著者名: | 金 弘Z刀E佐藤敏久・松永美弘・竹上 健・中野文平 共著 |
ISBN: | 978-4-425-92551-3 |
発行年月日: | 2008/2/8 |
サイズ/頁数: | A5判 130頁 |
在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥2,200円(税込) |
ロジスティクスやマーケティングの現状、情報化社会における通信システムを取り上げ、それぞれの問題を指摘し、戦略敵視点からの明確な方向性を指示。
【序文】より
近年、日本の流通構造は大きな転換期を迎えている。経済の高度成長を前提に成立し維持されてきた現行の流通システムに構造変革が迫られている。バブル経済の崩壊後の不況の長期化、政府に寄る規制緩和政策、情報技術の著しい進展、商品調達のグローバル化、環境問題の国際化などの様々な要因が流通における競争関係をますますグローバルな範囲に拡張させている。
とりわけ、小売業間の競争は卸売業の競争を引き起こし、同業者間のいわゆる水平的競争をはじめとして、卸売機能を獲得しているメーカーや小売業との垂直的競争、さらにロジスティクス業者や他のサービス業者との斜方向の競争が多様化を増している。
一方、企業に対する評価の視点が、生産性・収益性・効率性という財務指標に加えて、環境にどれだけ貢献しているかなどの環境保全の側面も大切な評価要素として認識されるようになった。このような企業を取り巻く環境変化は企業にとって脅威であると同時に業務拡大などの機会にもなりうる。
ところで、21世紀の企業にとって企業競争力を確保し、厳しい環境を克服していくためには、環境の変化を先取りし、中長期に立った経営目標を戦略的な視点から体系的に達成していかなければならない。
要するに、現状の企業経営の諸問題の所在を明らかにし、それに対する改革の方向性を戦略的な視点でいかに実践できるかが大切となる。特に、経営目標の実現に向けて、経営戦略、マーケティング戦略、ロジスティクス戦略、情報戦略の諸概念と研究のアプローチを詳細に考察し、改革の方向性を探っていくことが早急の課題になると考えられる。
そこで、当ネットビジネス研究所では21世紀の企業が直面している諸課題の解決に研究の焦点をあわせ、戦略的視点からの明確な方向性を提示することを目的に本書を執筆するようになった。本書は、全5章によって構成されている。各章では、現状の企業の流通・経営の諸問題点を明らかにし、各経営の専門領域での課題の解決策を提案している。ただし、本書は、分担執筆されたために、各章の記述内容は、かなり高度なものまで含まれている。また、各章の問題解決の考え方に若干の差異がみられることはご容赦いただきたい。
多忙な業務の合間をぬって奮闘してくれた執筆メンバーと出版を後押ししてくれた学長・渕上勇次郎教授、深い理解のもと温かく見守ってくれたそれぞれの家族に感謝したい。
最後に出版にあたって、ご尽力いただいた(株)成山堂書店の小川典子社長ならびに同社の編集スタッフに心より感謝する次第である。
2009年1月
高崎商科大学
ネットビジネス研究所 所長 金 弘錫
【目次】
第1章 21世紀のロジスティクス戦略
第1節 物流に戦略的思考が求められる背景
第2節 ロジスティクス戦略の概念とその発展
(1)ロジスティクスの定義
(2)ロジスティクス戦略の定義
第3節 ロジスティクス戦略の現状
第4節 ロジスティクス戦略の課題
(1)一括物流戦略
(2)ロジスティクス情報の高度化戦略
(3)ロジスティクス差別化戦略
(4)共同ロジスティクス戦略
(5)ロジスティクス・ネットワーク戦略
(6)ロジスティクス組織(人材)育成戦略
(7)サードパーティ・ロジスティクス
(8)グローバル・ロジスティクス戦略
(9)グリーン・ロジスティクス戦略
第2章 商業、流通情報、およびマーケティングの概念的連関
第1節 販売、営業、マーケティングの概念的区別
(1)流通とは
(2)商業とは
(3)販売とは
(4)マーケティングとは
第2節 流通業の販売、営業、マーケティング事例
第3節 流通業の顧客創造と維持にかかわる情報サービス産業
(1)卸売業のフルライン化と小売業の物流センター
(2)データ・ウェアハウス
(3)情報ネットワークと物的ネットワーク
第3章 実戦的経営戦略論の周辺
第1節 経営戦略論の状況
第2節 戦略の重要性
第3節 戦略的マーケティング論
第4節 私の経営戦略発想法との出会い
第5節 MBAコースについて
第6節 最近の情報収集
第7節 経営戦略発想法の周辺
第8節 大事な一言
第9節 実戦的経営戦略論
第4章 コンピュータネットワークを使用した情報通信
第1節 インターネットの利用状況
(1)インターネット利用者数の推移
(2)インターネット世帯普及率
(3)自宅からインターネット利用の接続回線
(4)家庭のブロードバンド利用
第2節 大学内パソコン通信を振り返って
(1)パソコン通信導入の意義
(2)システム構築の経緯
(3)会員管理と教育への活用事例
(4)パソコン通信を運営して
(5)マナーを大切に
第3節 IP電話
(1)IP電話とは
(2)IP電話の種類と利用
(3)IP電話のメリット・デメリット
第4節 画像・音声・文字による複合通信
(1)スカイプとは
(2)「スーパーノード」という考え方
(3)高い通話品質を実現する技術
(4)スカイプの利用
第5章 モジュール化・サービス化するBtoBシステム
第1節 非自律的な企業内分業と企業間分業
第2節 複雑性の構築
第3節 モジュール化
第4節 オープン・アーキテクチャ
第5節 情報システムの発展の概要
第6節 サービス・オリエンテッド・アーキテクチャ
第7節 Webサービス
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