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交通政治学序説
政治と行政によって管理・統制されている交通に内在する疑問や問題を、法律、政令、省令を通して抽出し、同時に法治国家の法の限界を探ろうとするもので、交通政治学という新しい観点から交通にアプローチした内容です。
【まえがき】より
法治国家とは一般に、政治は法律に基づいて行われるべきという法治主義によって運営される国家、法により国家権力が行使される国家、国民の意志によって制定された法に基づいて国政の一切が行われる国家などとされています。しかし、法治国家では行政および司法が法律に適合していれば国民の権利や自由を侵害してもよいという形式的側面が重視され、法や国家の目的、内容を軽視する法律万能主義に陥ることがあることから、憲法裁判所が設置され、法令の憲法適合性を審査する権限が与えられているとされています。日本には憲法裁判所はありませんが、日本国憲法第81 条は「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又……
運輸安全マネジメント制度の解説ー基本的な考え方とポイントがわかる本ー
「運輸安全マネジメント制度」が作られた契機は、平成17(2005)年に福知山線脱線事故を始めとする様々な運輸関係の事故が頻発し、「ヒューマンエラー」を要因とすると指摘されたことにあります。ここから、鉄道、自動車(トラック・バス・タクシー)、海運、航空の各運輸事業者自らが、経営トップから現場まで一丸となって安全管理体制を構築・改善し、国がその安全管理体制を評価する制度として始まりました。
本書は、「運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律(平成18年法律第19号)」により、平成18(2006)年10月日から、陸・海・空の運輸事業者に対し、輸送の安全の確保を目的に確立された「運輸安全マネジメント制度」について、また、平成29(2017)年月に改訂された「平成29年ガイドライン」について解説するものです
運輸事業者の経営トップ、安全統括管理者等の経営管理部門、現場の管理……
グローバル・ロジスティクス・ネットワークー国境を越えて世界を流れる貨物ー
国際物流の歴史、世界の海上輸送、世界各地における陸上貨物輸送などの現況から、中国が進める一帯一路構想や期待の高まる北極海航路といった現在的プロジェクトまで、世界の輸送ネットワークを俯瞰しながら国際物流の現状や実態、今後の動向をやさしく解説。
【発刊にあたって】
柴崎隆一先生を代表編者とした執筆陣が、地球スケールで広がる広域物流ネットワークの書籍を出版されました。海上輸送はもとより、ユーラシアや北米など大陸横断の陸上輸送の実態がつぶさに述べられています。とくにスエズ運河、パナマ運河、北米やシベリアの大陸横断鉄道などの歴史的展開から、最近中国が進めている「一帯一路」構想や地球温暖化によって期待される北極海航路といったきわめて現代的プロジェクトまで、世界中の広域物流ネットワークがきわめて網羅的に、かつ、つぶさに紹介されているところが特長です。物流ネットワークの世界の実際をこれほど広域にわ……
魚との知恵比べ−魚の感覚と行動の科学−【3訂版】 ベルソーブックス004
もっと魚を釣るために、もっともっと釣りを楽しむために、魚のことを知りつくした研究者が書いた本をオススメします。魚は色がわかるのか?魚は1度釣られると学習するのか?釣り糸は見えているのか?初心者からベテランまで、マニュアル本には載っていない釣りのヒントが満載。
【はじめに】より
魚の行動に興味をもつ動機は人によって様々で、自分が飼っている熱帯魚に自分の意志を伝えたいためにその魚を知りたいという人もいれば、もっと釣りが上手になりたいために魚の行動を知りたいという釣り愛好家もいるだろう。最近は、自然環境保全という考えが浸透し、希少魚とその外敵動物の行動を知って希少動物保護に役立てたいという欲求も出てきた。
漁師にとって漁獲の対象となる魚の行動習性を知ることは、自分の家族の生活を維持するために欠かせない。熟練した漁師は漁撈技術の師であるばかりでなく魚の行動習性の師でもある。筆者はことある……
魚の発酵食品 ベルソーブックス003
塩辛、かつお節、くさや、味噌漬けなど、発酵食品の旨さの秘密に迫る。微生物や酵素を巧みに生かす、伝統的な手作りの面白さを紹介。
【はじめに】
魚の発酵食品は? と聞かれて3つ以上思いつく人は少ないのではないかと思う。水産物にも様々な発酵食品があり、しかもそこには、農産や畜産の発酵食品とはまた違った巧みな微生物・酵素利用の知恵が隠されているのに意外と知られていない。筆者は日頃そのような水産発酵食品の意義を少しでも多くの人に知ってもらいたいと考えており、先に『塩辛・くさや・かつお節ー水産発酵食品の製法と旨みー』(恒星社厚生閣、1992年)を上梓したことがある。それまでこの方面の成書は少なかったこともあり、幸い好評を得たが、大学での授業の参考書として企画したため、内容的にやや難しい点があり、その後の知見も整理し、もう少し気軽な、通勤や通学の車内でも読めるようなものをまとめたいと考えていた。……