著者名: | 西野影四郎 著 |
ISBN: | 978-4-425-18042-4 |
発行年月日: | 1984/2/8 |
サイズ/頁数: | A5判 178頁 |
在庫状況: | 在庫有り |
価格 | ¥1,980円(税込) |
海技試験に必要な知識を基礎から解説。構文・熟語・整理編と分け、主機、補機、燃料等の船舶機関構造、取扱いの必要事項を網羅。
【はしがき】より
本書は、機関英語を学びたい人の自習書として編集したものである。
中・高等学校で習った英語が、これら問題解釈の基礎になることはいうまでもないが、技術英語には文を簡潔にする必要性その他から独自の表現もあるので、早くこのような構文に慣れる必要がある。したがって本書では、一般英語から技術英語に入りやすくすることを考慮し、構文編においては、特に学校文法面からこれを配列して説明するようしたものである。熟語編、整理編においては若干演習も加味した。以下各編の内容を述べると、
構文・公式編 は、理解の容易性を考慮し、同時に上級士官たる海事従事者に必要なる文法の知識をも加え、その説明においては一般英語をもって、例文ならびに問題については、専門英語を取り入れた。
この種の英語の特色として、コンマ、関係代名詞の省略、分詞構文の使用、主語・述語が著しく長いもの、主語・述語の順が逆になっているものなど、学校文法で十分習熟していないものもあろうかと思われるが、各「説明」を熟読して、その特徴を把握するなら、以後は、既習の英語力で十分なることと思う。
また、早く、この種の構文に慣れるため、数多くの問題に当たることも必要なことである。「一にも努力、二にも努力」、「時間をかける」ということは、機関英語の学習についても言えることである。絶えず努力を続けておれば、自然と理解力も深まり、解釈力のつくものである。とにかく、繰り返し問題に当たり、自然に解釈の要領を会得してほしいと思うので、回数表示欄を設けた。少なくとも、6回は精読の必要がある。文法的な説明は、あくまでその補助くらいに考えてほしい。
熟語編 現実に機関英語の問題に当たり、あるいは、それらを読んでみて気づくことは、その解釈につき、一定の構文やフレーズ(熟語)が限定されてくることである。したがって、この種英語からできるだけ多く、頻出のフレーズを選び出し、整理したものである。解釈の要は、構文の理解、熟語、単語の習熟度にあると思われるからである。
整理編 は、日進月歩の機械技術の発達を考慮し、最近の知識に遅れぬよう、最も新しい英文カタログの一部を引用した。
さて、“Practice makes perfect.”“Use makesperfect.”「習うより慣れよ」の諺通り、繰り返して述べるが、上達の要は、多くの文例に当たり、かつ、それらに慣れること、機関、機関英語の性質を把握することにあると思われるので、本書もこの線に沿い編集したものである。
最後に、学習に関する一般的心得・注意・解釈の要点を挙げると、
1. 問題解釈に当たっては、各自も実力の相違にもよるが、一般的に、まず、構文編の「説明」「例題」「問題」
(解説付き)により、各文型・構文に慣れ、熟語編 整理編により各自、演習を実施することが望ましい。
2. 技術英語の解釈に当たっては、みずからの専門知識を十分に活用すべきであって、ディーゼルエンジン、
タービン、ボイラーetc.、各部についての知識からも、一読して、全体の文意を把握するよう努力することを
忘れてはならない。
3. しかし、同時に注意すべきことは、最初に一読して、こうだと思い込んでしまうと、文、単語を問わず、
2回目からは、なかなか、その観念を修正ができにくいものである。したがって、
当初3回ぐらいは筆記することなく、落ち着いて黙読、通読するくらいの方が良いかと思われる。
4. 自分が日本文に訳してみて、意味の分からぬのは、他人が見たら余計に分からぬ。まず、
理屈の通る文にすること。
5. “Keep the spirit alive even by killing the letter”「文字を殺しても意味を生かせ」のように、
そのポイント、精神、意とするところを述べることが大切。
以上、簡単ながら気のつくままに本書の性格や学習に当たっての注意事項を述べた。“Make hay while the sun shines.”「時期を失するな(太陽が照っている間に草を耕せ)」との諺もある。今の一瞬を無駄に過ごして将来に悔いを残されぬよう、切に読者諸兄の健闘と発展を祈るものである!
(海事図書)
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