海事・交通・水産・気象図書出版の成山堂書店

巨大資本の養殖ビジネスによって、サケは天然・国産物が駆逐された。その実状を調査し、水産物の需給構造や市場の国際化の問題に迫る。

【目次】
第1章　課題と分析の視点
　第1節　問題意識の所在
　第2節　サケの世界市場分析に関する研究史
　第3節　分析の視点と方法及び本書の構成

第2章　国際的なサケ需給の歴史的展開
　第1節　1980年以前天然サケの漁獲と消費の段階
　第2節　1980年以降1990年まで
　　　　　　世界的な生鮮志向の高まりと需給国際化の兆し

第3章　サケ世界市場の形成と構造
　第1節　サケの資源特性と生産の特徴
　第2節　現代の世界的な需給状況
　　　　　　サケ世界市場の形成と養殖生産の意義
　第3節　日本のサケ市場における構造変化と現状
　第4節　海外市場の現状
　第5節　現代的なサケ世界市場の全体像
　　　　　　養殖生産の激増と国際化の発展

第4章　海外産地の展開とその条件
　第1節　米国アラスカの天然サケ生産
　第2節　ノルウェーにおけるサケ養殖業の展開過程と特徴
　第3節　チリにおけるサケ養殖業の展開過程と特徴
　第4節　養殖産地形成の論理と国際化の発展

第5章　世界市場形成におけるサケ養殖資本の展開と性格
　　　　　事例分析に見る統合化・寡占化・多国籍化
　第1節　ノルウェーのサケ養殖資本
　第2節　チリのサケ養殖資本
　第3節　海外養殖資本の展開過程における特徴
　第4節　寡占化の進展とインテグレーション
　第5節　多国籍化の進展

第6章　アグリビジネスの視点から捉えたサケ養殖資本の姿
　第1節　アグリビジネスの概念とサケ養殖資本
　第2節　アグリビジネスにおける統合化・寡占化・多国籍化
　　　　　　とサケ養殖資本
　第3節　グローバルインテグレーションとしての問題点

第7章　総括
補論1　アラスカにおけるベニザケ対日輸出
　第1節　ベニザケ価格の変動とその形成過程
　第2節　1997年の価格暴落と消費地におけるベニザケの評価
　第3節　日本及び世界のサケ市場におけるベニザケの地位低下
　第4節　まとめ

補論2　日本におけるサケ養殖業
　第1節　現在の状況
　第2節　日本のサケ養殖制度
　第3節　経営主体
　第4節　技術的特徴
　第5節　市場対応
　第6節　経営組織における課題
　第7節　まとめ

補論3　国産アキサケ産地の現状と展望
　第1節　国産アキサケ産地の現状
　第2節　国内産地の動向4産地のケーススタディ
　第3節　アキサケ産地の将来ビジョン
　　　　国際競争下における産地再生
　第4節　まとめ