海事の書籍紹介
海損精算人が解説する共同海損実務ガイダンス
重松 徹 監修/株式会社 浅井市川海損精算所 編著
共同海損とは、航海中に発生した損害をその航海に関わる荷主・船社等の関係者で負担し合う制度。共同海損下では、たとえ自分の積荷が損害を受けていない場合でも一定の金額を負担することになる。近年は、ハード・ソフト両面からの安全対策が充実したこともあり共同海損発生件数が減少傾向にあるが、それ故に共同海損に精通した実務者が減ってきており、実際に発生した際に対応に戸惑う荷主・船会社等も多い。
本書は、共同海損に必要となる知識や段取りを専門家が分かりやすく解説したものであり、共同海損になじみのない(初めて関わる)海事関係者(荷主・船社・保険会社等)……
LNGの計量ー船上計量から熱量計算までー
春田三郎 著
LNGの輸入量は増加の一途を辿り、現在では年間8,000万トンに達する。近年では、輸出国及び輸入国の増加に伴い、国際的な貿易量も増加している。主要エネルギーとしての需要はもちろん、海洋環境保護のためのSOx 排出削減を目的としたLNG 燃料の船舶なども出現しており、船舶燃料としてのLNG 利用の拡大も見込まれている。このLNGは伝統的にMMBTU(100万英国熱量単位)を単位とする熱量で取引される。LNG船1船分の熱量は、売買契約書に基づいて荷役の都度実施される船上計量、サンプリング及び組成分析により確定するが、1回の計量における0.……
クルーズポート読本
一般財団法人 みなと総合研究所クルーズ総合研究財団 監修
現在、クルーズ人口は増加の一途を辿っており、国は「2020年にクルーズ訪日旅客数500万人達成」を目標として掲げている。それを踏まえ2017年10月に実施された「クルーズポート・セミナー」の講演内容(海事関係団体、大学、官公庁や自治体など各界の識者6人が演者)を第1章のベースとして書き起こし、クルーズの歴史に始まり各港の取り組みや国内外の現状や課題までを概説している。それらを補完するものとして、2章以降に国交省港湾局の出したクルーズ船受け入れのための「ガイドライン」、クルーズポートに関する基礎知識を整理した「関係用語集」と「Q&A」、……
船会社の経営破綻と実務対応ー荷主・海上運送人はいかに対処するかー
佐藤達朗・雨宮正啓 共著
船会社の経営破綻に対する備えや対応としては、基本的な部分(品物が届かない事態そのもの)は災害や事故の対応と似通う部分もありますが、事前対応としてどのような船会社が危ないのかを判断する知識や情報収集力が必要とされ、経営破たん発生後には差押えや債権の保全などの対応力が必要とされるなど、特有の対応が必要とされます。
本書では、倒産の基礎知識(種類、関係法令など)、危ない会社の見分け方、経営破綻によってどのような影響を受けるのかなど基本的なことから、具体的な対応策まで解説しています。
【はじめに】より
2016年8月31日,韓進海運は午……
設問式 船舶衝突の実務的解説
田川俊一 監修・藤沢 順 著
船舶衝突事故は、法整備、船員教育、技術革新等により減少傾向にあるものの、船会社・荷主・保険会社等にとっては、発生しうるリスクとして捉えておく必要があります。本書は、船舶が衝突した時に、どのような知識が必要でどう対応すべきかを、初期対応、関係法令、海難審判所・運輸安全委員会などに分類したうえで、設問式で解説したものです(設問数は78問)。
日本のコンテナ港湾政策 ー市場変化と制度改革、主体間関係ー
津守貴之 著
官民が一致協力した「港湾運営体制」とは何か。阪神淡路大震災以降、国際競争力を低下してきた日本のコンテナ港湾は、諸々の課題が山積されたままであると言わざるを得ない状況にあります。そしてその間に台頭・飛躍してきたのが中国、韓国、東南アジアの諸港であり、今や国際的な重要港湾として確固たる地位を占めています。
本書では、これまで日本の港湾政策の大きな柱であったスーパー中枢港湾プロジェクトと国際コンテナ戦略港湾政策の特徴と問題点を特に検証し、その課題を提起しています。
先に挙げた各国の港湾に対抗し得るには、インフラ整備にも関わるターミナルコ……
設問式 船荷証券の実務的解説
松井孝之・黒澤謙一郎 編著
船荷証券とは貿易における船積書類のひとつです。 船会社・NVOCCなど運送業者が発行し、貨物の引き受けを証明し、当該貨物受け取りの際の依拠とする。 英語ではBill of Lading 、B/Lと略します。 船積書類のうち最も重要な書類であるが、貨物や取引先との関係によってさまざまなタイプの船荷証券があるため複雑で理解が難しくなっています。
本書は、船荷証券のしくみや特徴を豊富な事例をもとに解説し、具体的にどのように取り扱えばよいのか海事ビジネスの現場で役立つように構成となっています。
【はしがき】より
本書は、外航の船荷証券をめぐ……
新訂 外航海運概論
森 隆行 編著
急変する外航海運業の現状、直面する問題点を踏まえ、外航船社の日常業務内容を詳細に解説。海運業の全体を理解するうえで最適の書。
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【はしがき】
20世紀後半,外航海運は構造不況産業といわれる長く暗い時期を経験した。21世紀に入り,金融をはじめ多くの産業が業績不振に苦しんだ時期があったが,そうした業界の苦悩をしり目に,2007年までの10年近くの間,毎年,過去最高益を更新してきた。過去長い間,構造不況産業といわれてきたのが嘘のようであった。2007年サブプライムローン問題が顕在化しはじめ,2008年9月15日158……
コンテナ港湾の運営と競争
港湾政策の新たなパラダイムー欧州港湾との対比ー
篠原正人 著
港湾管理者・港湾研究者、海運・製造等の港湾産業関係者へ
本書では1つの新しい港湾政策を提唱する。
欧州に在住していた著者が、実際に欧州港湾を訪問し、現地の港湾当局者と意見交換をしてきた結果を反映。日本の港湾競争力強化のために、「選択と集中」以外の新しい切り口で港湾政策を提唱する。
【はしがき】より
私は50歳を境目として性質の異なる2つの人生を体験してきた。最初の28年間は海運会社の社員として、そしてその後の15年間は大学教員兼研究者としてである。
2000年9月、私は長年勤めた商船三井を50歳で早期退職し、新たな人生を歩むこ……