著者名: | 古澤昌彦 著 |
ISBN: | 978-4-425-85061-7 |
発行年月日: | 2001/8/28 |
サイズ/頁数: | 四六判 196頁 |
在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥1,760円(税込) |
【はじめに】より
日本人は、魚を好物としている。魚を多く食べるから寿命が長いといわれる。しかし、魚を食べるときに、この魚はどこで生まれ、どのように育ち、どのように獲られ、どのようにここまで運ばれたか、と聞かれても、私を含めほとんどの人が答えられないだろう。大根などは、日頃畑などを目にしているので、およその見当がつく。このように、私たちは、魚から非常な恩恵を受けている割には、その知識に乏しい。これはやはり、魚は、海中という私たちには簡単に見えないところで生まれ育つためである。
海の中は陸上と違って、電波はほとんど伝搬できず、音波の方がずっと通りがよい。そこで海中を見て、そこでのドラマを知ろうと思えば、主に水中音波を使うことになる。この本は、水産や海洋に関する音響計測技術について、現在の研究状況を織り交ぜつつ、やさしく解説する。高校生や一般の方々を対象と考え、また大学生の副読本ともなるよう心がけた。
最近、理科離れ、特に物理離れが心配されており、教鞭を執る私も実感している。この本は、ベルソーブックスの中でも、数少ない物理系の内容となるであろう。やさしくするために、例えば音圧といった専門用語を使わないで成果のみを示す方法もあろうが、すると理科離れに迎合することになり、骨抜きになるおそればある。そこで、あえて専門用語を使い、原理も理解していただくことにした。そのかわり、極力あなた自身に登場願って、手足や頭を使って実験していただきつつ、専門用語を体得していただく。借りにあなたの心は物理嫌いであっても、あなたの体は物理が大好きである。例えば、重いものをグット持ち上げない、というあなたのしなやかな動作には、ニュートンの運動の法則が染み込んでいる。
この本により、少しでも、水産、海、音響計測、物理、理科に興味を持たれ、それらの健全な利用と発展に心していただければ、筆者の望外とするところである。ないようについては、誤りのないよう努力したが、もとより浅学菲才のため、改善すべきところが多々あると思う。ご指摘いただければ幸いである。
2001年7月
古澤昌彦
【目次】
第1章 音の話
1−1 我らは海の子
1−2 なぜ音で見るのか
1−3 音とは?
1−4 音の大きさ
1−5 音の姿
1−6 音の伝わり方
1−7 おさらい
第2章 人とイルカのソナー
2−1 人のソナー
2−2 イルカのソナー
2−3 人工のソナー
第3章 音で魚を探す
3−1 船の下を見る魚群探知機
3−2 見たい方を見る
3−3 広く探すソナー
3−4 魚群探知機とソナーの友達
第4章 音で魚の量を測る
4−1 魚のとり方の工夫
4−2 音響による資源計測の方法
4−3 魚の音波反射の仕方
4−4 音響資源調査の実際
4−5 魚の種類を知る
第5章 音で海底を眺める
5−1 海の深さを測る
5−2 底質を調べる
5−3 線から面へ
第6章 音でプランクトンを測る
6−1 プランクトンはあなたの恩人
6−2 プランクトンによる音波散乱
6−3 プランクトンの音響計測
第7章 音で流れを測る
7−1 なぜ音で流れがわかる
7−2 流速計でプランクトンを測る
第8章 音で水温を測る
8−1 水温計の発展
8−2 音波網で海中温度のリモートセンシング
8−3 走りながら音波で水温を測る
第9章 音で位置を測る
9−1 位置を知る
9−2 海中で位置を知る
9−3 音響測位のいろいろ
9−4 魚に迷子札
9−5 エコーの三日月をよく見よう
書籍「音で海を見る ベルソーブックス007」を購入する
カテゴリー: