水産の書籍紹介

世界と日本の漁業管理ー政策・経営と改革ー

小松正之 著

乱獲や資源悪化の問題を克服するため科学に基づく政策を導入してきた水産先進各国の事例と、明治時代から脱却できない日本の漁業制度の現状。 著者が各国の現場を実際に訪れて調査し取り纏めた、今後の政策立案や学術的研究、漁業経営のために必須の一冊。 [toc] 【序論―世界と日本の漁業・養殖業の現状】より 世界の漁業養殖業の生産は近年急速な勢いで増加する需要に応じて,伸びてきている。その理由は,ひとつには世界の所得が増加したためである。もうひとつは,水産物に対する栄養面・健康面での評価が高まったからである。それゆえ,世界の水産……

サンゴ 知られざる世界

山城秀之 著

サンゴの不思議な生態が今、明らかに! サンゴの研究に40年。その成果をまとめたサンゴの本。 石垣島・宮古島で報告されている白化現象は広がっている!? 【はじめに】より  白い砂浜、淡い水色から濃い青(コバルトブルー)、緑がかった青(エメラルドグリーン)、深い場所の青みがかった黒。言葉では表現に困るほどサンゴ礁には多彩な海の色があります。何度見ても飽きることのない、誰もが惹きつけられる光景の一つかと思います。海底の白砂からの反射、プランクトン等の懸濁粒子が少なく透明度の高い水、深さの異なる複雑な地形、そして差し込む太陽の光、どれか一つ……

海藻の疑問50 みんなが知りたいシリーズ1

読めばあなたも海藻博士! Q.海藻ってどんな生きもの? Q.コンブのだしはなぜ海水中で溶け出さないの? Q.アイスクリームに海藻が使われているってホント? など50の疑問に、海藻の専門家18名がわかりやすく答えてくれます。 【はしがき】より 普通、「海藻」は「かいそう」と読んでくれますが、「藻類」は「もるい」、「日本藻類学会」は「にほんもるいがっかい」と読んでしまいます。私は、大学の初年度学生に藻類学(そうるいがく)を講義するのですが、まずその読み方からはじめなければなりません。馴染みの薄い生物群であることの反映かもし……

福島第一原発事故による海と魚の放射能汚染 水産総合研究センター叢書

国立研究開発法人 水産総合研究センター 編

事故から五年、その後の変化を正しく知るために! 原発事故のニュースを「正しく」理解できる! ・誰でもわかる放射能汚染の基礎 水産総合研究センターの調査と分析結果 ・放射性物質はこうして海と魚に拡がった ・放射性セシウムの汚染状況の真実 ・魚は安全になったのか?正しく知るために! 【はじめに】より ■事故発生! 1000万倍の放射性セシウム濃度  東京電力福島第一原子力発電所事故が発生して4年あまりが経過しました。この事故でチェルノブイリ原子力発電所事故の1/6に相当する放射性物質(放射性ヨウ素に換算して約900ペタベクレル;(ペ……

和食の魚料理のおいしさを探るー科学で見る伝統的調理法ーベルソーブックス044

下村道子

和食がユネスコ無形文化遺産に登録された。それには伝統的な魚食文化が大きく寄与している。魚の食べ方、それは生活の文化である。日本の食卓に伝えられてきた古人の知恵に潜む科学的根拠を明らかにする。 [toc] 【はじめに】より あなたが「焼き魚と煮魚のどちらが好きですか?」と訊かれたとする。おそらく、「そういわれても、魚の種類があるし、焼き方や煮方によっておいしさが違うので一概には言えません」と答えるのではないだろうか。食べる人の好みにもよるが、魚の種類や獲れる時期、鮮度によって適した調理法がある。どれが一番とは言えず、魚料理……

地球を救うメタルバイオテクノロジー −微生物と金属資源のはなし−

山下光雄・清 和成 編著

「産業のビタミン」といわれるレアアースから、土壌汚染が問題となっている放射性セシウムまで、ベースメタルや半金属の回収技術に着目した最新の研究事例を一挙公開。 【巻頭インタビュー・山下光雄先生】 一石二鳥の新技術が地球を救う!  本書の代表編者の1人・芝浦工業大学の山下光雄教授に、メタルバイオテクノロジーについてうかがいました。新しい技術の応用方法や学問としての魅力とは・・・。さらに、これから学ぶ学者へのメッセージも語ってくださいました。 ◆金属は生命を構成する重要な元素 ーまず、タイトルにもなっている“メタルバイ……

東大教授が考えた おいしい!海藻レシピ73

小柳津広志・高木義夫 共著

二つの顔をもつ魚 サクラマスー川に残る‘山女魚’か海に降る‘鱒’か。その謎にせまる! ベルソーブックス043

木曾克裕 著

どうして山女魚になり、どうして鱒になるのか? 本書は、サクラマスの特徴的な分布域である三陸地方南部にスポットを当て、サクラマスという魚の生き方の多様性を解説しながら生活史研究のおもしろさを紹介。 その謎に満ちた生態からサクラマスの生活を見直し、著者がフィールドワークで得た生きた情報に基づいて彼らの種の持つ本質を浮かび上がらせる。 学術的な解説をベースにしながら、教養的に読める10本の「コラム」や、専門知識を確認できる「Study」を随所に配置しバランスよい知識が得られる。 [toc] 【はじめに】より 残雪を踏みし……

マグロの資源と生物学 水産総合研究センター叢書

独立行政法人 水産総合研究センター 編著

太平洋と大西洋のクロマグロは別の種だった! マグロが食べられなくなるって本当か? 主要マグロ6種について、分類・生物から資源状況・管理・ 資源評価・環境問題・漁業・養殖と畜養まで資源と生物全容を網羅する。 マグロの関する最新の情報を掲載 太平洋クロマグロと大西洋クロマグロの違いとは? ⇒携帯分類学と遺伝学的分類を記述 注目されるマグロ資源管理と資源評価方法 ⇒種類・海域別に詳細に解説 ⇒CITES・IUCN、混獲とエコラベル 外洋における行動・回遊を明らかにする ⇒アーカイバルタグ、ポップアップタグで衛星から追……

ズワイガニの漁業管理と世界市場

東村玲子 著

TAC(総漁獲可能量)による漁業管理が行われているズワイガニ。漁獲、加工、漁業管理など実態に基づき分析するとともに、その世界市場の構図を鳥瞰する。果たして、個別割当制度は機能するのか。海外事例の緻密な分析により検証する。 【はじめに】より 今日、世界における水産資源の利用は、ローカルとグローバルの両面を持って展開している。すなわち、海洋生物資源の多くは排他的経済水域(以下、EEZ:Exclusive Economic Zone)の設定により、沿岸国に囲い込まれてしまった。そして、沿岸国による資源の合理的利用、すなわち漁業の望ま……
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