タグ「気象ブックス」 一覧
日本海の気象と降雪 気象ブックス025
本書は、元気象庁長官である著者が、これまでの研究・経験をもとに、日本海の降雪という現象を多くの人に理解してもらおうと執筆したものです。
冬季季節風、日本海上の気団変質から雪と人との関わり、気象予報と降雪の関係、温暖化が降雪にもたらす影響まで、日本海の降雪にまつわる全体像がわかりやすくまとめられています。さらに、降雪という現象を理解するために必要な気象学の基礎の説明にも多くのページが割かれており、気象に関する知識を多くの人に広めようという著者の思いが込められています。読み進めることで気象という科学の全体像を理解していくことができるでしょう。
日本海側に住んでいる人、実際に雪に接している人はもちろん、気象や科学に興味のあるすべての人におすすめの一冊です。
【まえがき】より
日本列島、東ユーラシア大陸、および朝鮮半島に囲まれた海を日本海とよぶ。私達は日本海から何を連想するだろう……
地球温暖化と農業 気象ブックス024
本書は、農水省の研究部門で活躍した農業気象のトップともいえる著者が、地球温暖化のメカニズムや農業へのメリット・デメリット、米・野菜・果物など各種作物への影響など、温暖化と農業の関係を最新のデータに基づきわかりやすく解明しています。そして、世界的に見た飢餓人口問題なども交え50年後、100年後を見据えた予測と今後の適応策を提言しています。
生育や品質、収穫量など、作物によって受ける影響は異なるものの、これだけ状況が変わってくるのかと驚きを感じます。現状を把握し、温暖化を上手に利用し、適応していくことが、今後の農業を支える術となるでしょう。その足掛かりとして、ぜひ一読をお薦めします。
【まえがき】より
20世紀の終わりから暑い年が続いている。最近、暖冬で明け、暑い夏になることが多いと感じるのは筆者だけだろうか。
筆者が温暖化の研究を始めたのでは、1980年代の終わりであった。その……
健康と気象 気象ブックス023
春に花粉症、夏に熱射病と年間を通して様々な疾患が生活に関係しています。そうはいっても気象と健康医学に関する知識は意外と知られていません。テレビの天気予報で健康を守る対策法を紹介していますが、限られた時間で細かな部分までは伝えられていません。
本書は、そのような健康医学と気象とのかかわりを研究する生気象学について、その第一人者の著者が最新の研究をもって細かく解説したものです。四季を通じた健康歳時記では、季節を代表する疾患が発病する条件や予防法などを記しています。他にも健康と衣食住との関係を歴史を辿りながら述べたり、先人の天候に関する知恵や最近ドイツで広まっている医学気象予報など様々な情報を記載しています。
また、口絵の「健康マップ」では、同じ疾患でも地域によって天候感度の違いがあることをビジュアル的に理解できるようになっています。 同じ気象でも年齢によって体への影響は大きく違う。幼児か……
天気予報いまむかし 気象ブックス022
本書は天気予報の背景にある学問分野の紹介、観測・通信・予報技術の進歩、さらに近年の天気予報の自由化と気象予報士の登場まで、変わり行く天気予報を文化・学問・技術の3つの視点から述べています。
一般向けに天気予報を体系的にまとめたものとして類書はなく貴重な資料といえるでしょう。巻末に天気予報関係の年表が収録されているのもうれしいポイントです。著者は気象庁OBで、数値予報の実現など、長年にわたり予報畑で勤務してきた経験を持っています。
天気予報の歴史書として、気象予報士はもとより、天気予報を利用するすべての人に読んでもらいたい一冊です。
【はじめに】より
“天気予報 いまむかし”と言っても、むかし(昔)をいつにするか大変難しい。天気俚諺(ことわざ:夕焼けは晴れなど)の時代まで遡るのか、現代の科学的天気予報が始まった時代まで遡るのか、それとも天気予報が自由化されて気象予報士が社会に……
新訂 航空と気象ABC
広い大空を安全に飛ぶためには、気象条件に関する知識は必要不可欠です。本書は、空を飛ぶ全ての人にこれだけは知っておいて欲しい気象の基礎知識をわかりやすく解説しています。新訂版では、日進月歩の気象測器の導入など、最新の航空気象技術に関する記述を追加しました。
弊社発行の「……
気象のことば 科学のこころ 気象ブックス017
気象学を含む自然科学を人類文化の一形態としてとらえ、その歴史と考え方を古今東西の言葉を手がかりに考察したユニークな科学随筆集。
【まえがき】より
なにごとによらず、自分の目で物事を見つめそれについて様々な思いを巡らせるのは本当に楽しいことである。或いはいろいろな本を読んだり他人の話を聞いたりして、自分が今までに知らなかった世界に触れるのも知的好奇心を大いに満足させてくれる。そしてさらに、このように時間をかけて貯えてきた数多くの知識や経験を、もう一度自分の好みに合った方法で組み立て直してみると、そこにはこころ豊かな新しい世界が生まれてくる。
この場合、哲学などといえばいかにも大袈裟に聞こえるが、そもそも日本語で哲学と訳された言葉の本来の意味は、ギリシャ語で「考えること(sophy)が好き(phil)」というきわめてわかりやすいものだったはずである。
この事情は科学についても……
雲の世界−THE WORLD OF THE CLOUDS−
季節や気象条件によって変化する多種多様な表情を地上・空撮・衛星写真等、様々な角度から260枚もの写真に収めた1冊。
目次
1.雲の世界は千差万別
はじめに
雲の発生
雲の分類-十種雲級-
雲を規定するパラメーター
雲形と雲粒の形状
雲と気候変動
2.雲の分類
巻雲
巻積雲
巻層雲
高積雲
高層雲
乱層雲
層積雲
層雲
積雲
積乱雲
3.雲の組み合わせ
積雲と層積雲
巻雲と積雲
積雲と高層雲
巻雲と積雲
高層雲,層積雲と積雲
巻雲と積雲
高積雲と雄大積雲など
4.空の色と雲の色
青空と夕焼けの空
虹
かさ現象-光の回折
光冠
水平環
天頂環
幻日
太陽柱
彩雲
5.珍しい雲
乳房雲
レンズ雲
御光
くらげ雲
環八雲……
黄砂の科学 気象ブックス018
毎年のように黄砂が頻発し話題となっています。これは中国内陸部のタクラマカン砂漠や黄土高原などから舞い上がった砂ぼこりが、上空の風に乗って日本に飛来するものです。黄砂の移動の様子は、衛星写真などからも把握され、関心を呼んでいます。
日本では車や洗濯物が汚れる程度の被害ですが、発生源に近い中国や韓国では雪のように降り積もり、交通、農業、健康などへの被害が甚大で、黄砂は気象災害としてとらえられているといいます。
黄砂の発生には中国内陸部の砂漠化が深く関わっているとのことです。また,本書によると,近年の黄砂被害の大規模化は過放牧,過耕作,森林伐採などの人為的側面もあるといいます。
著者は名古屋大学教授で、長年黄砂の研究に携わり、中国などで現地調査を重ねてきました。黄砂の発生現場から日本への移動経路、黄砂発生の背景にある大陸内陸部の環境変化まで、ひとつひとつ具体例を取り上げ、丁寧に案内し……
気象の遠近法−グローバル循環の見かた− 気象ブックス001
日々の天気を運んでくる地球をめぐる大きな風。その美しい姿の奥にひそむ大自然の摂理。日常見なれた天気天候をグローバルな視点に立った遠近法で見なおす楽しみを、プロ野球や文学美術などの身近なたとえ話から始めてやさしく語りかける新しい気象観。
【目次】
序 章 遠近法の楽しみ
一 野球の見かた
二 パースペクティヴということ
三 さまざまな気象の見かた
四 気象の遠近法
第一章 大気のグローバル循環
一 グローバルということ
二 グローバル循環
三 大航海時代
四 ハレーの風系図
五 ハレーの説
六 地球は回っている
七 ハドレー循環
八 グローバル循環の姿
九 成層圏と中間圏の風
第二章 地球の温度
一 暑さ寒さ
二 気温のグローバル分布
三 気温を決めるもの
四 熱のバランス
五 地球の温度
六 ……
風と風車のはなし−古くて新しいクリーンエネルギー− 気象ブックス019
世界にはさまざまな風が吹いています。ハリケーンもあり、台風もあります。心地よく肌を撫でてゆく春風もあれば、一瞬にして地上の全てを巻き上げる突風もあります。毎日の気象情報では気温、降水量の他に「風力・風向き」が予報されています。
風は気温や降水量に比べれば日々の生活にそれほど深い関わりはないように見えます。ところが、本書によると、風は私たちの生活に無縁なものではなくなります。日本には「○○風」とか「○○おろし」のように風に地域独特の名前が付いていたり、「風情がある」とか「風雅を好む」などのような風に関する言葉や、風に関する地名が多くあります。世界でも農作物から建築物にまで風の影響が及んでいるといいます。
目には見えない風にも名前があり、特有の性格があり、人間の衣食住や文化にまで深い関わりがあること改めて教えてくれます。
著者は学生時代から風に興味を持ち、長年にわたって世界各地で観……