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ズワイガニの漁業管理と世界市場
TAC(総漁獲可能量)による漁業管理が行われているズワイガニ。漁獲、加工、漁業管理など実態に基づき分析するとともに、その世界市場の構図を鳥瞰する。果たして、個別割当制度は機能するのか。海外事例の緻密な分析により検証する。
【はじめに】より
今日、世界における水産資源の利用は、ローカルとグローバルの両面を持って展開している。すなわち、海洋生物資源の多くは排他的経済水域(以下、EEZ:Exclusive Economic Zone)の設定により、沿岸国に囲い込まれてしまった。そして、沿岸国による資源の合理的利用、すなわち漁業の望ましいあり方が模索されている(ローカルな側面)。一方で、水産物は国家の境界を超えて流通するようになり、生産(漁獲)から国を超えた加工や消費といった世界的なフードシステムの視点で理解することが必要になっている(グローバルな側面)。
本書で紹介する一連の研究は、著……
磯焼け対策シリーズ2 磯焼けを起こすウニ−生態・利用から藻場回復まで−
環境要因による藻場の衰退を扱っている内容。さらに、もっと根本的な問題として、藻場の変動特性、日本沿岸の藻場分布、藻場の成立や衰退を左右させる環境要因等、藻場とそれを構成する藻類について包括的にまとめている。
また、従来主流であったハード主体の藻場造成手法や施肥に対して批判的に検討するなど、従来の藻場造成関連本とは一線を画す内容である。
著者からこの本を読まれる方へ(「まえがき」より)
四方を海に囲まれた日本は、世界で最も海藻の利用が盛んで、海藻に対して造詣の深い国である。古来、食料、藻塩、布糊、漆喰、海藻風呂など様々な形で生活の中に海藻を取り入れ、現在もスーパーマーケットには海藻製品が溢れている。近年は、健康食品、人体や環境に優しい工業用資材、化石燃料に代わるバイオ燃料というように新たな期待も大きい。海藻は、ミネラル、食物繊維、機能性成分も豊富で、大量に生育する種、成長が速く増養殖によっ……