがあります。
氷河が融けた後には、モレーンという礫・砂・粘土などからなる堆積物が残されています。この堆積物が地すべりとして移動することがあります。スカンジナビア半島やカナダでは、氷河が融けたあと地盤が隆起し、海底に堆積した粘土が陸上に持ち上げられています。雨で塩分が洗い流されると粘土の結合が弱まり、容易に液体状になります。この粘土をクイッククレイと呼びます。ノルウェーやカナダではクイッククレイの分布する地域で地すべりが発生しています。
氷河の影響を受けた欧米の土砂災害は、日本とは違うものが多いようです。
国土の広い国では、被害を受ける地域も大きくなります。ミシシッピ川の氾濫では、ハリケーン「カトリーナ」によるニューオリンズの被害は甚大なものでした。また、氷河のある北国でも津波は起こりますが、日本のような地震によるものではなく、入り江の谷が崩壊することによるものです。その国の地形の成り立ちによって、起こりやすい災害の姿も変わってくるのですね。
前兆現象を知る方法
《がけ崩れの前兆現象を知る》
ひび割れや小石の落下、異常な湧水、地鳴りやにおいなどが知られています。これらを機器で検知する手法も開発されています。
がけ崩れや斜面の緩み等を検知する「斜面崩壊検知センサ」は、転倒を検知するタイプや傾斜角・変位を測定するタイプが実用化されています。また、斜面に光ファイバセンサを敷設して、曲げやひずみを観測する方法もあります。
過去に崩壊が多発している斜面や、不安定そうな斜面にセンサを配置することにより、崩壊の発生を早期に知り、避難行動を開始できるようになることが期待されています。
《土石流の前兆現象を知る》
山鳴りや谷の水の濁り・水位の変化、流木の混入、土のにおい、立木の裂ける音や石のぶつかり合う音などが代表的です。
土石流ワイヤセンサは、土石流の発生が予想される谷の上流部にワイヤと電線を張ります。土石流によってこれらが切断されると、電流が遮断されたことを検知して信号を発します。検知の度に設置する必要があるので、繰り返し土石流が発生するような環境では運用が困難です。そこで土石流の発生を非接触で検知する振動検知式土石流センサ(振動センサ)なども実用化されています。
これらはすでに土石流が発生している状態を検知するものですので、土石流が到達するまでの時間はごくわずかです。余裕を持って避難するためには、雨量情報や土砂災害警戒情報に基づいて早めの判断を行うことが必要です。
《地すべりの前兆現象を知る》
道路や構造物の亀裂や陥没、擁壁のはらみ出し、井戸水や湧水の湧出・枯渇など、平常時と異なる変状が現れます。
地すべり観測で最も基本的なものは、地盤伸縮計による2点間の移動量の計測です。滑落崖より上方の不動部と地すべりブロックをまたぐように設置し、地すべり頭部の地盤の変位量を観測します。
近年、地すべりブロック内外にGPS機器を設置して、地すべりの動きをmm単位で観測し、移動状況を解析する技術も進展してきました。人工衛星から地上に照射したレーダ波の反射データを重ね合わせて解析し、地盤の変動量を解析する技術(干渉SAR)も実用化されています。
「崩れたことがある場所」「見るからに崩れそうな場所」への注意深い観測が、迅速な避難行動に役立ちます。週に何度か地震があり、年に数回は大雨に見舞われ、少し郊外へ行くと斜面にぶつかる、そんな地域の多い国で暮らしてきた私たちは様々な知恵を積み上げてきました。慣れても気を抜かず、慌てないで常に備える姿勢を、次の世代にも伝えていきたいものです。
『土砂災害の疑問55 みんなが知りたいシリーズ17』内容紹介まとめ
地理的・気候的な状況から、自然災害のリスクが非常に多い日本。自然災害から身を守るため、日本列島の特徴を知り、起こりうる自然災害に備える必要があります。土砂災害を中心として各種地質災害を種類別にQ&Aで解説し、最新知識を提供します。
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災害列島で暮らす!おすすめ4選
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『地震と火山と防災のはなし』
日本は自然豊かな一方、地震や火山噴火などの災害も多い国です。近いうちに起きるとされている南海トラフ地震までを視野に、地震、火山のメカニズムから、災害への備え、地域での取り組みなどを解説しました。防災意識の高い静岡県で行われた講演会がもとになった、わかりやすい入門書です。
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『台風予測の最前線 気象ブックス045』
毎年やってきて、ときに大きな爪痕を残していく台風。発生や進路はどのように予測・観測されているのでしょうか?台風が発生する仕組みを解説したのち、台風観測と予測技術の最新情報、温暖化と台風、国際協力体制、台風防災の心構えなど、目先の予報だけではなく、将来的な台風研究の見通しまでを幅広く網羅しています。
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『逆流する津波ー河川津波のメカニズム・脅威と防災ー』
河口から川を遡り、内陸部に襲い掛かる「河川津波」。東日本大震災で大きな被害を出したこの特殊な津波の特徴や減災・避難方法について、被災地で長年研究してきた著者が解説します。津波の基本から始め、世界各国の事例も取り上げていますので、津波全般についてもわかりやすく知ることができます。
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『レーダで洪水を予測する 気象ブックス043』
洪水は、「今、ここ」で降っている雨の量だけで予測できるものではありません。雨雲を観測する「レーダ雨量計」の技術を用いて、より早く確実な洪水予測が試みられてきました。レーダ雨量計の技術を解説するとともに、一般市民がこれを効果的に利用し、確実な避難に役立てる方法を解説します。
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