タグ「気象ブックス」 一覧
南極・北極の気象と気候 気象ブックス027
海氷域の急減など激しい温暖化の脅威にさらされている北極、オゾンホールの発達する南極、地球温暖化の結果、北極・南極の氷が融けて海面水位が上昇するのではないかと心配されている。地球規模の気候変化の中で、極域がどのように振る舞うのかは、たいへん注目されるところである。地球規模変化が極域には増幅して現れるといわれているとともに、極域は地球規模の気候をかたちづくる要因をもっている。また、極域には過去の地球環境が記録されている。
一方、極域にはさまざまな特異な気象現象があり、気候を特徴づけている。地球の極であるが故の力学的問題、放射場の影響、カタバ風、ダイアモンドダストに成層圏突然昇温などなど。そして、極域科学は単なる探検でないだけでなく、局地科学だけでもなく、グローバルなサイエンスである。今、国際極年(IPY)20072008といって、極域に関する国際的な共同研究が精力的に行われているさなかであ……
ココが知りたい地球温暖化 気象ブックス026
テレビや新聞の報道、あるいはインターネットなど、さまざまなメディアで地球温暖化が話題になっています。書店の店頭で見かける温暖化関連の書籍の数も、いまやかなりの数に上っています。
それらの中には「進行する温暖化の危機」といったものがあるかと思えば、「温暖化はウソである」といった調子のものもあります。新しい説が唱えられるたびに、情報が錯綜し、何が本当なのかわからないというのが,大方の人の感想でしょう。温暖化のことを、見聞きする機会は多いものの、正確に理解できているかというと、そうでもないというのが実際のところのようです。
本書は、このような温暖化に関するよくある質問、素朴な疑問に、温暖化を専門に研究している、国立環境研究所地球環境研究センターの第一線の研究者たちがQ&A形式で答えるもの。地球環境研究センターのニュースレターの連載記事から29話を、質問の内容に応じて温暖化の「科学」「影響……
地球温暖化と農業 気象ブックス024
本書は、農水省の研究部門で活躍した農業気象のトップともいえる著者が、地球温暖化のメカニズムや農業へのメリット・デメリット、米・野菜・果物など各種作物への影響など、温暖化と農業の関係を最新のデータに基づきわかりやすく解明しています。そして、世界的に見た飢餓人口問題なども交え50年後、100年後を見据えた予測と今後の適応策を提言しています。
生育や品質、収穫量など、作物によって受ける影響は異なるものの、これだけ状況が変わってくるのかと驚きを感じます。現状を把握し、温暖化を上手に利用し、適応していくことが、今後の農業を支える術となるでしょう。その足掛かりとして、ぜひ一読をお薦めします。
【まえがき】より
20世紀の終わりから暑い年が続いている。最近、暖冬で明け、暑い夏になることが多いと感じるのは筆者だけだろうか。
筆者が温暖化の研究を始めたのでは、1980年代の終わりであった。その……
黄砂の科学 気象ブックス018
毎年のように黄砂が頻発し話題となっています。これは中国内陸部のタクラマカン砂漠や黄土高原などから舞い上がった砂ぼこりが、上空の風に乗って日本に飛来するものです。黄砂の移動の様子は、衛星写真などからも把握され、関心を呼んでいます。
日本では車や洗濯物が汚れる程度の被害ですが、発生源に近い中国や韓国では雪のように降り積もり、交通、農業、健康などへの被害が甚大で、黄砂は気象災害としてとらえられているといいます。
黄砂の発生には中国内陸部の砂漠化が深く関わっているとのことです。また,本書によると,近年の黄砂被害の大規模化は過放牧,過耕作,森林伐採などの人為的側面もあるといいます。
著者は名古屋大学教授で、長年黄砂の研究に携わり、中国などで現地調査を重ねてきました。黄砂の発生現場から日本への移動経路、黄砂発生の背景にある大陸内陸部の環境変化まで、ひとつひとつ具体例を取り上げ、丁寧に案内し……
風と風車のはなし−古くて新しいクリーンエネルギー− 気象ブックス019
世界にはさまざまな風が吹いています。ハリケーンもあり、台風もあります。心地よく肌を撫でてゆく春風もあれば、一瞬にして地上の全てを巻き上げる突風もあります。毎日の気象情報では気温、降水量の他に「風力・風向き」が予報されています。
風は気温や降水量に比べれば日々の生活にそれほど深い関わりはないように見えます。ところが、本書によると、風は私たちの生活に無縁なものではなくなります。日本には「○○風」とか「○○おろし」のように風に地域独特の名前が付いていたり、「風情がある」とか「風雅を好む」などのような風に関する言葉や、風に関する地名が多くあります。世界でも農作物から建築物にまで風の影響が及んでいるといいます。
目には見えない風にも名前があり、特有の性格があり、人間の衣食住や文化にまで深い関わりがあること改めて教えてくれます。
著者は学生時代から風に興味を持ち、長年にわたって世界各地で観……