著者名: | 日本国有鉄道 鉄道技術研究所 監修 |
ISBN: | 978-4-425-30371-7 |
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在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥19,800円(税込) |
開業50周年を迎えた、世界に誇る東海道新幹線。当時の技術をまとめた貴重な文献を復刻。守り続けた『安全・正確・スピード』。その技術開発の原点がここに!
【発刊に寄せて】
東海道新幹線は本年2014年に開業50周年を迎えた。開業に先立つ1957年、鉄道総合技術研究所の前身である日本国有鉄道の鉄道技術研究所は、創立50周年を記念して、銀座山葉ホールで講演会「超特急列車 東京ー大阪間3時間への可能性」を開催した。この講演会が高速鉄道に関する社会の関心を高める契機となり、東海道新幹線の計画は一気に実現に向けて動き出した。当時は「これからは自動車と航空機の時代」といわれる鉄道斜陽の風潮であったが、開業した東海道新幹線は技術的にも営業的にも大成功を収め、「鉄道ルネサンス」とも呼ばれる世界的な高速鉄道ブームの先駆けとなった。
それから50年、新幹線は徐々に全国に路線網を拡げ、いまや基幹的交通機関として欠くことのてきないものとなっている。運転最高速度は開業時の210km/hから、一部列車では320km/hまで向上し、また、乗客の死亡者数ゼロという輝かしい安全記録を更新している。
『高速鉄道の研究』は、鉄道技術研究所が東海道新幹線の開業に至るまでに実施した研究開発成果を中心とした報告書「東海道新幹線に関する研究」のエッセンスを抽出したものである。本書は、画期的かつ巨大な鉄道システムである東海道新幹線を実現するために先人達が生み出した技術の成果集として、あるいは日本の産業技術史のハイライトの記録として貴重な資料である。
新幹線の技術開発の起点ともいえる本書の復刻は、成山堂書店の発意により実現した。鉄道技術に携わる研究者はもちろん、鉄道技術に関心をもつ幅広い読者に本書を手に取っていただければ幸甚である。重ねて、同書店に深く敬意を表したい。
2014年10月
公益財団法人鉄道総合技術研究所
理事長 熊谷則道
【目次】
発刊にあたって 鉄道技術研究所長 松平 精
? 線 路
1.地質調査 地質研究室 高橋彦治
2.土質調査 土質研究室 室町忠彦
3.路盤および土工 土質研究室 斎藤迪孝
4.軟弱地盤 土質研究室 室町忠彦
5.橋りょう 構造物研究室 伊藤文人
6.トンネル 地質研究室 高橋彦治
7.地盤振動 地質研究室 小林芳正
8.建 物 建築研究室 伊那賢二
〃 渡部貞清
? 軌 道
1.構 造 軌道研究室 佐藤 裕
2.レールの断面 軌道研究室 佐藤 裕
3.レールの材質 金属材料研究室 伊藤 篤
4.レールの溶接 溶接研究室 安藤精一
〃 大井一郎
5.レールの締結装置 軌道研究室 豊田昌義
6.コンクリートマクラギ 構造物研究室 樋口芳朗
7.木マクラギ 材料調査研究室 山名成雄
8.道 床 軌道研究室 佐藤 裕
9.軌道試験車 土木機械研究室 中村林二郎
〃 岸本 哲
自動制御研究室 中村一郎
10.レール探傷車 土木機械研究室 中村林二郎
〃 土棚敏夫
〃 芹沢正直
11.機動整備限度 軌道研究室 佐藤吉彦
? 車両の動力性能
1.加減速性能 車両性能研究室 泉 久
2.主電動機 電力機械研究室 山村龍男
3.走行抵抗 運転研究室 西岡直人
4.ディーゼル機関車 車両性能研究室 泉 久
? 車両の強度
1.車体の強度・剛性 車両構造研究室 吉峯 鼎
物理試験研究所 宮入宮人
車両構造研究室 以東 浩
溶接研究室 太田省三郎
2.台車の強度・負荷 車両構造研究室 中村 宏
〃 小西正一
〃 上田四郎
〃 田中真一
3.軸受・密封装置 機械工作研究室 赤岡 純
〃 岩田的夫
〃 関口晴夫
4.動力伝達装置 車両機器研究室 藤田公明
〃 宮西希一
? 車両の運動
1.走行安全 車両運動研究室 松井信夫
〃 小山正直
車両運動研究室 中村 宏
2.振動および乗心地 車両運動研究室 松井信夫
〃 三好功達
3.だ 行 動 車両運動研究室 松井信夫
〃 新井清之助
〃 横瀬景司
4.空気ばね 車両運動研究室 国枝正春
5.車端衝撃および緩衝装置 車両性能研究室 松井 哲
? 車両のブレーキ
1.ブレーキ方式 運転研究室 野村義夫
2.摩擦ブレーキ 運転研究室 西岡直人
3.粘着限界および滑走防止 運転研究室 出村 要
? 空気力学、空気調和、騒音
1.風洞試験 車両構造研究室 伊東 浩
〃 田中真一
2.列車の空気抵抗 原特別研究室 原 朝茂
物理研究室 川口光年
3.トンネル内空気圧変動 原特別研究室 原 朝茂
物理研究室 山本彬也
4.車体の気密 物理研究室 山本彬也
5.列車のすれちがい 物理研究室 川口光年
6.列車風 防災研究室 福地合一
7.空気調和 車両機器研究室 長谷川康
8.騒 音 物理研究室 荒井昌昭
〃 井川敬之助
? 架空電車線とパンタグラフ
1.架空電車線 電気調査研究室 粂沢郁郎
2.パンタグラフ 電車線研究室 有本 弘
3.トロリ線とすり板 電車線研究室 岩瀬 勝
4.電車線の風圧偏位 電車線研究室 南山芳文
5.架空電車線の材料と保守 電車線研究室 鈴木義雄
6.電気試験者の架線測定装置 電車線研究室 堀木健次
? き電方式
1.交流き電 電力研究室 林 正巳
2.誘導対策 通信研究室 富沢一郎
3.変電所集中制御 電力機械研究室 伊藤 健
4.異常電圧対策 電力研究室 田村文徳
? 信号保安
1.自動列車制御装置 信号研究室 河辺 一
2.列車集中制御装置 信号研究室 保原光雄
3.地点検知装置と列車選別装置 信号研究室 神戸敏夫
4.HF形列車検知器 信号研究室 古川真弓
5.トンネル警報装置 信号研究室 安井峰晴
6.軌道回路誘導対策 信号研究室 尾瀬 篤
7.自動列車制御用継電器 信号研究室 坪井正男
8.転てつ器転換鎖錠装置 信号研究室 堀江良雄
古渡 汪
付録 東海道新幹線に関する研究経過
書籍「復刻版 高速鉄道の研究ー主として東海道新幹線についてー」を購入する
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