著者名: | 日本水中科学協会 編 |
ISBN: | 978-4-425-95481-0 |
発行年月日: | 2012/12/4 |
サイズ/頁数: | B5判 300頁 |
在庫状況: | 在庫有り |
価格 | ¥5,940円(税込) |
ダイビングによる水中活動のすべてがわかる。
読む事典としてのダイビング用語集の決定版!
スポーツダイバー、学校、研究機関などで科学研究、調査のためのダイビングを行うサイエンス・ダイバー、
水中調査、水中作業を行うプロダイバーに向けて、すべてのダイビング活動の場で安全な活動ができるように
、実際に役立つ用語集の決定版です。事典として、参考書として、また講習のテキストとして最適です。
また、附としてダイビングに関わる団体、学校などについての情報を掲載しています。
ダイビング・水中活動に関わる知識を用語集の形で、安全確保、医学、生理学、器材、講習、実技の分解、
水中活動の今の実例、法規、歴史、基本物理学、海洋環境、沿岸漁業の章に分け、多数の写真を、
特に危険な生物についてはもれなく写真を掲載し、わかりやすく説明しています。
本書をお読みになる方に
【はじめに】
「最新ダイビング用語事典」は、検索しやすいように、そして短時間でどこからでも読めるように、また理解がまとめやすいように、用語集のように項目別の形をとっていますが、是非、通して読んでいただきたい「ダイビング・水中活動」のすべて、です。用語集として基準となるべき知識内容とともに、新しい提案、新しい技法のマニュアル、基本的知識になるべき潜水士国家試験の例題(潜水士国家試験公開問題)解説、現時点での活動情報、教育の情報、今日に至る歴史と今後の展望まで、ダイビングと水中活動のすべてがここにあります。
製作・編集の過程で、読んでいただく対象として念頭にあったのは、海が好きな人、そして、自分はダイバーだと思っている人、ダイバーになりたいと思っている人でした。ですからダイバーでない人は、項目で索引されて読んでも理解できないかもしれませんが、第一章から順に読んでいただければ、ダイビングと、ダイバーの活動する海についてのすべてを、理解していただけるはずです。そして、ダイバーであれば、どの項目を読んでも、得るところがあると確信しています。
内容は、各章ごとに視点が異なっている章もありますが、目次と索引によって目的とする知識を容易に見出すことができ、関連する事項はその前後に置いてあります。全体の統一は重視していません。いくつかの視点、上から、下から、左から、右から見つめることでダイビングの全体像が多角的に理解されることを目指しました。
【実技について】
ダイビングは理論、知識の運用と実技によって成立しています。実技についても、できるだけわかりやすい説明と、写真を掲載し、実技を含む講習のテキストとしても使用できます。
【潜水士の資格について】
わが国には労働安全衛生法に基づいて制定、施行されている潜水士の免許制度(高気圧作業安全
衛生規則)があります。業務として水中で活動する場合には、この免許が必要です。レクリェー
ショナルダイビングにおいても、インストラクターやガイドダイバーは、業務として潜水を行って
いるのであり、この規則に従うことになります。
潜水士の資格は国家試験によって授与されるのですが、その試験問題がどのようなものである
か、関連する部分、第2章、第3章、第7章で、例題を掲載しています。この部分を通読すること
により、潜水士試験の内容を知ることができ、潜水士テキストと併読することにより、合格に役立
てることができます。
【目次】
第1章 沿革と分類
ダイビングとは、どのような行動であるのか、その歴史を簡略にのべ、潜水器材を分類し、それぞれの概要と発展の経緯をのべ、将来への展望を述べている。
1−1 潜水の進化
1−2 歴史的な潜水器
1−3 潜水の分類
1−4 システム潜水
第2章 物理学・化学
ダイビングについて書かれている様々なことを理解するためには、簡単な物理学・化学の知識が
必要である。潜水士の国家試験も、この部分からの出題が重要である。
2−1 単位と法則
2−2 気体の化学的な性質
2−3 水中環境
2−4 光と音
2−5 浮力
第3章 ダイビングの生理学・医学
人間は潜水する際に、圧力の高いガスを呼吸し、水圧に直接に体をさらして行動する。圧力が人体に与える影響、それによる障害、その防御の方法について述べる。また、ダイビングに関連する健康についての注意などについても述べている。
3−1 呼吸・循環器・神経系
3−2 圧力による傷害
3−3 減圧障害
3−4 減圧症の予防
3−5 再圧治療
3−6 呼吸ガスに関連する障害
3−7 その他の障害
3−8 健康
3−9 溺れと救急蘇生
第4章 潜水器材とその運用
ダイビングは、簡略な道具から電子的な精密器具まで、様々な機材を自分の体と一体化したマンマシンシステムとして運用する。スノーケルから、コマーシャル・ダイビングの器材、そして、水中を走るヴィークルについても述べている。また潜水士テキストにでてくるヘルメット式潜水器などについても説明している。
4−1 フィン・マスク・スノーケル
4−2 ウエイト
4−3 スクーバレギュレーター
4−4 高圧ガス供給
4−5 BCD.(BCJ)とライフジャケット
4−6 スーツ
4−7 計器とアクセサリー
4−8 ナイトロックス
4−9 リブリーザー
4−10 応需(デマンド)送気式全面マスク潜水器
4−11 ヘルメット式、軽便マスク式 潜水器
4−12 通話装置
4−13 船舶・海事運用
4−14 ヴィークル
第5章 知識と技能
ダイビングの安全は、知識と技能を講習によって学び、常にトレーニングを重ねて技能の維持向上を図ることによって獲得できる。実技については、中性浮力でトリム(釣り合い)をとり、水平の姿勢で完全に静止することをダイビングの型ととらえて、説明している。
5−1 講習とトレーニング
5−2 フィン・マスク・スノーケルで潜る
5−3 スクーバダイビング 技能
5−4 空気または呼吸ガスの供給
5−5 潜降と浮上
5−6 ダイビング実践
5−7 レスキュー
5−8 混合ガス潜水
5−9 深い潜水
第6章 安全確保
言葉も原則として通じず、視界も限定される水中で安全を確保するためには、活動についての約束(基準)行動の計画(マニュアル)が必須である。基準、マニュアルは様々でありダイバーそれぞれが所属する団体、行う活動によって変わる。しかし、最大公約数は単純である。とにかく一人にならないことであるが、そのための方法論・運用方法について述べている。
項目順に並べることにより、すべてのダイビングについて使えることを目指した。
ダイビング活動の安全確保の原則は自己責任であり、管理者のなすべきことは危機管理であり、常に事故に備えていることである。
なお、水中での危険な生物について、危険な生物の刺傷そのものでは、死亡に至らなくても、アナフィラキシーによる呼吸困難、痛烈な痛みなどによって、身体の自由が失われパニック状態におちいり死亡に至る可能性も大きい。安全確保のための重要課題であり、この部分についてはカラーページとした。
6−1 ダイビングにおける危険
6−2 安全ルール(安全規範)
6−3 管理・指導基準
6−4 危機管理
6−5 危険な海の生物
第7章 法規
水中での活動は、様々な法規によって規制されている。法規の種類と概略を示す。
7−1 労働関係法規(潜水士にかかわる法規)
7−2 高圧ガス保安法
7−3 水産関係法規
7−4 海事関係法規
7−5 環境関係法規
7−6 海洋法
第8章 海洋
水中活動の主たる舞台である海について、基本的なことを述べる。
8−1 海洋・気象
8−2 海洋環境
8−3 海流
8−4 流れ
8−5 波浪
8−6 地形 その他
8−7 海洋生態系
8−8 魚類
8−9 造礁サンゴ
8−10 環境保全活動
第9章 沿岸漁業
水中活動の目標はさまざまであるが、その最大のものは沿岸漁業である。潜水による水中活動の対象となる沿岸漁業について、述べる。
9−1 潜水漁業
9−2 沿岸漁場整備
9−3 磯根・藻場・増殖場造成
9−4 人工魚礁(および増殖礁、藻場礁)調査
第10章 水中活動
水中活動について、スポーツ、サイエンス、プロフェッショナルにわけて、それぞれについて、説明している。また、水中撮影は、水中活動の目標でもあり、活動の手段でもある。出来得る限り、新しい手法について、新しい提案を述べる。
10−1 スポーツダイビング
10−2 サイエンス&リサーチダイビング
10−3 プロフェッショナル
10−3−1 作業潜水(工事潜水)
10−3−2 システム潜水
10−3−3 特別な潜水
10−4 水中撮影
第11章 スクーバ・ダイビング活動の展開
用語集とは、やや形態が異なるが、現在日本で行われている水中活動について、ここまでの章では説明できなかった活動、特筆すべき活動について、その実例を述べる。
11−1 学校 教育
11−1−1 水産高等学校・海洋高等学校での潜水教育
11−1−2 潜水専門教育
岩手県立種市高等学校 海洋開発科
日本ペットアンドアニマル専門学校/学校法人タイケン学園
東京スポーツ・レクリエーション専門学校/学校法人滋慶学園
東京リゾート&スポーツ専門学校/学校法人三幸学園
東京YMCA社会体育・保育専門学校
学校法人 総合技術学園 札幌科学技術専門学校
慈慶学園グループ 学校法人産業技術学園 北海道エコ動物自然専門学校
11−1−3 東京海洋大学水圏環境リテラシー実習
11−1−4 関東学生潜水連盟の活動
11−2 研究・文化活動
11−2−1 水中考古学調査
特定非営利活動法人アジア水中考古学研究所
11−2−2 水族館の潜水
沖縄美ら海水族館
11−2−3 学術 調査探検 エキスペディション
硫黄鳥島遠征 東京大学海洋調査探検部
11−3 環境保護活動
社全国豊かな海づくり推進協会
NPO法人 海をつくる会
NPO法人 三番瀬フォーラムグループ
11−4 東日本大震災に関わる活動
潜水捜索救難協会
三陸ボランティアダイバーズ
NPO法人 日本水中科学協会
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