著者名: | 上野喜一郎 著 |
ISBN: | 978-4-425-71072-0 |
発行年月日: | 2006/6/28 |
サイズ/頁数: | A5判 304頁 |
在庫状況: | 在庫僅少 |
価格 | ¥3,300円(税込) |
鋼船についての基礎に始まり、船体の構成、鋼船の材料、鋼材の接合、船体の一般構造、特殊船体構造まで、図表を豊富に使って解説。
【序】より
船に関係のある仕事に就いて30余年、その間、本職(逓信省管船局→運輸省船舶局)のほかに、縁があって東京高等商船学校で10年間、工学院で2年間、東京明治工業専門学校で5年間、丁度戦前から戦後へかけて、10数年間、造船学特に鋼船の構造について講義をしたことがある。
当時、それらの講義には、教科書を使用せず、自分で作った講義の原稿に基づいていた。いざ教えるとなると、いろいろと疑問が起こって更に調べたりして、その講義の原稿も次第にまとまっていった。それでも、教科書があったら、もっと能率よく講義ができたであろうと、幾度か考えながら、月日は進んだ。
それから本職の方でも、船体構造関係の法規の運用から、その制定改廃などは重要な仕事であったので、鋼船の構造については、特に深い関心があった。
最近、成山堂から基本造船学に関する、シリーズを順次刊行する計画が示され、鋼船の構造の関係を分担するようにとの強い要望に答えて微力を顧みず、引き受けた次第である。早速、さきに何回か使った講義の原稿を基にし、必要な加除訂正を行って執筆したのが本書である。
本書においては、鋼船の構造に関係のある事項は広く収めた積もりであるが、何分ページ数に限りがあるので、総てを尽くされないことを恐れている。しかし、基礎的なことから説き初め、更に最近の事項に及ぶと共に、附図についてはなるべく多数を載せることに務めるなど、内容の構成については最善を尽くした積もりである。
この小書が、船に関係のある学生、船に関係のある仕事に従事されている方方、更に船に関心を持たれる方々に対して、参考となる点があれば、筆者望外の喜びである。
著者識
【目次】
第1編 総説
第1章 鋼船の歴史
(1)鉄船の出現
(2)鋼船の出現
(3)巨船の推移
(4)鋼船の利点
第2章 鋼船の用途
(1)客船
(2)貨客船
(3)貨物船
(4)特殊貨物船
(5)特殊船
第3章 船の用語
(1)船体の形状
(2)主要寸法
(イ)長さ
(ロ)幅
(ハ)深さ
(3)喫水
第4章 船型
(1)外形による分類
平甲板船
船楼を有する船
三島船
低船尾楼船
ウェル甲板船
日よけ甲板船
全通船楼船
波よけ甲板船
(2)機関室の位置による分類
中央機関船
船尾機関船
船尾寄り機関船
(3)船橋の位置による分類
中央船橋船
船尾船橋船
船尾寄り船橋船
第2編 船体の構成
第1章 船の強さ
(1)縦強度
(2)横強度
(3)局部強度
第2章 船体の構造様式
(1)横式
(2)縦式
(3)縦横併用式
第3章 構造規則
(1)船級協会と構造規則
(イ)船級協会
(ロ)船級符号
(ハ)構造規則
(2)船舶安全法と構造規則
(イ)船舶安全法
(ロ)構造規則
(ハ)船級船の船体構造
第3編 鋼船の材料
第1章 造船材料
第2章 鉄材
第3章 鋼材の種類
(1)圧延鋼材
?鋼板
?形鋼
?棒鋼
(2)鍛鋼材
(3)鋳鋼材
第4章 鋼材の規格
(1)造船用鋼材の規格
(2)化学成分と鋼
(3)リムド鋼、キルド鋼及びセミ・キルド鋼
第5章 鋼材の処理
(1)酸洗い
(2)亜鉛メッキ
第6章 鋼材の試験検査
(1)圧延鋼材
(イ)試験の種類
(ロ)試験片
(ハ)引張り試験
(ニ)引張り強さと伸び
(ホ)曲げ試験
(ヘ)縦圧試験
(ト)打展試験
(2)鍛鋼材
(イ)引張り試験
(ロ)曲げ試験
(3)鋳鋼材
(イ)引張り試験
(ロ)曲げ試験
(ハ)落下試験
(ニ)つち打試験
(4)材料試験の執行
(イ)材料試験の執行機関
(ロ)材料試験の合格証明
第7章 特殊鋼
第8章 その他の材料
(1)非鉄金属材
(イ)銅
(ロ)アルミニユーム
(ハ)鉛
(ニ)錫
(ホ)亜鉛
(2)非金属材
(イ)木材
(ロ)その他
第4編 鋼材の接合
第1章 リベット締め
(1)リベット
(2)リベット継手
(3)リベット締めの得失
第2章 溶接
(1)溶接の種類
(2)溶接の継手
(3)溶接部の欠陥及び検査
(4)溶接の得失
第5編 船体の一般構造
第1章 キール
(1)方形キール
(2)側板キール
(3)平板キール
第2章 船首材
(1)船首の形状
(2)船首材の構造
(3)船首材とキールとの固着
第3章 船尾骨材
(1)船尾の形状
(2)L型船尾材
(3)一軸船の船尾骨材
(4)二軸船及び四軸船の船尾骨材
(5)電食作用
第4章 単底
(1)フロア板
(2)キールソン
(イ)中心線キールソン
(ロ)サイド・キールソン
(3)船首尾における補強
(イ)船首部
(ロ)船尾部
第5章 二重底
(1)二重底
(イ)二重底の配置
(ロ)二重底の役割
(ハ)二重底の構造
(2)ガーダ
(イ)中心線ガーダ
(ロ)側ガーダ
(3)フロア板
(イ)実体フロア
(ロ)組立フロア
(4)内底
(イ)内底板
(ロ)縁板
(5)船側フレームとの固着
(6)燃料油を積載する二重底
(7)二重底の補強
(8)雑
第6章 フレーム
(1)フレーム
(2)フレーム・スペース
(イ)標準フレーム・スペース
(ロ)船首尾部のフレーム・スペース
(ハ)フレーム番号
(3)フレームの構造
(イ)組立フレーム
(ロ)単材フレーム
(ハ)フレームのベベルと向き
(4)倉内フレーム
(5)甲板間フレーム
(6)ウェッブ・フレーム
(イ)ウェッブ・フレーム
(ロ)ウェッブ・フレーム方式
第7章 ビーム
(1)ビーム
(イ)ビームの種類
(ロ)ビーム・スペース
(ハ)キヤンバ
(2)ビームの構造
(イ)甲板ビーム
(ロ)特設ビーム
(3)ビームの寸法
(4)ビーム端の固着
(5)ビームの補強
(6)ホールド・ビーム
第8章 ピラー
(1)ピラー
(2)中実円形ピラー
(イ)構造
(ロ)固着
(ハ)ダブル・ピラー
(3)特設ピラー
(4)ピラーに関する補強
(5)ピラー代用の隔壁及び囲壁
第9章 ビーム・ランナ及び甲板下ガーダ
(1)ビームの支持
(2)ビーム・ランナ
(イ)構造
(ロ)寸法
(ハ)固着
(3)甲板下ガーダ
(イ)構造
(ロ)寸法
(ハ)固着
第10章 外板
(1)外板
(2)外板の張り方
(イ)内外張
(ロ)よろい張
(ハ)平張
(3)外板の配置
(4)外板の厚さ
(イ)船側及び船底外板
(ロ)外板の厚さの増加
(5)外板の接合
(イ)縦縁
(ロ)横縁
(6)外板の補強
(イ)船側開口に対する補強
(ロ)ホース・パイプ附近の外板の補強
(7)ビルジ・キール
(イ)配置
(ロ)
第11章 甲板
(1)甲板
(2)デッキ・ストリンガ
(3)鋼甲板
(イ)鋼甲板を張る範囲
(ロ)鋼甲板の張り方
(ハ)鋼甲板の厚さ
(4)帯板
(5)甲板の補強
(イ)甲板の開口に対する補強
(ロ)甲板の階段部に対する補強
(ハ)甲板の増厚
(ニ)部分鋼甲板
(6)木甲板
(イ)材料
(ロ)寸法
(ハ)配置
(ニ)固着
(ホ)接合
(ヘ)コーキン
(ト)ガッタ水道
第12章 水密隔壁
(1)隔壁
(2)水密隔壁の配置
(イ)一般配置
(ロ)船首隔壁
(ハ)船尾隔壁
(ニ)機関室両端隔壁
(ホ)倉内隔壁
(ヘ)隔壁の達する高さ
(ト)特殊船舶の隔壁
(3)水密隔壁の構造
(イ)隔壁板
(ロ)隔壁スチフナ
(ハ)周囲山形材
(ニ)波形隔壁
(4)水密隔壁における開口
(イ)水密戸
(ロ)水密隔壁の排水孔
(ハ)戸口附近の補強
(ニ)チェーン・ロッカ
(5)水密試験
第13章 非水密隔壁
(1)中心線隔壁
(2)石炭庫隔壁<
(3)仕切隔壁
第14章 ディープ・タンク
(1)ディープ・タンクの種類
(イ)倉内ディープ・タンク
(ロ)ピーク・タンク
(ハ)トリミング・タンク
(2)ディープ・タンクの構造
(3)ディープ・タンクの設備
(イ)験水栓
(ロ)通気孔
(ハ)排気管
(ニ)通水孔
(ホ)頂部の排水装置
(ヘ)深油タンクに対する特殊設備
(4)水密試験
第15章 パンチング構造
(1)船首倉内のパンチング構造
(イ)ディープ・フロア
(ロ)パンチング・ビーム
(ハ)パンチング・ストリンガ
(ニ)ブレスト・フック
(2)船首隔壁より航法のパンチング構造
(3)船尾部のパンチング構造
(イ)船尾倉内
(ロ)船尾隔壁より前方
(4)その他の箇所のパンチング構造
(イ)甲板間
(ロ)船尾突出部
第16章 船及び甲板室
(1)上甲板上の構造物
(2)船楼
(イ)船楼の種類
(ロ)船楼の構造
(3)船楼端
(イ)船楼端隔壁
(ロ)船楼端隔壁に設ける開口
(ハ)船楼端の補強
(4)甲板室
(イ)甲板室の配置
(ロ)甲板室の構造
(ハ)甲板室の補強
(ニ)伸縮継手
第17章 機関室及び軸路
(1)機関室
(イ)機関室の船体構造
(ロ)ボイラ台
(ハ)主機台
(ニ)スラスト受台
(2)軸路
(イ)軸路の配置
(ロ)軸路の構造
第18章 倉口
(1)甲板口
(2)カーゴ・ハッチ
(イ)ハッチ・コーミングの高さ
(ロ)ハッチ・コーミングの構造
(3)ハッチ・ビーム及びふた受け縦材
(イ)ハッチ・ビーム
(ロ)ふた受け縦材
(ハ)受金
(4)倉口の閉鎖装置
(イ)ハッチ・カバー
(ロ)ハッチ・ターポリン
(ハ)ハッチ・バッテン
(ニ)締付装置
(5)鋼製ハッチ・カバー
(6)載炭口
(7)昇降口等
(イ)昇降口
(ロ)逃げ口
(ハ)トリミング・ハッチ
第19章 機関室口
(1)機関室口
(2)機関室ケーシング
(イ)ケーシングの設置
(ロ)ケーシングの構造
(ハ)機関室の出入口
(ニ)ケーシング頂部の開口
第20章 通風筒及びマスト穴
(1)通風筒
(イ)種類
(ロ)キセル形通風筒
(ハ)通風筒の閉鎖装置
(2)マスト穴
第21章 ブルワーク及びオープン・レール
(1)ブルワーク
(イ)ブルワークの配置
(ロ)ブルワークの高さ
(ハ)ブルワークの構造
(ニ)船楼端における補強
(2)ブルワークの放水口
(イ)放水口の面積
(ロ)放水口の配置
(ハ)放水口の構造
(3)オープン・レール
第22章 船側口
(1)船側口
(2)排水口
(3)玄門、載貨門及び載炭門
(イ)配置
(ロ)開口の構造
(ハ)開口の閉鎖装置
(4)玄窓
第23章 かじ
(1)かじ
(イ)かじの種類
(ロ)かじ面積
(ハ)かじ角
(2)かじの構造
(イ)単板かじ
(ロ)複板かじ
(3)特殊かじ
第24章 内張
(1)内張
(2)船底内張
(イ)配置
(ロ)寸法及び材質
(3)船側内張
(イ)配置
(ロ)寸法及び材質
(ハ)取付
第25章 排水装置
(1)排水
(2)各区画の排水
(3)各甲板の排水
第6編 特殊船体構造
第1章 砕氷船
(1)砕氷船の種類
(イ)用途による種類
(ロ)船型による種類
(2)砕氷の方法
(3)船体の形状
(イ)船尾
(ロ)船体中央部
(ハ)船尾
(4)対氷構造
(イ)対氷構造の種類
(ロ)対氷構造を施す範囲
(ハ)特別補強構造
第2章 油タンカー
(1)油タンカー
(イ)石油の運送
(ロ)油タンカーの種類
(2)油タンカーの船型
(イ)一般配置
(ロ)コフアダム
(ハ)ポンプ室
(3)油タンクの構造
(イ)夏期タンク型
(ロ)二列縦隔壁型
(ハ)トランク型
(ニ)船体の構造様式
(ホ)波形隔壁
(へ)油タンクの水密試験
(4)船体の強度
(イ)縦強度
(ロ)油密倉口
(ハ)船首楼
(ニ)常設歩路
(ホ)ブルワーク
(ヘ)機関室ケーシング
(ト)かじ
第3章 散積貨物船
(1)散積貨物の運送
(2)貨物の特性と船体
(イ)貨物の移動
(ロ)比重
(3)船型
第4章 特殊構造船
(イ)ウェール・バック船
(ロ)ターレット船
(ハ)トランク船
(ニ)自然載貨船
(ホ)アーチ型船
(ヘ)カンチレバー船
(海事図書)
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