著者名: | 藤本昌志 著 |
ISBN: | 978-4-425-29030-7 |
発行年月日: | 2020/11/18 |
サイズ/頁数: | A5判 236頁 |
在庫状況: | 在庫有り |
価格 | ¥3,520円(税込) |
カラー図解で一目瞭然、航海の常識を完全理解!!
法令解説を全面改訂
付録に英和対訳「1972年国際海上衝突予防規則」を新規収録。
海には船舶の衝突を防ぐため「海上衝突予防法」「海上交通安全法」「港則法」(海上交通三法)が定められています。
「海上衝突予防法」は、船舶交通の国際規則に準拠した国内法で、あらゆる船舶の航法や灯火・形象物、信号などを定めた法律です。
本書の特徴
■海上衝突予防法を分かりやすいカラー図解で条文ごとに解説
■船舶の航法、灯火・形象物、信号などを図示
初学者の方はもちろん、改めて学習し直したい方にもおすすめです。
【まえがき】
海洋は,古くから船舶の交通路として利用されており,様々な船舶が頻繁に往来しています。これらの船舶航行の安全確保のため,国際的に統一された海上交通法規が必要になり,海上における船舶間の衝突予防のための国際的な共通規則として近代的な法典の形式を備えたものが,1889年の国際海上衝突予防規則です。その後,1914年,1948年には,時代に即して規則が作成されましたが,これらは発効しませんでした。1960年にロンドンにおいて,政府間海事協議機構(IMCO,現国際海事機関:IMO)において,1960年国際海上衝突予防規則が採択されました。その後,海上交通の増大,船舶の大型化及び高速化,航海計器の発達などにより,それらに対応するべく,1972年にIMCO において,「1972年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約」が採択され,1977年7月15日に発効しました。
日本においても,古くは慣習法,室町時代以降は,廻船式目や海路諸法度等が制定されました。明治時代において,近代的汽船の航行に対応するため,英国法を範として明治3年郵船商船規則,同5年船灯規則,同7年海上衝突予防規則が制定されました。日本における当初の海上衝突予防法は,1889年規則に準拠した明治25年の海上衝突予防法です。その後,1948年,1960年の国際規則に対応するため,昭和28年及び39年に当該規則の内容を盛り込み海上衝突予防法が改正されました。現海上衝突予防法は,1972年の国際規則を国内法化したもので,従来の海上衝突予防法(昭和28年法律151号)を全面改正し,昭和52年6月1日に公布,同年7月15日に施行されています。以後,1983年分離通航方式に関する改正,1989年喫水制限船の定義等の改正,1995年漁ろう船の灯火等の改正,2003年表面効果翼船(WIG)の新設,2007年に遭難信号の改正がなされています。これらの改正に合わせるように日本の海上衝突予防法も改正されています。
海上衝突予防法は,上記に示すように年々,船舶交通の安全をより一層確保するための改正が実施されており,海上衝突予防法の重要性は増々大きくなっています。船舶を運航する者は,海上衝突予防法を正しく理解し,法令を遵守することが求められています。本書は海上衝突予防法を理解し易いように,多くの図を活用して,特に航法規定に関連する部分には多くのページを割きました。
本書が海上交通法の理解の一助となり,海上衝突予防法の目的である船舶の衝突予防が図られることとなれば幸いです。本書の出版にあたり,惜しみない助言を頂きました成山堂書店小川典子社長に心より感謝申し上げます。
2019年1月
藤本昌志
【11訂版発行にあたって】
11訂版は,2019(平成31)年に発行した10訂版を基に,以下のような改訂事項を加えました。
・バーチャルAIS シンボルマークの解説
・第10条 分離通航方式の解説
本書は,海上交通の基本中の基本である衝突予防のための規則の理解を深め易いように,図及び記述に努めました。今後,自律運航船の出現と既存の有人運航船舶との混在が予想されるなか,船舶の衝突予防に関して海上衝突予防法の重要性は更に大きくなっています。本書が海上衝突予防法の理解を助ける一助となれば幸いです。
2020年10月
藤本昌志
【目次】
■第1章 総則
●第1条 目的
●第2条 適用船舶
●第3条 定義
■第2章 航法
第1節あらゆる視界の状態における船舶の航法(航行規則)
●第4条 適用船舶
●第5条 見張り
●第6条 安全な速力
●第7条 衝突のおそれ
●第8条 衝突を避けるための動作
●第9条 狭い水道等
●第10条 分離通航方式
第2節互いに他の船舶の視野の内にある船舶の航法(操船規則)
●第11条 適用船舶
●第12条 帆船
●第13条 追越し船
●第14条 行会い船
●第15条 横切り船
●第16条 避航船
●第17条 保持船
●第18条 各種船舶間の航法
第3節視界制限状態における船舶の航法(航行規則)
●第19条 視界制限状態における船舶の航法
■第3章 灯火及び形象物
●第20条 通則
●第21条 定義
●第22条 灯火の視認距離
●第23条 航行中の動力船
●第24条 航行中のえい航船等
●第25条 航行中の帆船等
●第26条 漁ろうに従事している船舶
●第27条 運転不自由船及び操縦性能制限船
●第28条 喫水制限船
●第29条 水先船
●第30条 びょう泊中の船舶及び乗り揚げている船舶
●第31条 水上航空機等
■第4章 音響信号及び発光信号
●第32条 定義
●第33条 音響信号設備
●第34条 操船信号及び警告信号
●第35条 視界制限状態における音響信号
●第36条 注意喚起信号
●第37条 遭難信号
■第5章 補則
●第38条 切迫した危険のある特殊な状況
●第39条 注意等を怠ることについての責任
●第40条 他の法令による航法等についてのこの法律の規定の適用等
●第41条 この法律の規定の特例
●第42条 経過措置
付録
1972年国際海上衝突予防規則
(海事図書)
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