著者名: | 松宮義晴 著 |
ISBN: | 978-4-425-85001-3 |
発行年月日: | 2008/4/28 |
サイズ/頁数: | 四六判 182頁 |
在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥1,760円(税込) |
減少の一途をたどる魚資源はいかにすれば増やすことが出来るのか? 永続的に、そして多くの漁獲をあげるための資源管理型漁業の入門書。
【はじめに】より
魚は短いサイクルで卵や子供を産み、自らの子孫を残し、種を維持しようとします。このことが、鉱物資源や森林資源にはない、生物資源としての魚の大きな特徴です。また、魚は人間が手を出しにくい水中で生活しています。陸上の狩猟産業は、野生動物を絶滅に追い込んだり激減させたため滅んでしまいましたが、漁業は海や湖川の幸を食卓へ運ぶ産業として、今日まで引き継がれてきました。しかし、技術の著しい進歩や環境の変化によって、世界中の魚資源は減少の一途をたどり、深刻な状況となっています。
いかにして「魚をとりながら増やす」か。どのような方法で利用すれば、魚資源を永続的に、多くの漁獲をあげることができるのか。21世紀を間近に控え、人類全体の食糧問題・人口問題・環境問題を克服する上で、魚資源の自然科学的なさまざまな面を理解していただこうと思い筆をとりました。
本書は、「ベルソーブックス」の第一巻です。魚資源の管理に必要な調査や情報には、統計学的解析などの数学的な知識が要求されますが、本書では気軽な入門書として、高校生から一般の方々に読んでいただくため、難しい数式を避け、やさしい表現で解説することを心がけました。本当の意味でのリサイクル資源である魚資源を、永久に利用することの重要性が理解され、社会の役に立てば幸いです。
【目次】
第1章 魚はとりながら増やせる
1-1 魚資源とはなにか
1-2 魚は卵や子供を産む
1-3 魚はみんなのもの
1-4 魚資源を活用する考え方
1-5 漁業と資源管理
1-6 資源管理の具体的な方法
1-7 最大の利益を得るために
1-8 魚とながく付き合うために
第2章 知っておきたい魚の情報
2-1 魚資源の機能と構造
2-2 生物の種類と生活史
2-3 魚の生活と血統
2-4 魚の年齢を知る
2-5 魚の成長を知る
2-6 魚の繁殖を知る
2-7 魚資源の動向を知る
2-8 生き残りと自然死亡
第3章 魚を数える方法
3-1 魚資源を調査する
3-2 漁業からの情報分析
3-3 迷子札や目印をつける
3-4 試験的な漁業調査
3-5 卵や稚魚から逆算
3-6 目視調査
3-7 魚群探知機とリモートセンシング
第4章 とりすぎを防ぐには
4-1 とりすぎ防止の考え方
4-2 とりすぎの状態
4-3 漁業と自然増加のバランス
4-4 とり始めの年齢と漁獲のバランス
4-5 親子の関係から漁獲を考える
4-6 加入管理の考え方
4-7 親魚を確保する方法
第5章 魚はながい友達
5-1 増やす技術と減る原因
5-2 漁業生産量と食糧問題
5-3 つくり育てる栽培漁業
5-4 混獲・投棄魚・最放流の問題
5-5 TACという新しい制度
5-6 魚がすむ場所の汚染と破壊
5-7 生物保全の新しい展開
5-8 資源管理の課題と展望
5-9 魚資源を増やした成功例
5-10 おわりにかえて
書籍「魚をとりながら増やす ベルソーブックス001」を購入する
カテゴリー: