著者名: | 日本エアロゾル学会 編 |
ISBN: | 978-4-425-51431-1 |
発行年月日: | 2017/12/18 |
サイズ/頁数: | 四六判 160頁 |
在庫状況: | 在庫有り |
価格 | ¥1,760円(税込) |
読めばあなたもエアロゾル博士!
Q.放射性エアロゾルとは何ですか?
Q.放射性と放射能は違うのですか?
Q.身体に入った場合,測ることができますか?
Q.どのくらいの距離を移動しますか?
Q.吸い込んだものは体のどこへ行きますか?
Q.マスクで防げますか?
Q.福島第一原子力発電所事故で観測されたものは何ですか?
など25 の疑問にエアロゾルの専門家がわかりやすく答えます。
【はじめに】より
本書は,日本エアロゾル学会により企画され,学会理事会で選ばれた委員が中心になって執筆しました。大気中に浮遊する微粒子のうち放射性物質を含むもの,すなわち放射性エアロゾルについて,わかりにくい点をなるべく整理してやさしく説明してほしいという要望に応えようとした本であり,これまで存在しなかった本になります。そうは言っても2011年3月に発生した福島第一原発事故以降,放射性物質や放射線を主題とした書籍や単行本は本当にたくさん出版されており,したがって,本書は,そうした類書との差別化をいかに生むかという試行錯誤の結果です。広範な分野を網羅してでき上がった本書が,文字通り分かりやすくできているかどうかは,読者のみなさんからのご意見・ご批判にお任せしたいと思います。
ただし,本書の内容は必ずしも日本エアロゾル学会の公式見解のような性質のものではありません。また,放射性エアロゾルとのかかわりが薄い事項(例えば,中性子線など)は抜けています。その点にご留意をいただきたいと思います。
本書の執筆にあたり,今さらながら過去の日本エアロゾル学会誌「エアロゾル研究」をひもといてみたところ,4 巻1 号の「放射性エアロゾル」特集(1989)など,80年代後半から90年代半ばまで数回にわたり特集記事が組まれていたことを認識しました。その問題意識は,福島第一原発事故で露呈した諸問題の解決,減災・防災,大気科学や関連する諸科学技術分野における課題解決にかかわるもので,放射性エアロゾルはこの10 〜 20年ほどはさほど重要視されてこなかったものの,古くて新しい問題であったことを改めて認識しました。温故知新といったところです。
本書はどこから読んでいただいても結構です。基礎的な事項から徐々に話が広がっていく方向で25のQ&Aが書かれています。ご意見,ご質問があれば,お待ちしています。
最後に,図表の掲載許可を快く与えて下さった多くの団体や著者,本書の出版に尽力をいただいた成山堂書店にも御礼を申し上げます。
平成29年11月
日本エアロゾル学会会長
大谷吉生
【目次】
question1 放射性エアロゾルとは何ですか?
question2 身近にありますか?
question3 大気エアロゾルと違いはありますか?
question4 目で見ることはできますか?
question5 何でできていますか?
question6 放射線と放射能は違うのですか?
question7 どこで発生しますか?
question8 大きさはどのように測定しますか?
question9 濃度はどのようにして測るのですか?
question10 身体の中に入った場合,測ることができますか?
question11 どのくらいの距離を移動しますか?
question12 雨が降ると一緒に落下しますか?
question13 風が吹くと舞い上がりますか?
question14 大気中での挙動をシミュレーション予測できますか?
question15 吸い込んだものは体のどこへ行きますか?
question16 吸い込むと病気になりますか?
question17 放射線はどれでも同じ影響がでますか?
question18 空気清浄機で取り除くことはできますか?
question19 マスクで防げますか?
question20 顔や衣類に付着しませんか?
question21 環境基準はありますか?
question22 私たちの被ばくの現状はどのようになっていますか?
question23 チェルノブイリ原発事故の際に日本で観測されましたか?
question24 福島第一原子力発電所事故で観測されたものは何ですか?
question25 役に立つことはありますか?
【著者について】
五十嵐康人(いがらし やすひと)
1958年生まれ
筑波大学大学院博士課程化学研究科修了
理学博士(筑波大学)
現在 気象研究所環境・応用気象研究部 第四研究室長
長田直之(おさだ なおゆき)
1977年生まれ
京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻博士課程単位取得退学
京都大学博士(工学)
現在 岡山大学自然生命科学研究支援センター 光・放射線情報解析部門 助教
福津久美子(ふくつ くみこ)
名古屋大学大学院工学研究科博士課程修了
工学博士(名古屋大学)
現在 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 計測・線量評価部主幹研究員
書籍「空気中に浮遊する放射性物質の疑問25 ー放射性エアロゾルとはー みんなが知りたいシリーズ6」を購入する
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