海事の書籍紹介
流体力学と流体抵抗の理論
鈴木和夫 著
水や空気という流体の流れの現象を扱う流体力学、その応用である流体抵抗。この二つを盛り込んだ、初学者も技術者も使えるテキスト。
【まえがき】より
流体力学は水や空気と言う流体の流れの現象、すなわち流体の運動を扱う学問ですが、その重要な使命の1つに、流体機械、自動車、航空機、船舶といった流体に関係する物体に加わる流体を推定し、かつそれらのデザインに応用するということがあげられると思います。本書はそのタイトルに「流体力学と流体抵抗の理論」と銘打っていますように、単に流体力学について紹介するだけではなく、一様な速度で前進している物体……
コンテナ船の話
渡辺逸郎 著
今から40年ほど前、初めて海上コンテナ輸送が開始されたときは、海運に一大変革をもたらすものとして、驚きと期待をもって迎えられたことを記憶している方も少なくないでしょう。今日ではこの輸送システムはすっかり定着し、コンテナ船も初期の数百個積みから今や1万個積みにまで大型化してきています。ここに至るまでにはさまざまな輸送方式の船が登場しましたが、主流はほぼ一貫してセル構造のフルコンテナ船でした。
本書は、このコンテナ専用船に的を絞って、発展の系譜をたどったものです。
コンテナ輸送開始の頃からしばらくの間は関連書籍も数多く出版されましたが、最……
造船技術の進展−世界を制した専用船−
吉識恒夫 著
わが国造船業は、1956年に建造量世界一を達成して以来、約半世紀にわたって世界をリードし、現在もトップグループを維持し続けています。このように日本が長期間にわたり世界を牽引する立場にある大規模産業は非常に稀です。景気変動・新興国の台頭などを経て未曾有の船舶建造ラッシュに沸く昨今、日本における海事産業の重要性が再認識されつつあります。そのような折、わが国造船技術の発展過程を豊富な事例で解説した書籍を発行しました。
本書は,幕末維新期から現在まで、わが国が造船大国として成長・成熟していく過程を時系列であらわす一方、ポイントとなる新技術の開……
船舶の軸系とプロペラ
石原里次 著
推進軸系とプロペラの保守・管理の実際を豊富な図面をもとに実務者、海技試験受験者向に解説。新しい推進技術も紹介する。
【まえがき】より
長年、練習船の機関士として、また、海難審判庁の審判官、理事官としての職務についてまいりました。この間に多くの先輩から貴重な指導を受け、また、実務にあたり、必要に応じていろいろな資料、参考書を集めてきました。今回、退職したのに伴い、これらの資料をこのまま散逸するのも惜しいとの思いから系統的に整理し、軸系装置についてまとめてみました。
モーターボートから大型船までの装置を対象にし、現在では実用……
金属材料の腐食と防食の基礎
世利修美 著
金属の腐食解明と防食対策に取り組む際に必要な概念や用語等の基礎知識を数式もまじえて、丁寧にわかりやすく解説した入門書。
【序文】より
本書は「腐食はどうもわからん!」と思っている方のために書かれた本である。特に、材料学や化学が得意でない技術者のために書かれたものである。
著者自身、企業の技術者として腐食防食の問題に直面し、困って独学した経験がある。アノードとカソード、陽極と陰極、正極と負極、電位と電極電位・・・等の専門用語に悩まされ、『電位の低い電極から高い電極へ腐食電流は流れる』と言った記述に「逆ではないのか?」と混乱した経験……
基本造船学 【船体編】
上野喜一郎 著
鋼船についての基礎に始まり、船体の構成、鋼船の材料、鋼材の接合、船体の一般構造、特殊船体構造まで、図表を豊富に使って解説。
【序】より
船に関係のある仕事に就いて30余年、その間、本職(逓信省管船局→運輸省船舶局)のほかに、縁があって東京高等商船学校で10年間、工学院で2年間、東京明治工業専門学校で5年間、丁度戦前から戦後へかけて、10数年間、造船学特に鋼船の構造について講義をしたことがある。
当時、それらの講義には、教科書を使用せず、自分で作った講義の原稿に基づいていた。いざ教えるとなると、いろいろと疑問が起こって更に……