コラム
2014年10月31日
業界人
成山堂書店 思い出の一冊『概説 海事法規』
当社には、昭和30年代に刊行し、版を重ねながら現在に至るロングセラーがあります。
昭和35年発行の「海事法規の解説」もそのうちの1冊です。当時は海事法規全般をわかりやすく解説した本が少なかったため、関係法規を所管する各局・各課の法規担当官が自ら編者となって編纂・執筆してくださいました。幸い多くの海事教育機関の教科書として採用され、海技試験や海事代理士試験受験者の必読書としても利用が広がり、毎年のように改訂・増刷しながら、なんと24訂版まで版を重ねました。頻繁に法律の大きな改正が続いた時期には、改正の見通しについての情報収集や、収録の締切り時期、刊行のタイミングなどで難しい判断を求められることも多く、調整に苦労した記憶があります。25訂版からは、神戸大学海事科学部の先生に後を引き継ぐ形で分担執筆していただき、書名も「概説 海事法規」と改めました。ページ数が大幅に増え、定価も高くなりましたが、その分内容も濃くなりました。自分が携わってきた本がこれまでの長い間、誰かの役に立っているということを大変誇りに思います。
概説 海事法規
概説 海事法規