著者名: | 富井規雄 著 |
ISBN: | 978-4-425-96071-2 |
発行年月日: | 2005/2/18 |
サイズ/頁数: | A5判 212頁 |
在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥2,860円(税込) |
世界一正確な日本の列車ダイヤは、どんな技術により可能なのか。スジ屋からダイヤグラムまでダイヤに関わる様々なしくみを紹介。
【目次】
1 はじめに
世界一正確な日本の鉄道
昔から定時運行だったか?
定時運行の秘密
2 鉄道というシステム
2・1 定時運行を支える人たち
2・2 分散協調システムとしての鉄道
きまり−動作を決めておく
共通の情報としての列車ダイヤ
3 遅れないダイヤを作る
3・1 ダイヤ図のはなし
ダイヤとは?
ダイヤを作るのはスジ屋
ダイヤ図はダイアグラム
ダイヤ図の工夫
なぜダイヤ図を使うのか?
ダイヤ図の色
スジは直線に
ベテランの描くダイヤ
ダイヤ図へのこだわり
ダイヤ図を貼り合わせる時のコツ
ダイヤ図を伝えたのは?
−「ページ先生の秘密」という都市伝説
ダイヤ図の歴史
3・2 列車ダイヤの中身
「白表紙」は、列車運転時刻表のこと
列車番号へのこだわり
毎日違う列車ダイヤ−基本計画と実施計画
3・3 ダイヤを作る
(1)需要を予測する
どれくらいの列車が必要か?
「ノリホ」って何?
大都市交通センサスー駅で
アンケート用紙を渡されたことは?
バネのたわみから乗車人員を数える
自動券売機、自動改札機、ICカード
(2)スジを引く
基準運転時分と時隔
利用者の視点−便利なダイヤを作る
ダイヤを作るのはなぜ難しいのか?
(3)ダイヤ作成の工夫
平行ダイヤ−朝の列車はなぜ遅い?
千鳥停車−交互に停まる
平日ダイヤ、休日ダイヤ
緩急接続−乗り換えを便利に
執念のダイヤ−JR西日本アーバン地区のダイヤ
(4)ダイヤを変える−大規模な設備投資
地元との関係
(5)送れないダイヤを作る−ダイヤの頑健性
余裕時分をつける
遅延の波及を防ぐ
(6)民鉄のダイヤ、JRのダイヤ
3・4 走行時分を計算する−基準運転時分と時隔−
(1)基準運転時分の算出
基準運転時分とは?
運転曲線図−どこでノッチをいれ、
どこでブレーキをかけるか?
速度屋の仕事−手描きからコンピュータへ
(2)基準運転時分の短縮
最高速度を上げる
騒音を克服する
600m以内に止まれないといけない
速度制限を分析する
傾いて走る−振り子車両
(3)時隔−2本の列車の最少間隔
時隔−続行時隔
閉そくは安全の基本中の基本
2セクションクリアと続行時隔
交差支障時隔−進路が交差する場合
交差支障時隔−到着と発車は、
どちらを優先させる?
(4)時隔を短縮するための方法
閉そく区間を短くする
加速度・減速度をあげる
停車時分を短くする
(5)信号の仕組み−ATS、ATC、ディジタルATC
フェイルセーフの考え方
ATS−自動的に列車を停める
ATC−速度を制御する
3・5 輸送計画その他の
(1)4つの計画
列車計画だけでは列車は動かない
相互に関連する
(2)車両運用計画とは
(3)乗務員運用計画−運転士と車掌の勤務の計画
(4)構内作業計画とは
3・6 輸送計画作成の手順−調整の連続
温泉会議−温泉旅館での大会議
JRになってからは−温泉会議の廃止、
しかし調整は続く
3・7 列車ダイヤを評価することは可能か?
列車ダイヤの評価とは?
事業者の観点から評価する
利用者の観点から評価する
利用者便益からの列車ダイヤの評価
列車ダイヤの評価は難しい
「個」対「マス」
3・8 コンピュータでダイヤをつくる
−ダイヤ作成システム
ダイヤ作成システムの機能
−スジ屋が使いやすいように
ダイヤ作成システムの意義
4 遅れないように運転する
4・1 運転士の訓練
運転士の仕事
運転適性検査に合格する
正確に運転する
4・2 乗客が列車を遅らせる
停車時間が延びる!
乗降時間をなるべく短くするための工夫
特定のドアの乗降時間を短くするための工夫
4・3 列車の間隔を調整する
4・4 事故を未然に防ぐ
設備のメンテナンスが重要
5遅れたダイヤを回復する
5・1 運行管理の歴史
−駅ごとの制御からコンピュータ制御へ−
運転管理の中枢−指令室
CTC−列車集中制御装置
CTCがなかった頃−駅ごとに信号機を制御する
PRC−コンピュータで列車を制御する
表示盤は必要か?表示をめぐる大論争
指令室の場所は非公開
頑丈な建物
指令室のバックアップ
5・2 ダイヤを正常に戻す(運転整理)
(1)運転整理とは
運転事故の頻度
輸送障害
30分以上の遅延
災害が起こった時
人身事故
運転整理−一時的なダイヤの変更
(2)運転整理の内容
(3)運転整理を支える人たち
(4)運転整理は難しい−平行移動ではダメ
(5)運転整理はなぜ難しいのか?
ダイヤを作り直さなければならない
列車は、走っている!
多種多様多量の情報収集が必要
ルールや規則が一定ではない−裏技
関係箇所すべてに伝達・旅客案内
乗務員への連結
運転整理案を作る−ケースバイケース
運転整理を実施する−乗務員を充当する
(6)運転整理の具体例
事故発生−列車を駅に抑止する
復旧時刻の予測
発車順序の変更−無駄な待避の解消
故障列車の収容−回送列車の運転計画の決定
運転の再開−抑止の解除と番線の変更
運休区間の救済−車両運用変更
忘れてはいけない−乗務員の手配
その他の考慮事項−運転整理は難しい
(7)運転整理を支援する
運転整理の流れ
情報の取得・伝達−ITを活用しよう!
仕事の仕組みは変えられるか?
(8)運転整理案コンピュータで作成する
現在の運転整理案作成システムとその問題点
運転整理案の自動作成への要望
入力の件数が少ない運転整理案を採用する
ベテラン社員が減っていく
運転整理案作成の自動化は可能か?
(9)ベテランの運転整理−予想外の事態への対処
(10)運転整理の評価−運転整理は、
評価してはいけない?
運転整理は、評価してはいけない?
遅延時分による評価は無意味
その他の評価尺度は?
ポストモーテムが必要
「戦略」の評価が必要
6 将来の鉄道−サイバーレールとデマンド指向輸送
(1)将来の鉄道に求められるものは?
(2)サイバーレールとデマンド指向輸送
サイバーレールとは?
デマンド指向輸送とは
(3)デマンド指向輸送の例
現在のデマンド指向輸送の例
1.野球場からの輸送
2.サッカーの輸送
(4)10年後の鉄道のすがた
デマンド指向輸送への異論
計画ダイヤの偏重
(5)デマンド指向輸送実現のための課題
デマンドの把握
スケジュールの作成
利用者への案内
(6)おわりに
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