著者名: | 鈴木 暁・古賀昭弘 共著 |
ISBN: | 978-4-425-77151-6 |
発行年月日: | 2007/3/28 |
サイズ/頁数: | 四六判 208頁 |
在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥1,650円(税込) |
内航海運はいま、大気汚染、地球温暖化などに関連して、よりクリーンな大量輸送機関として、鉄道と共に改めて注目を浴びています。しかし、モーダルシフトが話題となってから数年を経過しているにもかかわらず、その進展が遅々としているように見えるのは、長期にわたる景気後退という側面はあったにせよ、内部に抱える懸念材料が多いことも影響しているのでしょう。老朽船のスクラップアンドビルド、船員の高齢化と若年船員不足の解消、船内労働環境の改善、適正運賃の確保などです。
本書は、こうした内航海運業界の現状や、これまで業界が実施してきたさまざまな改善策、行政面からの施策などを紹介し、あわせて簡潔にその発展の歴史を解説しています。
基幹産業でありながら縁の下の力持ち的な存在の内航海運に関しては、関連書籍も極めて少ない状況です。この点からも貴重な1冊であり、一般読者も念頭に置いて書かれているので、業界関係者はもとより、これから内航海運界に進もうとする人や勉強する人にとっても、全体像を分かりやすく概説した書としてお勧めできます。
第1章 内航海運とは
1 内航海運とは
2 国内物流市場における内航海運の地位
3 フェリーとRORO船
4 島の経済を支える離島航路
第2章 内航海運小史
1 明治時代以前
2 明治から昭和へ
3 戦中・戦後
4 高度経済成長期以降
5 内航船社会の動き(例)
第3章 内航貨物輸送と船腹需給
1 貨物輸送活動
2 主要貨物の特徴と専用船
3 内航船舶の船腹供給状況
第4章 内航海運業の構造と課題
1 内航海運業者の現状と構造
2 内航海運の取引形態
3 内航海運組合と内航総連合会の活動
4 内航海運業者の経営改善と市場拡大
5 内航海運における不公正取引の改善
第5章 内航船員の現状と課題
1 船員の老齢化問題若年船員育成策
2 船員生活と賃金
3 コスト論で解決できない船員問題
4 船員派遣事業
第6章 内航海運政策
1 これまでの政策と法制度(内航二法)
2 内航海運業法の概要とその運用
3 内航海運組合法の概要
4 船腹調整制度による需給調整
5 内航海運暫定措置事業による需給調整
6 共有建造制度と鉄道建設・運輸施設整備支援機構
7 内航海運活性化三法の制定とその内容
第7章 内航船の技術開発
1 輸送化近代化の始動
2 わが国のバージ(艀)輸送
3 内航海運を利用した流通基地
4 船舶設備の技術革新
5 雑貨輸送の技術革新
6 次世代船舶への展望
第8章 船舶の安全確保と環境保全
1 船舶の安全確保とSOLAS条約
2 船舶の排出ガス規制とMARPOL条約
3 シングルハル・タンカーの規制
第9章 モーダルシフトと内航海運
1 モーダルシフトの必要性
2 モーダルシフトの困難性
3 海運モーダルシフト推進の課題
第10章 内航海運の展望
1 「次世代内航海運ビジョン」の概要
2 内航海運の将来展望
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