著者名: | 中川栄一・勝 明次郎 |
ISBN: | 978-4-425-65181-8 |
発行年月日: | 2015/9/11 |
サイズ/頁数: | B5判 144頁 |
在庫状況: | 品切れ |
価格 | ¥2,860円(税込) |
Mathematica最新バージョン「10.2」を実践的に使いこなすための参考書。第2部のノートブックはお手持ちのパソコンにダウンロードして本書の内容を再現できるので、理解を深めながら学習できます。
最新バージョンMathematica10.2の参考書。
多くの関連書籍を執筆し、Mathematicaを知り尽くした東京商船大学名誉教授(現:東京海洋大学)と開発元のWolfram Research社認定インストラクターによる実践的な内容が特徴。
・基本と応用の2部構成だから、初心者のステップアップに最適。
・研究の成果や会議の資料などにMathematicaを使って分かりやすく表現したい人におすすめ。
・ゴルフボールの飛距離や地震による高層建物の振動など、身近な事象をMathematicaで計算。
・第2部応用編のノートブックは、自分のパソコンにダウンロードして理解を深めながら学習できる。
【はじめに】より
Mathematicaは,Stephen Wolfram氏が中心となって1988年にリリースされました。開発当初はNext,Macintoshで開発され,世の中に出るとDos,Windows,Unixへと移植されました。Textスタイルのノートブックを共通ファイルとして扱える互換性を生かして、入力したコマンドによってそれぞれの機能に応じた結果を、2 次元または3 次元のグラフにて表示することができるようになりました。基本的な計算の数式を記述するように入力して評価すると、即座に答えを表示してくれます。このように、1つのノートブックにおいて高度な表現を具現化してくれるツールとして広く知られました。
プログラミング言語として、FortranやCなどのコンパイラーが主流の中で、手軽使えるオブジェクト指向言語として多くのグラフィックコマンドを持っています。数式処理を行えるツールとして、インタープリタによる評価結果を返すため、デバッグが非常に手軽で、簡単にカスタマイズできます。
Fortranなどでの繰り返し処理を手軽に移植して、チェックできます。時間やメモリーを大量消費する場合でも、分散処理やコンパイル機能によって改善できます。
Mathematicaは、各分野において多くのユーザに支持を獲得している今日、その簡易性の反面、多くのコマンドを覚える必要があります。しかし、ヘルプや解説が充実しているので心配ありません。直接的な単語から成るコマンドさえ覚えれば、Mathematicaを使ったプログラミングの面白さを実感できるようになるはずです。
そこで、開発元は、Wolfram Mathematicaと銘打って、数学としての利用に限定せずに、Wolfram 言語として、コンピュータネットワーク社会でのコミュニケーションツールとしての機能を強化しています。その第一歩が、2009年に公開されたWolfram Alphaで、インターネット上で検索エンジンとして稼動しました。これは、英語による自由言語での質問に対して、蓄積されたデータベースを駆使して回答を作成する知識データベースです。このような科学的知識を多くの人々が、容易に閲覧してその恩恵に授かることにより科学の発展に貢献できると考えられます。つまり、数学のみならず、科学知識による百花繚乱を目指しています。
今回、本書にてその一面をご紹介し、少しでも多くの人にその機能を知ってもらいたいと思います。後半の[応用編]では、そのコマンドからいろいろな物理量を計算してみましょう。この位置や速度、加速度などを計算することで、運動方程式を算出してその動きをグラフ化して解析することができます。ここで、大きく役立つコマンドが、方程式を数値的に解くだけではなく、代数方程式としての一般解をも求めてくれます。さらに、微分方程式を代数方程式として、一般解法します。さらに加えて、代数方程式として表現できない場合も数値解法します。このようにインターネット上にMathematicaのリファレンスマニュアルが公開されているので、Mathematica のコマンドの世界を知りたい方は、Mathematica の手引書「ドキュメントセンター」から参照してください。
Mathematica は、常に最新の機能を取り込むべく進化しているので、最新バージョンの機能を紹介したサイトで詳細をご覧になれます(注6)。
また、Mathematica の世界を今すぐに知りたい人は、Trial版をつかってみましょう。ユーザ登録を行うことで一部機能が制限された15日間の限定使用版を、ダウンロードしてすぐに使えます。
Trial 版で少しでもMathematica に興味を持っていただけたら、ぜひ身近な問題をMathematicaを使って解き明かしてみてください。
株式会社ヒューリンクス
勝 明次郎 2015年8月
【目次】
第1部 Mathematicaの基礎
1 Mathematica文法
1.1 コマンドの入力
2 数値計算
2.1 電卓形式の入力
3 数式処理
3.1 文字式処理
4 グラフィックス
4.1 2 次関数のグラフ化
4.2 3 次関数のグラフ化
4.3 等高線グラフ
5 データ処理
5.1 サンプルデータの作成
6 プログラミング
6.1 最も簡単な例
7 ファイル処理
7.1 座標データのファイル化
8 画像処理
8.1 画像データの処理
9 アニメーション
9.1 Animate コマンド
10 サウンド
10.1 Speak
10.2 Sound
11 Fitting
11.1 座標データからのフィッティング
12 Data の入出力
12.1 保存(Put)と読み込み(Get)
12.2 Export と Import
12.3 Excel ファイル
第2部 Mathematicaの応用
1 物体の衝突と反発係数
1.1 ボールの衝突
1.2 ゴルフクラブでゴルフボールを打撃するとき
1.3 衝突球の不思議
(1)静止している一つの玉にもう一つの玉が衝突するとき
(2)複数個の等しい玉が一直線上に並べられているときの衝突
1.4 木製バットで硬式ボールを打撃するとき
1.5 反発係数とは
1.6 硬式野球のボールの反発係数
1.7 軟式野球のボールの反発係数
1.8 バスケットボールの反発係数
1.9 ゴルフボールの反発係数
1.10 その他のボールの反発係数
2 落体の運動
2.1 空気抵抗が働かない場合の落体の運動
(1)自由落下する鳥の羽とボールの運動
(2)ボールの鉛直方向の投射
(3)ボールの斜め上向きの投射
2.2 空気抵抗が働く場合の落体の運動
3 ゴルフシミュレーション
3.1 空気抵抗のゴルフボールの飛距離に及ぼす影響
3.2 ゴルフクラブの打撃によるゴルフボールの初速度と飛距離
3.3 ゴルフボールの上向きの打ち出し角度、飛翔経路および飛距離
3.4 ゴルフクラブのヘッドのロフト角とボールの飛翔経路
4 質量,ばね、ダンパー系の振動
4.1 1自由度の質量・ばね・ダンパー系の自由振動
4.2 1自由度の質量・ばね・ダンパー系の強制振動
4.3 ベルト?摩擦系の自励振動
4.4 2自由度の質量・ばね・ダンパー系の自由振動
5 自動車の振動
5.1 路面を走行する自動車の振動
5.2 自動車の振動の解析例
6 地震による高層建物の振動
6.1 2層建物の振動
6.2 3層建物の振動
7 ロボットアームの運動
7.1 ラグランジュの運動方程式
7.2 2リンクロボットアームの運動方程式
7.3 計算例
8 アニメーション
8.1 正弦関数のsin(nx)のn,x を変えたアニメーション表示
8.2 1 自由度の減衰自由振動系のアニメーション
8.3 唸り振動のアニメーション
8.4 ボールの鉛直方向の投射のアニメーション
8.5 ゴルフボールのショットのアニメーション
8.6 3次元曲面のアニメーション
(1)正弦関数sin(xy)
(2)正弦関数sin(x+y2)
(3)第1種ベッセル関数 Bessel J[ 0
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