著者名: | 公益財団法人 日本海事センター 編 |
ISBN: | 978-4-425-25004-2 |
発行年月日: | 2011/6/22 |
サイズ/頁数: | A5判 600頁 |
在庫状況: | 在庫僅少 |
価格 | ¥7,260円(税込) |
バンカー条約、ナイロビ条約、HNS条約など船舶油濁損害賠償保障法、船首責任制限法に関わる国内法・国際条約を和英対訳(正訳・仮訳)で収録。海運・保険業者・法律・国際関係学者必携の書。
【はしがき】より
公益財団法人日本海事センターは、海運法制、海運経済など海洋国家たる我が国の発展に貢献するため、海事関係の各種調査研究・政策提言等を実施している。当センターでは、これらの活動の一環として、国際海事機関(IMO)法律委員会及び国際油濁補償基金(IOPC Fonds)の活動について、IMO法律問題委員会及び油濁問題委員会を設置し、産官学メンバーによる議論を行っている。
このような活動の中で、上述の委員会の委員等から、『最新 油濁損賠賠償保障関係法令集ー英和対訳国際条約と国内法ー』(1998年、成山堂書店)のアップデートを要望する声があり、また、国土交通省海事局や成山堂書店に対しても、同様の要望が多数寄せられていた。実際、同書が刊行されてから10年以上が経過し、その間にバンカー条約、ナイロビ条約、HNS条約改正議定書が採択される等新たな動きがあった。そこで、国土交通省海事局、成山堂書店及び関係者の協力を得て、当センター内に編集委員会を設けて同書の新たな版を出版することになった。
編集委員会の委員は、この分野の優れた学識者として藤田友敬東京大学教授、小塚壮一郎学習院大学教授にお引き受けいただき並々ならぬご尽力を賜った。また、国土交通省海事局、東京海上日動火災保険株式会社、石油海事協会、社団法人日本船主協会といった各業界の専門家の方々にも委員として参加いただき、多大なる貢献をいただいた。さらに、国際油濁補償基金関連諸条約については、IOPC Funds事務局において法務審議官を務められた露木伸宏海上保安庁海洋情報部企画課課長にもご協力をいただいた。なお、本書の編集にあたっては、当センターの大嶋孝友企画研究部長、中村秀之研究員及び佐藤量介専門調査員が多くの作業を行ったことを付記したい。
本書の刊行に当たっては、「船舶油濁損害賠償保障法」を中心として、同法に関連する国内法令及び国際条約等を収録し、書名も『船舶油濁損害賠償保障関連法令・条約集』と改めた。国際条約等は引き続き英和対訳とし、我が国が締結している国際条約については公定訳を収録し、我が国が締結していない国際条約や関連する内部規則、決議等については、編集委員会による仮訳を収録している。仮訳作成に当たっては、すでに我が国が締結している国際油濁補償基金関連諸条約や海事債権責任制限諸条約の公定訳に合わせるよう最大限努力した。また、収録している法令、国際条約を初めて知る読者にも内容がわかるよう、必要に応じて新たに簡単な解説を付している。
本書が、海運業界、石油業界、保険業界といった業界関係者にとって役立ち、また、海商法や環境法に関心を持つ研究者や学生に幅広く利用されることがあれば、これに勝る喜びはない。本書は、公益財団法人としての日本海事センターにとって最初の出版物となる。その意味でも、本書が多くの人々にとって有用なものとして活用されることを切に願うものである。
最後に、本書の刊行には株式会社成山堂書店の小川典子社長及び同編集チームからもご助力を得た。深く感謝したい。
2011年5月
公益財団法人 日本海事センター
会長 松尾道彦
【目次】
1.船舶油濁損害賠償保障法関係
1.関係法令
船舶油濁損害賠償保障法
船舶油濁損害賠償保障法施行令
船舶油濁損害賠償保障法施行規則
船舶油濁損害賠償責任制限事件等手続規則
<法律の解説>
解説:船舶油濁損害賠償保障法(油賠法)
2.国際油濁補償基金関連諸条約
a.1992 年民事責任条約
1992 年の油による汚染損害についての民事責任に関する
国際条約(統合条約文)
油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約(参考)
b.1992 年基金条約
1992 年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立
に関する国際条約(統合条約文)
油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する
国際条約(参考)
c.追加基金条約
1992 年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に
関する国際条約の2003年の議定書
3.国際油濁補償基金関連諸文書
a.条約採択時附帯決議
国際油濁補償基金関連条約附帯決議【仮訳】
b.条約採択後総会決議
油による汚染損害の補償のための国際基金(1971年基金)
の決議【仮訳】
1992 年の油による汚染損害の補償のための国際基金
(1992年基金)の決議【仮訳】
2003 年の油による汚染損害の補償のための追加的な
国際基金(追加基金)の決議【仮訳】
c.基金回章
油受取報告の未提出及び補償支払いの延期:1992年基金の
新たな方針【仮訳】
d.基金内部規則
1992 年国際油濁補償基金内部規則【仮訳】
2003 年国際油濁補償追加基金内部規則【仮訳】
<国際油濁補償制度の解説>
解説:油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約
(民事責任条約)/油による汚染損害の補償のための国際基金の
設立に関する国際条約(基金条約)
図表:国際的な油濁損害賠償・補償体制の概要
解説:民間自主協定(STOPIA 2006 及びTOPIA 2006)
2.燃料油による汚染損害についての民事責任に関する
国際条約関係
1.条 約
2001 年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する
国際条約【仮訳】
2.条約関連諸文書
a.条約採択時附帯決議
2001 年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する
国際条約附帯決議【仮訳】
b.条約採択後総会決議
裸傭船登録船舶に対するバンカー証明書の発行【仮訳】
<条約の解説>
解説:2001 年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する
国際条約(バンカー条約)
3.海難残骸物の除去に関するナイロビ国際条約関係
1.条 約
2007 年の海難残骸物の除去に関するナイロビ国際条約【仮訳】
2.条約関連諸文書
2007 年の海難残骸物の除去に関するナイロビ国際条約】
附帯決議【仮訳】
<条約の解説>
解説:2007 年の海難残骸物の除去に関するナイロビ国際条約
(ナイロビ条約)
4.危険物質及び有害物質の海上輸送に関連する損害についての
責任並びに損害賠償及び補償に関する国際条約関係
1.条 約
2010年の危険物質及び有害物質の海上輸送に関連する損害に
ついての責任並びに損害賠償及び補償に関する国際条約
(統合条約文)【仮訳】
2.条約関連諸文書
1996 年の危険物質及び有害物質の海上輸送に関連する損害
についての責任並びに損害賠償及び補償に関する国際条約を改正
するについての責任2010 年の議定書附帯決議【仮訳】
1996年の危険物質及び有害物質の海上輸送に関連する損害に
ついての責任並びに損害賠償及び補償に関する国際条約
(1996年HNS 条約)附帯決議【仮訳】
<条約の解説>
解説:危険物質及び有害物質の海上輸送に関連する損害に
ついての責任並びに損害賠償及び補償に関する国際条約
(HNS 条約)
5.船舶の所有者等の責任の制限に関する法律関係
1.関係法令
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律施行令
船舶所有者等責任制限事件手続規則
<法律の解説>
解説:船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(船主責任制限法)
2.海事債権制限関連諸条約
1996年の海事債権についての責任の制限に関する条約(統合条約文)
1976年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する
1996年の議定書(抄)
1976年の海事債権についての責任の制限に関する条約
3.海事債権制限関連条約関連文書
海事債権に関する船舶所有者の責任についての指針【仮訳】
<条約の解説>
解説:海事債権についての責任の制限に関する条約】
(海事債権責任制限条約)
6.付 録
国際油濁補償基金関連諸条約締約国一覧表
主な油濁事故
・2001 年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する
国際条約〔附属書〕
・2007 年の海難残骸物の除去に関するナイロビ国際条約〔附属書〕
・2010 年の危険物質及び有害物質の海上輸送に関連する損害
についての責任並びに損害賠償及び補償に関する国際条約
〔附属書1・2〕
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