世界に一つだけの深海水族館


978-4-425-95571-8
著者名:沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム館長 石垣幸二 監修
ISBN:978-4-425-95571-8
発行年月日:2016/6/28
サイズ/頁数:B5判 144頁
在庫状況:在庫有り
価格¥2,200円(税込)
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太陽の光の届かない真っ暗闇の深海の世界。いまだ謎の多い未知の領域を、覗き見ることができる水族館があるのを知っていますか?
その名は「沼津港深海水族館」。水深2,000mを誇る、日本一深い海、駿河湾に面したこの水族館は、「深海生物」と「シーラカンス」がテーマの水族館です。
ここで飼育・展示されているのは、駿河湾に生息するおよそ100種類、3,000匹の深海魚たち。可愛らしいルックスのメンダコや、1年以上もご飯を食べなかったことで話題のダイオウグソクムシ。一度見たら忘れられない深海魚たちが、一冊の本になりました。詳細な生息データとともに、約100種を収録。何度見て楽しめます!
この本は、それだけじゃありません。深海魚たちを日々試行錯誤しながら育てている飼育員の奮闘記や、沼津港発・「深海生物クッキング」、そして「シーラカンス」5体の展示の秘密。ほかの水族館とは違う展示の工夫など、飼育の裏側ついても知ることができます。
生き物好きに贈る、“深海水族館”の魅力をまるごと詰めこんだ『世界に一つだけの深海水族館』。読めばヘンテコな深海魚たちに会いに行きたくなること間違いなしの一冊です。







【目次】

director interview 沼津港深海水族館 館長 石垣幸二 他に例のない“深海”がテーマの水族館。魅せるための数々の工夫

owner inteview 佐政水産株式会社 専務取締役 佐藤慎一郎
駿河湾 海洋地形図
深海生物の生息水域
深海の世界
深海生物図鑑  ミツクリザメ/ブロブフィッシュ
 オロシザメ/オンデンザメ
 ラブカ/フジクジラ
 エドアブラザメ/ヨロイザメ
 ノコギリザメ/ホシザメ
 カグラザメ/フトツノザメ
 ニホンヤモリザメ/ナヌカザメ
 ギンザメ/イズハナトラザメ
 ムツエラエイ
 ヤマトシビレエイ
 トリカジカ/ヒメコンニャクウオ
 チョウチンアンコウの仲間
 ハシキンメ/サケビクニン
 クルマダイ/ツボダイ
 ミドリフサアンコウ
 アカグツ/アンコウ
 ワヌケフリウリュウウオ/トンボイヌゴチ
 キホウボウ
 カナド/ベニテグリ
 ユメカサゴ/イズカサゴ
 ベニカワムキ/エビスダイ
 サギフエ
 アカムツ/ヒカリキンメダイ
 チカメキントキ
 アオメエソ
 ボウズカジカ/チゴダラ
 ヌタウナギ
 スソウミヘビ
 ボタンエビ/アカモンミノエビ
 サクラエビ
 トビヒラタエビ/センジュエビ
 クボエビ
 オキナエビ
 オオコシオリエビ/アカザエビ
 ドラゴンオサテエビ/アカツノチュウコシオリエビ
 ハコエビ
 ハリイバラガニ
 オーストンガニ
 キングクラブ/ヒラホモラ
 タカアシガニ
 コツノキンセンモドキ
 サナダミズヒキガニ
 エゾイバラガニ
 エンコウガニ/ツノハリセンボン
 ヒラアシクモガニ
 テナガオオホモラ
 イガグリガニ/サガミモガニ
 オダワラフサイバラガニ/イバラガニモドキ
 アシボソシンカイヤドカリ
 オウムガイ
 ギンオビイカ
 ユウレイイカ
 ツノモチダコ
 メンダコ
 マツカワガイ
 ミョウガガイ
 クマサカガイ
 ギンエビ/チマキボラ
 ダイオウグソクムシ
 オオグソクムシ/メナガグソクムシ
 ムラサキカムリクラゲ
 ヤマトトックリウミグモ
 ボウズウニ/シロウニ
 コンボウウミサボテン科の1種
 ウルトラブンブク
 フジヤマカシパン/オーストンフクロウニ
 ヒメカンテンナマコ
 ダーリアイソギンチャク
 ドフラインイソギンチャク
 キンシサンゴ/アシナガサラチョウジガイ
 タコクモヒトデ
 ツルボソテヅルモヅル
 カスリマクヒトデ/ウチダニチリンヒトデ
 トリノアシ
 ウミホウズキチョウチン

シーラカンスの謎  シーラカンス発見秘話
 そして水族館へ
 シーラカンスの体の不思議
 深海に息づく古代生物
 ヒレが足へ進化した!?
 シーラカンスの繁殖
 生存する2種類のシーラカンス
 日本の調査隊が捕獲
 シーラカンスを守る特殊な冷凍保管庫

深海生物とシーラカンスの不思議  ハリモグラとシーラカンス
 駿河湾にシーラカンス?
 世界が注目する駿河湾
 捕獲後の船上でのケア
 シーラカンスの味?

深海生物人気BEST10
飼育員に聞きました
 塩崎洋隆
 山野辺 愛
 太田竜平

深海生物の捕獲から展示まで
飼育員の飼育日記
 赤い魚はどう見える?
 深海だんごむしのお世話
 ダイオウグソクムシにコケが生えたら
 マイペースな深海魚
 カニに毛づくろい
 エラからぎょぎょ!!
 メンダコの飼育
 水圧の影響力
 美しい花には
 餌やりもひと苦労
 メナガグソクムシのお腹
 衝撃! ヌタウナギの赤ちゃん誕生
 駿河湾大水槽の大掃除
 漁師さんあっての展示
 シーラカンス模型の作り方
 新展示の進行中!
 バレンタインデー

沼津港発 深海生物クッキング  超深海魚丼
 駿河湾深海おまかせ盛り
 深海魚バーガー
 沼津深海魚定食
 沼津深海鍋
 アブラゴソ姿造り
 ユメカサゴの唐揚げ
 小エビの唐揚げ
 メヒカリの唐揚げ
 【飼育員、食べる】
 その1 ウミグモの素揚げ
 その2 ギンザメの刺身&ムニエル
 その3 ラブカのゆで卵
 その4 ユウレイイカの刺身
 その5 オキナエビの刺身
 その6 ゆでダイオウグソクムシ
 その7 ゆでオウムガイ
 その8 ミドリフサアンコウの素揚げ
 沼津港で水揚げされる深海生物

沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム 「深海は見えないからおもしろい」
 駿河湾
 深海の光
 深い海
 ヘンテコ生き物
 シーラカンス
 深海の世界
 透明骨格標本
 Museum Goods
沼津市 海と山の恵み、景勝とにぎわいの地
沼津港 飲食店を中心に観光客に人気のスポット



この書籍の解説

日本で一番深い湾はどこだかご存じですか?静岡県の駿河湾です。その最深部は2500mに達します。駿河湾、富山湾と並んで、「日本三大深湾」などと言われたりもしますね。その駿河湾岸の沼津港に、深海生物を集めた小さな水族館があります。「沼津港深海水族館」です。
私(担当M)は乗り鉄とともに水族館ファンでもあるので、この水族館には何度か行ったことがあります。東京から三島まで「踊り子」の車窓を楽しみ、東海道線に乗り換えて沼津駅で下車、バスで沼津港に向かいます。潮の香りの漂う港の側に、飲食店(「深海丼」が名物のひとつです)や直売所のあるエリアがあり、水族館は中心的存在になっています。
この水族館の特徴は、なんといっても展示生物が「深海生物に特化している」ことです。1階には、今ではすっかり有名になったダイオウグソクムシをはじめとした様々な深海生物が、色々な大きさの水槽で暮らしています。運が良ければメンダコが展示されていることもあります(長期飼育はなかなか難しいですね)。2階へ上がると、雰囲気はがらりと変わります。館内の空気は若干ひんやりと感じますが、2階ではその雰囲気はさらに増します。2階にはこの水族館の「主」ともいえる、冷凍シーラカンスが展示されているのです。冷凍シーラカンスは世界的にも大変稀少なものです。
今回ご紹介する『世界に一つだけの深海水族館』は、この水族館を味わい尽くす本です。展示生物の紹介はもちろん、駿河湾の謎やシーラカンスについても詳しく触れられています。駿河湾から上がってくる深海生物をどのようにして迎え入れるのか、展示に苦労する点は何か、日々の世話の模様といった、水族館スタッフだけが知る裏話も満載です。
この水族館へ行ってみたいなと思ったら、是非この本を開いてみてください。水槽を覗き込む目に力が入ってしまうこと請け合いですよ。

この記事の著者

スタッフM:読書が好きなことはもちろん、読んだ本を要約することも趣味の一つ。趣味が講じて、コラムの担当に。

『世界に一つだけの深海水族館』はこんな方におすすめ!

  • 水族館ファン
  • 深海生物に興味のある方
  • 深海のしくみに興味のある方

『世界に一つだけの深海水族館』から抜粋して3つご紹介

『世界に一つだけの深海水族館』からいくつか抜粋してご紹介します。日本一深い湾、駿河湾に面した「沼津港深海水族館」。「深海生物」と「シーラカンス」をテーマとしたこの水族館には、駿河湾深海の生きものおよそ100種類、3000匹と、冷凍個体をはじめとした5体のシーラカンスが展示されています。駿河湾、シーラカンス、深海生物の紹介とともに、飼育員の皆さんの飼育奮闘記や、展示の秘策、周囲の案内や「深海生物クッキング」まで話題満載!お出かけ前に是非どうぞ!

シーラカンスの謎

3億5,000万年という壮大な時の流れを生きてきた深海の旅人シーラカンス。発見から80年近く経った現在も、多くの謎を残しています。沼津港深海水族館では、シーラカンスの冷凍個体と剥製を唯一見ることができます。その発見秘話や不思議な体の仕組みなどをご紹介しましょう。

《シーラカンス発見秘話》 1938年12月22日、南アフリカイーストロンドンの博物館に勤務するコートニー・ラティマー氏は、奇妙な魚が水揚げされたという連絡を受けました。
博物館へ持ち帰って調べても魚の正体は不明だったので、魚類学の権威であるスミス博士にスケッチを添えた手紙を送りました。このスケッチがきっかけで、この魚が7500万年も前に絶滅したと思われていたシーラカンスであることがわかったのです。シーラカンスの学名は、ラティマー氏の名前にちなんでいます。

《そして水族館へ》 シーラカンスはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにおいて「絶滅寸前種」に分類されています。1991年よりワシントン条約1類に認定されており、商業的な取引は世界的に禁止されています。シーラカンスを商業的に展示するためには、規制前に正規な形で国内に輸入されたことを示す「国際希少野生動植物登録票」 が必要です。国内に存在する、登録票付きのシーラカンス5体すべてがこの水族館に展示されています。
これらは1980年代、 日本シーラカンス学術調査隊 が現地の漁師の協力を得て捕獲したものです。コモロ政府と交渉し国の許可を得たことで、公開が可能となりました。

《シーラカンスの繁殖》 シーラカンスは体の中で卵を孵す「卵胎生」と呼ばれる方法で繁殖します。卵胎生魚類の稚魚は親と同じ姿で生まれすぐに泳ぎ回ることができるので、安全に育つことができます。しかし産まれてくる数は、卵生の魚に比べて極端に少ないのです。
以前捕獲された個体の体内から見つかった卵の数は30個ほどで、約10cmです。お腹から産まれ出る仔は30cm程度になります。シーラカンスが現在まで生きてきた秘密は、繁殖方法も大きな理由かもしれません。

《ヒレが足に進化した?》 シーラカンスは肉鰭(にくき)類に属しています。肉鰭類は陸上動物の祖先と考えられ、胸ビレが前足に、腹ビレが後ろ足に変化したといわれています。シーラカンスの胸ビレと腹ビレをCTスキャンしたところ、一般的な魚とは異なり、大きな骨と関節を持っていることが分かりました。
このヒレが足へと変化したのではないかと考えられていましたが、現在はシーラカンスよりも同じ肉鰭類の肺魚のほうがより陸上動物に近いという説が有力になっています。

《生存する2種類のシーラカンス》 現在地球上には2種類のシーラカンスが生存しています。アフリカ南東部に生息するラティメリア・カムルエルとインドネシアに生息するラティメリア・メナドエンシスです。この2種はどちらもシーラカンス目のラティメリア属に属しています。シーラカンスは現在28属47科に分類されていますが、現在の2種以外は化石で発見されたものです。実際にはもっと多くのシーラカンスの仲間がいた可能性が高いと考えられています。
ペルム紀や中生代と新生代の間に起こった大絶滅をシーラカンスが生き残れた理由は、比較的環境の安定した深海に生息していたためではないかと考えられています。

《シーラカンスを守る特殊な冷凍保管庫》 2体の冷凍シーラカンスの保管庫製作を手がけたのは、三菱重工冷熱です。シーラカンスを乾燥や霜から守るために、直接冷風が当たらないように工夫をした上で、マイナス20℃前後に保たれています。また冷凍保管庫内と外気温の差による結露を防ぐため、透明なヒーターを入りの特別なガラスを採用しています。
見た目ではわかりませんが、冷凍のまま保存・展示するために特殊な技術が使用されているのです。

シーラカンスが鎮座する水族館2階に、ハリモグラが展示されています。むくむく歩き回る姿を眺めているととても癒されますが、どうしてハリモグラがここに?答えも本書の中に収録されていますが、実は「進化」つながりなのです。進化の枝分かれの手前で止まってしまったような立場が、両者はとてもよく似ています。「卵を産む哺乳類」ハリモグラは、鳥類と哺乳類を合わせた形質を持っているのです。

深海生物の漁獲から展示まで

深海生物を捕獲し、展示するまでには「深海水族館」ならではの工夫と試みが数多く行われています。

①捕獲、そして輸送
駿河湾の深海底曳き網漁のシーズン(9月中旬~5月のGW明け)に入ると、週1回漁船をチャーターして深海生物の捕獲を行います。シーズン以外の入手はありません。
04:30 日の出前に乗船し、 港を出発
06:00 底曳き網漁の漁場に到着
06:30 日の出とともに操業開始。網入れ→操業→選別作業を5回繰り返す
17:00 帰港
船上に引き上げられた生物は、網の中で押しつぶされたり水圧や水温の急激な変化で弱っていたりするものが少なくありません。状態のよい個体を見つけられる確率は約1000分の1より少ないかもしれません。

②デビューを待つ深海生物
水族館の裏側には、展示している数以上の水槽が並んでいます。捕獲された深海生物に水槽の環境に慣れてもらうため、水槽に目隠しをしたり、照明の色を変えたり様々な工夫をしています。わずかな傷でも致命傷になりかねないため、症状に応じた投薬も行います。
生物が落ち着いてきたら、餌を与えます。どんな餌をどれくらい食べているのかといった深海生物の飼育に関する情報がない中で、スタッフたちは試行錯誤を続けます。

③日常の管理
水槽の環境に慣れて餌を食べるようになったら、展示水槽へのデビューです。しかし、まだ安心はできません。突然の拒食や異常行動が現れることもよくあります。
水温や明るさ、機器類、水質等のチェックを行い、飼育環境に問題はないのかを確認し、状況に応じて対処します。病気の可能性がある場合は、症状に応じて投薬等の対応を行います。水槽は、生き物にとっては決して最適な環境ではありません。しかしできる限りの快適な環境を維持することが水族館義務なのです。

④深海生物の餌
餌については、まだ試行錯誤の途中です。通常何を食べているのか、どれくらいの量をどんな頻度で食べているのか、深海生物には採食行動だけでも不明な点が多いのです。
現在は約25種類の餌を常備していますが、餌の大きさや切り方、与え方やタイミングを少し間違っただけでも食べてくれないことがあります。最近では餌の廃棄量も減っているので、より適した餌や与え方を掴むことができれば、餌の無駄も減り、生物の寿命もさらに伸ばせることでしょう。

深海の特徴として挙げられる「水圧」。深い海から水揚げされた深海生物たちは、水揚げ時点で大きなダメージを負っていることも少なくありません。元気なものを厳選し、細心の注意をもってケアを行い、水族館の環境に慣れさせて展示可能な状態まで引き上げる。この手順は一朝一夕にマスターできるものではありません。

飼育員は語る

《深海だんごむしのお世話》
深海水族館のダイオウグソクムシは、約1か月に1度餌を与えています。代謝が遅いので、このくらいの頻度で問題ないようですが、毎月食べている個体、丸1年食べていない個体など、個体差が大きく飼育していても分からないことが多い生物です。餌の食べ方もさまざまで、仰向けで食べる個体、それを横から狙う個体、2匹仲良く分け合う個体、見向きもしない個体など、個性に溢れています。

餌の食べ方は結構汚いので肉片が散らばりますが、水質悪化を防ぐため掃除は欠かせません。すっかりきれいにしたと思っても、意外なところから食べ残しが登場します。餌を与えたあとの数日間は、こうして何回も掃除を繰り返し、水質を保っているのです。

ダイオウグソクムシはいつもじっと動かないので、甲羅にコケが生えることがあります。そんなときはスポンジで磨いてやるのですが、ダイオウグソクムシは流石に嫌がって体を丸めてしまいます。

《メンダコの飼育》
深海水族館の一番人気は、なんといってもメンダコです。某年5月あたりにメンダコが搬入されたときのことをご紹介しましょう。
駿河湾の底曳網で捕獲された2匹のオスのメンダコが水族館に搬入されました。予備槽への搬入後も落ち着いた様子でした。
どちらも飼育は順調に20日を超え、サクラエビを食べる様子を確認できました。その直後に1匹は残念ながら死んでしまいましたが、もう1匹はその後も調子がよさそうでした。しかしひと月を過ぎた頃からもう1匹も調子が悪くなり、最終的には37日目で死亡が確認されました。

沼津港深海水族館ではメンダコ用にいくつか環境を変えた予備槽を用意しています。光環境を変えても上手くいかず、長期飼育のできた水槽とそうでない水槽の明らかな違いは、水槽への吐出がシャワーになっているかどうかでした。長期飼育していた個体の水槽は、シャワーパイプで全体的にゆるやかに水が行き渡る作り、新しい方は1か所に向けて水が出るような作りでした。メンダコにはある程度の水流があった方がよいのかというのが今後の検証事項です。

餌やりも重要です。餌をやるときにメンダコを驚かせてストレスを与えてしまうのが問題であることは間違いありません。与えるタイミングや頻度なども検証が必要なようです。
展示水槽でのメンダコは落ち着いているように見えていても突然死することが多かったのですが、土日に死んでしまうことが多い気がしています。比較的長生きした個体も、死んでしまったのは日曜のことでした。人に見られることや大きな音などのストレスが私たちの考えている以上に大きいのかもしれません。

メンダコの飼育は難しく課題も多いですが、ひとつずつ問題をクリアし、メンダコの常設展示を実現でこるよう努力を重ねています。

プロの語る裏話はたいてい面白いものですが、相手が生きものだと人間の思惑を裏切ったり、今まで知られていなかった意外な顔を見せてくれたりと、飽きることがありません。「何を食べているのかわからない」「毒のある生物に刺された!」「実はこの生きものは美味しい」等、イベントなどで話を聞けるチャンスがあったら、是非聞いてみてください。

『世界に一つだけの深海水族館』内容紹介まとめ

日本一の深さを誇る駿河湾岸に建つ「沼津港深海水族館」は、深海生物とシーラカンスをテーマとした水族館です。展示されている深海生物とシーラカンス、駿河湾の紹介とともに、飼育員たちの深海生物飼育の裏話や、深海生物展示の工夫など、この水族館ならではの話題も満載です。

行ってみよう!海辺・水族館 おすすめ2選

『水族館発! みんなが知りたい釣り魚の生態』
水族館の飼育員たちは、毎日、いろんな角度から魚を観察しています。そんな水族館飼育員が釣り好きだったら、釣りに役立つ情報を持っているのでは?
全国の水族館から集まった飼育のプロ&凄腕釣り師が、これまでにない視点で魚の生態を紹介します。

『海辺の生きもの図鑑』
海辺の散策に、ぜひこの本もご一緒に!潮間帯に住む魚やエビ、カニ、ヤドカリ、ウミウシ、ヒザラガイ、貝、イソギンチャク、ヒトデ、ウニ、フジツボ、海藻など、300種類以上を掲載。すべて海辺にいる生きものだけを掲載しています。生きものを見つけた日を書き込めるチェック欄や、大きさを測れるスケールつき!


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