著者名: | 須磨はじめ |
ISBN: | 978-4-425-95492-6 |
発行年月日: | 2017/11/28 |
サイズ/頁数: | A5判 256頁 |
在庫状況: | 在庫有り |
価格 | ¥2,750円(税込) |
技術書、実用書に何より求められる「分かりやすさ」。本書では、全117項目を見開き(2ページ)ないし1ページで展開し、情報を整理。魚群探知機、ソナー、GPSなどの基本構成や見落としがちなポイントについて図解入りで解説するとともに、実機のテスト航海などについても掲載しています。イラストはすべて著者自らの手によるもので、長年、古野電気で磨き上げてきた知識がふんだんに盛り込まれています。また、マリンギアライターとしても、簡潔で的を射た解説は書最大の特徴といえます。
【はじめに(改訂版に寄せて)】
洋上を航行する船舶においてもっとも重要なのは、自船の現在位置と走行方向を知ること、そして、自船の前方や周辺海域に障害物がないかを見張りながら、安全に操船しなければならないということである。
今日では、外洋航海の大型船から沿岸走行の小型船にいたるまで、安全操船支援のための航海用電子機器が搭載され活用されている。また、プレジャーボートや漁船ではこれらの電子機器に加えて、釣行や効率操業のための各種の漁労用電子機器も使用されている。
実機としては、自船位置を正確に測定する「GPS 航法装置」、自船の前方や周辺海域の障害物を探知する「レーダー」、海中の魚群を探索する「魚群探知機」、前方など水平方向の魚群を探索する「ソナー」、万一の海難事故発生時も自動的に緊急信号を発射する「GMDSS/ 無線機」等々がある。
これらの指示モニターやコントローラーは、キャプテンが操作しやすいブリッジのコクピット周辺やフライブリッジなどに装備されている。またそれぞれのセンサーであるアンテナや送受波器(振動子)は、専用マスト上や厳選された船底部の特定位置に取り付けられている。
これら舶用電子機器は一般陸上用電子機器とは違って、使用環境が極めて厳しい。指示モニターはもちろん、センサー部においては、振動・塩害・浸水・氷結など過酷な自然現象による影響をもろに受ける環境下に置かれている。このため最先端技術による製品開発を行うとともに、厳しいフィールドテストに合格したものだけが船舶に搭載され活用されている。
「 板子一枚下は地獄である」。いつ豹変するかもしれない洋上で、人命を保持し、船舶を安全に効率的な操船を支援するために、舶用電子機器は不可欠なマシンとして装備され活用されているのである。
本書は初版以来、早や5年を迎える。この間、舶用電子機器においては安全航行・効率操業に役立つマシンが次々と登場した。改定版ではこれら最新の電子技術と、新構想から生まれた航海電子機器を紹介している。海上輸送、漁船操業、そしてプレジャーボートの世界は、マリンエレクトロニクス技術無くして何も語れない。今後も、海の中を探る電子技術、船の位置を探る電子技術はますます進化し続けるに違いない。船が好きという人、操船・クルーズ・釣行など船に興味がある人には大いに参考になるものと考える。
2017年11月
須磨はじめ
【目次】
part 1 魚群探知機 見えない群れを追う
1 魚探って? 釣行・操業には必携のマシン
2 必ずアワが出るばい! イワシの神様登場
3 海上実験の繰り返し 強い雑音の中から魚群反応を拾う
4 魚探の原理はやまびこと同じ 海中では秒速1,500mも
5 魚探の種類あれこれ 多色カラーでクッキリ表示
6 音波と超音波 指向性のある超音波を活用
7 魚探の探知周波数 高い、低いを使い分ける
8 海中へパルス波発射 1分間に1,000回の超音波パルス
9 振動子と送受波器 スピーカーとマイクの役目
10 送受波器の指向特性 集中発射の超音波パワー
11 探知角度と探知面 高周波は狭い、低周波は広い
12 送受波器の設置方法いろいろ まずは気泡から逃げよう
13 中小型ボート用魚探 5.6型、8.4型の高性能機が人気
14 魚探は2 ユニットで構成 電気知識がなくても装備可能
15 魚探の操作パネル メニュー画面活用で多機能搭載
16 探知レンジとは? ゼロから800m
17 画面表示モードのいろいろ 単記・併記・拡大表示
18 魚探映像を見る 画面に何が映るのか
19 発振線と海面の関係 極細線から太線まで
20 魚体長をcmで表示 魚サイズがわかる魚探登場
21 映るのは魚群だけではない 魚探実映像を見る
22 分時マークって? 30秒毎にラインを引く
23 魚探画像の動き方 右から左へ、押し出し画像
24 魚群映像と単体魚映像 モコモコ反応、ブーメラン反応
25 高速・低速走行時の魚群映像! 急峻な山形反応
26 停止した船上でみる魚群映像 巨大魚反応か!?
27 海中からの弱い反応 微生物、汚れ、アワ
28 岩盤と砂地の比較映像 オビキの長さで海底質を判別
29 ゴツゴツした海底映像 起伏の激しい海底
30 ゆるやかな海底傾斜の映像 海底が太るカケアガリの反応
31 海底のノコギリ歯 波やウネリで海底が変わる
32 海底ラインが3本も 不思議な多重反射
33 気泡は大敵!気泡の反射によるアワ噛み映像
34 船の動きと魚探画面表示 魚群は自船の真下にはいない
35 ポイント決定走行 自艇を魚群上に乗せる
36 小型魚探の簡単操作? 電源切断から探知レンジ設定まで
37 小型魚探の簡単操作? 魚体長サイズを表示する
38 シマノ探見丸の親機として活用 船上の好きな場所で魚探映像を見る!
39 最新“ 魚探” 映像例 7型GPS プロッタ魚探「GP-1870F」
part 2 ソナー 探知の方向が自由自在!
40 ソナーの登場 見えない魚群を探るソナー
41 サーチライトソナーのしくみ 1 本の探知ビームを振らす
42 スキャニングソナーのしくみ 一瞬に全方向を探る
43 漁船のソナー 大掛かりな上下装置
44 ソナーの探知範囲って広いね! 360 度と6 度を知っている?
45 漁船におけるソナー装備実績 大型漁船には数台搭載
46 ソナーのユニット構成 複雑な機器構成
47 スキャニングソナー登場劇 まき網漁船乗船記
48 マルチビームソナー 遊泳魚群の正確な位置が一目瞭然!
part 3 GPS 自船位置が測定可能!
49 船舶に欠かせないGPS 地球上のどこでも高精度に測位
50 GPS の主役は人工衛星・そのしくみ 正確な時計で測位
51 船のGPS、活用メリット 船位、自航跡、船速、方位
52 広域補強システムSBAS 日本はMSAS(エムサス)を運用
53 中小型ボート用GPSプロッタ魚探 ー国内初、航海用電子参考図「ニューペック」使用
54 GPSプロッタ魚探の操作パネル ロトキーで簡単操作
55 小型GPS の基本的表示画面 操船から自航跡画面まで
56 中型GPS の基本的表示画面 海図上に自航跡を描く
57 小型GPS 航法装置の装備 GPSは2ユニット構成<
58 自航跡を時間で描く 詳細な自航跡と粗い自航跡
59 自航跡を距離で描く 効率的な自航跡記憶
60 電子海図いろいろ ERC、ENC、PEC、new pec
61 航海用電子参考図「ニューペック」 日本水路協会
62 ニューペック海図を採用 唯一のGPSプロッタ魚探
63 電波航法装置NavNet 3D シームレスな画像表示
64 タッチパネルのNavNet NavNet TZtouch(ナブネット ティーゼットタッチ)
65 電波航法の歴史 軍事目的で開発された電波航法
part 4 レーダー 航行上の障害物を探る!
66 レーダーって? 自船周辺を見張る
67 レーダーのしくみ マイクロ波のやまびこ
68 優秀な日本製レーダー 世界中の海、湖、河川で活用
69 レーダー画像の表示方式 天空から海面を眺めるPPI
70 レーダー画像の表示例 大型から小型液晶画面まで
71 先鋭な衡撃波を発射 毎秒2,100本!
72 レーダー電波のわん曲 見通し距離の伝搬
73 レーダー動作・基本的な流れ 心臓部はマグネトロン
74 レーダー活用のメリット 霧中航行から漁具監視まで
75 レーダーの周波数 3cmと10cm波
76 スロットアンテナのしくみ 隙間から発射
77 水平・垂直ビーム幅 0.75度のシャープなビーム
78 方位分解能と距離分解能 接近した2船を見分ける能力
79 最小探知距離と最大探知距離 自船直近のデッドゾーン
80 アンテナの種類 オープンからレドームまで
81 レーダーの指示部 7型から23型まで
82 レーダーの構成 指示部とアンテナだけ
83 小型レーダーの操作パネル タッチキーと回転ツマミ
84 探知レンジの設定 見やすい倍々レンジ
85 3つの基本表示モード 航行海域に合った画面を選択
86 レーダー映像例 自船を中心に360度表示
87 オビキでわかる他船の航跡 画像記憶のエコートレイル
88 他船までの距離と方位を測る VRM、EBLとは
89 シマ模様が邪魔をする干渉波 船がいないのに幽霊映像が出る偽像
90 カツオ船必携の海鳥探知機 15マイル先の鳥を発見!
91 バードレーダー? プレジャーボートで海鳥を探す
92 バードレーダー? 実画像とその見方
93 中小型ボート用小型レーダー! 8.4型指示部にAIS機能搭載
part 5 その他の航海電子機器 船上の心強いアイテム
94 サテライトコンパスTM GPS 電波で真方位を知る
95 AIS(船舶自動識別装置) 船名/ 船速/ 方位/ 積荷が分かる
96 気象ファクシミリ 洋上で天気図・ニュースを発行
97 GMDSS 全世界的な海上遭難安全システム
98 超音波式潮流計 海中の潮の動きをドップラ効果で測る
99 大型船の航行支援システム INS、ブロードバンド
100 オートパイロット? ボートを自動的に操船する
101 オートパイロット? 「サビキモード」が付いた!
part 6 エピソード 数々の航海を支えた電子機器
102 戦艦大和探索行 340m海底に眠る大和発見
103 カツオ船初のスキャニングソナー 回想劇より
104 アースマラソン マラソンとヨットで地球一周
105 世界初の波浪推進船 波の力でハワイから航海!
106 世界一のマリンレーダー 米国・NMEA で実証
107 渡り鳥なぞの夜間飛行 海鳥探知機の誕生
part 7 電子ギア活用シーン 使いこなすならここを読め!
108 GPS プロッタ魚探テスト走行 紀伊水道・友ヶ島沖
109 日本のカジキ釣り大会 JBTK(串本)とJIBT(下田)
110 日本海のフィッシングボート 46フィート艇の航海電子機器
111 スポーツフィッシャーマン 45フィートのオープンボート
112 グアムのフィッシングボート チャーターボートで釣行
113 ジャパニーズスーパーカスタム艇 61フィートのオープンボート
114 目標は1,000kg のカジキ! 一年の半分はカジキ釣りに挑戦
115 JIBT・国際カジキ釣り大会 初日、カジキ見えず!伊豆下田沖
116 ボートゲームフィッシング in 萩 日本海で初の開催!
117 Queen Elizabeth クイーン エリザベス、8日間の乗船記
用語解説
COLUMN
01 米国、モントークのマグロ
02 HIBT
03 リバーレーダー
04 ウォーターフロント
05 タキタロウ
06 プレジャーボートを描く
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