海事の書籍紹介
船舶の転覆と復原性
慎 燦益 著
本書は、「船の復原性」についてはこれまでの普遍的な内容をできるだけ「船の転覆」と結び付けて、「船の安定性・安全性」を確保する観点からまとめており、「船の転覆」については「船の復原性」に関する説明文の行間から読み取るのではなく、できるだけ直接的に言及・記述しています。
【はしがき】
「船の転覆」を防ぎ、人と船の安全性を確保することは、造船学上の最も重要な問題の一つである。
船は水上に浮かぶ構造物のひとつであるから、構造物としての横安定性だけを考えれば、造船学上はすでに一定の成果をもたらしていると言っても過言ではない。
にも拘……
水波問題の解法 ー2次元線形理論と数値計算ー
鈴木勝雄 著
重力の作用によって、水面に生ずる重力波―水波。
この水波の中に、静止したり、揺れ動いたり、進行したりする物体があるときに、その物体の周りに波がどのように生じ、変形するのか。物体には、どのような力が働き、どのように揺れるのか。
コンピューターの発展により、純数値計算が容易になった現在、あらためて古典的な計算方法を用いた解法を学び、その意義を問い直す。
計算プログラム・サンプル動画 付
【計算プログラム・サンプル動画】は以下からダウンロードしてください。
【計算プログラム】
■低常造波問題
SemiSubCircle……
LNG・LH2のタンクシステムー物理モデルとCFDによる熱流動解析ー
古林義弘 著
長年の研究成果を基に、4つのタンク様式ごとに支配力方程式を作成。
実務者に必要な固有の解を得るために、多くの条件設定をして数値解を算出。
超低温液化ガスの熱的な挙動や電熱現象を解説した稀有な一冊である。
【まえがき】より
最近のクリーンエネルギーとしての世界的なLNG海上輸送の増加や各種のタンク方式の開発と実用化を眺めると、著者が最初にLNG関連の研究、設計を始めた1970年当時から考えると隔世の感がある。また次世代エネルギーとして注目を浴びるようになった水素エネルギーの現状、さらに家庭向けの燃料電池の普及や一般消費者向けの燃料電池……
船舶で躍進する新高張力鋼―TMCP鋼の実用展開―
北田博重・福井 努 共著
日本の造船界、学会、船級協会ほかが技術を結集して開発してきたTMCP鋼と呼ばれる高性能の鋼材について、
安全性確保の検討・評価を船級規則からの視点でまとめた一冊!船会社、造船所、製鉄所、船級協会の若手技
術者や船舶の設計、施工、材料の開発実務者の方にオススメです。
【まえがき】より
日本の造船業は、高度成長期の1960年代中頃には新造船の建造量で全ヨーロッパを抜き、世界の建造量の約50%を占めるまでに成長した。その後2度の造船不況に見舞われたが、1990年以降のグローバルな経済発展に伴う船舶需要拡大により日本の建造量は右肩上がりで……
SFアニメで学ぶ船と海−深海から宇宙まで−
鈴木和夫 著・逢沢瑠菜 協力
航空宇宙工学やロボット工学関係者は、SF作品やアニメ、コミックに影響を受けてその専門の道に進んだ人が多い。本書は、そのような人材を船舶海洋工学の分野でも増やしたいという著者の願いを実現したものです。船や海に関するSF作品やアニメを取り上げて、実際の物理学的な現象と対比しながら船舶海洋工学(流体力学)の話を進めています。あくまで工学的な内容を中心としていて、SF作品は導入として用いているだけで、科学的な検証をしているものではありません。
【はしがき】より
本書では、主に船や海が登場するSF作品(コミック、アニメ、小説、映画)あるいは……
商船設計の基礎知識【改訂版】
造船テキスト研究会 著
基本用語から法規にいたる概要、基本計画、船殻・船体艤装設計について、設計の実務者がわかりやすくまとめた入門書。
【まえがき】より
本書は昭和59年9月に初版を出版し、また平成7年に改訂した「商船設計の概要」の全面改訂版である。改訂に当たっては、新しい技術の進歩や関連する規則を取り入れて見直しを行ったほか、一層分かりやすい記述や各編の整合性にも充分な配慮を心掛けた。また書名もこの機会に「商船設計の基礎知識」に改めることにした。
本書の意図するところは、これから商船の設計を勉強しようと思っておられる学生や技術者に、実際に役立……
造船技術と生産システム
奥本泰久 著
幅広い造船技術を生産システムの面からとらえ、建造技術の発達の歴史や、現在の最新技術を紹介した本。
造船業界は長引いた不況の影響で、団塊の世代である造船のベテラン技術者・技能者が退職した後の後継者が育っておらず、技術や技能の継承に断絶が見られています。
著者は大阪大学接合科学研究所特任教授。企業で技術開発やシステム開発に携わった経験と、その後の大学での研究成果を合わせ、その蓄積を次世代に残そうと本書をまとめました。
造船システムの歴史と概要、生産計画・管理、3次元CADを中心とした生産設計、切断・曲げ・溶接・艤装・塗装など各工事の基礎と……
【改訂版】 船体と海洋構造物の運動学
元良誠三 監修 小山健夫・藤野正隆・前田久明 共著
船舶及び海洋構造物の運動を、基本から解説したもので、船舶工学、海洋工学をはじめてまなぶ学部学生や操船に携わる実務者などの参考書。
【目次】
船体運動に関する学問は、昭和30年代から急速に発展し、ついで石油掘削リグなどの浮遊構造物が盛んに建造されるにしたがって、浮遊海洋構造物の運動や係留に関する研究が、活発に行なわれるようになってきた。
ところが、この分野における専門書は極めて少なく、教科書または参考書になるような専門書にたいする要望は、かねてから強かった。
本書は研究成果も織り込み、また記述の正確を期してあるので、専門の方々の参考書……
超大型浮体構造物の構造設計
(社)日本造船学会海洋工学委員会構造部会 編
超大型浮体構造物(メガフロート)は、全長5?におよぶ海上に浮かぶ大地であり、空港・物流基地・海洋観測基地・発電所等への利用が期待されています。従来の埋立て工法に比べて自然への影響が小さく、工期・耐震性・汎用性などにも優れた点が多いといわれ、平成7年からメガフロート国家プロジェクトがスタートしました。これを契機として構造設計技術は長足の進歩を遂げ、特に流力弾性応答、係留設計、安全性評価などのコア技術について多くの研究成果が得られました。
本書は、超大型浮体構造物を設計する上で核となるこれらの技術を造船初学者にもわかるように平易に解説し……
氷海工学−砕氷船・海洋構造物設計・氷海環境問題−
野澤和男 著
海氷の性状を基本に、流体・構造・材料・破壊・熱などの各力学、極地の環境、砕氷船、リグ等、北極圏の開発に必要となる工学を纏めた内容。
【まえがき】より
1973年10月に勃発した第4次中東戦争が原因となった石油価格の大幅な引き上げは第1次オイルショックを起こし、さらに第2次オイルショック(1978年)へと発展した。この出来事は世界の経済界に大きな打撃を与えた。特に、中東に石油エネルギーの大部分を依存する日本では安定供給を揺るがす重大問題となった。一方、Canada、Alaskaの北極圏では、North Slopeの石油発見(19……